スバル、4代目「アウトバック」をNYショーで公開
ツーリングワゴンに先駆けワゴンボディーを初披露

NYショーでのアウトバックと、富士重工業の森郁夫社長(右)。森社長の左はSubaru of Americaのエグゼクティブ・バイスプレジデントであるドール氏


 スバル(富士重工業)は、4月8日から開催されているニューヨーク国際自動車ショー(NYショー)に、新型「アウトバック」(米国仕様)を出展した。

 レガシィツーリングワゴンの地上高を上げ、SUV風のアレンジを施したクロスオーバーカー。日本では1994年にレガシィグランドワゴンとして発売され、以来、レガシィランカスター、アウトバック、レガシィアウトバックと、代ごとに名称が変わっている。

 4代目となる新型は、全幅を50mm、全高を105mm拡大し、最低地上高を220mmとした(現行型の日本仕様は200mm)。また、リアゲート開口部を広げ、ラゲッジルーム床面を低くすることで、容量を増やし、荷物を積み降ろししやすくした。

 外観は、やはりNYショーで発表された新型レガシィセダンと多くの共通点を持つ。従来型ではクオーターウインドーとリアウインドーがつながるデザインだったDピラーを、ボディーカラーで塗装し存在感を持たせた。またサッシュドアが初採用され、メタリックのモールでサイドウインドーを囲むことで、サイドグラフィックに変化を付けている

 ルーフには、新開発のクロスバー内蔵ルーフレールを装備。不要時にはクロスバーをワンタッチで格納し、風切り音を低減する。

 新型アウトバック(米国仕様)新型レガシイセダン(米国仕様)
全長×全幅×全高4780×1820×1670mm4735×1820×1505mm
ホイールベース2740mm2750mm
トレッド(前/後)1550/1550mm1565/1570mm

 従来型と同じく、フロントオーバーハングに縦置きした水平対向エンジンから、車体後部までトランスミッションとデファレンシャルギア、プロペラシャフトを一直線に配置した「シンメトリカルAWD」レイアウトを採る。

 メカニズムも新型レガシィセダンと多くの共通点を持ち、エンジンを「クレードルフレーム」と称するサブフレームにマウントすることで、振動を抑えた。

 ただし、アウトバックには2.5リッターターボエンジンは用意されず、自然吸気2.5リッターSOHCエンジンにCVTまたは6速MTを組み合わせる「2.5i」と、自然吸気3.6リッターDOHCエンジンに5速ATを組み合わせる「3.6R」の2モデルになる。

 2.5iのCVTはセダン同様に新開発のチェーン式無段変速機「リニアトロニック」を採用。ATモードのほかに6速MTモードを備え、パドルによる操作が可能となっている。

 ホイールとタイヤは、2.5iは16インチスチールホール、215/70 R16、3.6Rは17インチアルミホイール、225/60 R17を標準とする。2.5iの上級グレードは、3.6Rと同じスペックのタイヤとホイールを履く。

 パーキングブレーキは電動式で、ヒルホールド機能を備える。

モデル名エンジントランスミッション最高出力最大トルク
2.5i自然吸気2.5リッターSOHCCVTまたは6速MT170HP/5600rpm170lb-ft/4000rpm
3.6R自然吸気3.6リッターDOHC5速AT256HP/6000rpm247lb-ft/4400rpm。

3.6Rの水平対向6気筒エンジンエンジンはサブフレームにマウントされる

 インテリアでは、昼夜常時発光式のアルミ蒸着リング付き4連タイプメーター、センターパネル中央に瞬間・平均燃費などを表示するマルチインフォメーションディスプレイなどを装備。

 後席は6:4分割可倒式で、リクライニング機構とアームレスト内蔵カップホルダーを標準装備する。上級グレードは前席電動シートを備え、チルトアップ&インナースライド式サンルーフやHarman Kardonプレミアムオーディオをオプションに設定する。

 このほか周囲の照度に合わせて自動的に点消灯するオートライト機能付きヘッドライト、全体でむち打ちを軽減する構造のシートなどを搭載する。

3.6Rのインテリア
3.6Rのインテリア3.6Rのメーターパネル電動パーキングブレーキ。ヒルホールドも備える

NYショーに展示されたレガシィセダン

セダンのカットモデルインテリア2.5リッターターボエンジン
3.6リッターエンジン「リニアトロニック」CVT

 

(編集部:田中真一郎)
2009年 4月 10日