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ヤナセが取り扱うモデル以外もOK。クラシックカーをレストアする「ヤナセ クラシックカー センター」開所式
テュフの「クラシックカーガレージ認証」取得
2018年6月23日 08:00
- 2018年6月22日 開催
ヤナセのグループ会社であるヤナセオートシステムズは6月22日、幅広いクラシックカーのレストアを行なう「ヤナセ クラシックカー センター」(神奈川県横浜市都筑区川向町1117)の開所式を開催した。
ヤナセのレストアサービス拠点であるヤナセ クラシックカー センターでは、これまでにヤナセが取り扱ってきたモデルにとどまらずレストアに対応。4月5日から営業を開始しており、30年以上前に製造された「オールドタイマー」、約20~30年前に製造された「ヤングタイマー」の2ジャンルでクラシックカーの修復・復元を実施している。
また、6月22日には、幅広い分野で認証を行なっている第三者検査機関「テュフ ラインランド ジャパン」から、11カテゴリー、150項目以上の基準に基づく監査を実施して内容を証明する「クラシックカーガレージ認証」が発行されたほか、営業開始当初はなかったサービスの受け付けエリアなどが整備され、来賓なども招いたお披露目として開所式が執り行なわれた。
「クラシックカーを売り買いする場を整備したい」と井出社長
テープカット後に行なわれた主催者挨拶では、ヤナセ 代表取締役社長の井出健義氏が登壇。井出氏は、ヤナセはこれまでもレストアのサービスを大阪、横浜などで行なってきたが、今回から正式に組織化して事業として取り組むことになった理由は4点あると説明。まず、ヤナセではコーポレートスローガンとして「クルマはつくらない、クルマのある人生をつくっている」を提唱して活動しており、そのスローガンを具現化するのがヤナセ クラシックカー センターであると解説。
近年ではクルマがデジタル化、電動化、自動化といった進化に突き進んで激しい開発競争が繰り広げられており、この流れは自動車技術の本流になると述べつつ、一方でクルマが持つ魅力は「人や物の移動手段」としてだけでなく、とくに自分たちが扱っている輸入車については「趣味や遊び」としての楽しさを持っているとアピール。また、昨今では社会の消費スタイルが「ものの消費」から「ことの消費」にシフトしていることに触れ、「走る喜びを感じるクルマ」「見て胸がときめくクルマ」といったクルマが「ことの消費」に相当するのではないかと語り、クルマの持つ1つの価値としてこれからも必ず残っていくだろうと分析。103年目の歴史に入ったヤナセでは、そんなクルマを愛するユーザーに「クルマのある人生」をこれからも楽しみ続けてもらうため、ヤナセ クラシックカー センターでも貢献していきたいと述べた。
2点目として、井出氏は海外にある「クラシックカーを楽しむ文化」を日本にも導入していきたいと語り、さらに将来的には「クラシックカーを売り買いする場を整備したい」とコメント。まだ日本にクラシックカーの需要がどれだけあるのか分からないとしつつ、ヤナセでは海外メーカーとの関係性からさまざまな技術情報を持っており、古い部品の調達も可能だとアピール。なによりヤナセには社会的な信用度があり、自分たちが率先して動いていかなければ欧米のような市場を育てることはできないとした。
3点目になるのは「技術の伝承」。ヤナセの社内でもクラシックカーの整備などが可能な人材が少なくなっており、テスターなどを使うことで故障診断が容易な現代のクルマとは違い、アナログなクラシックカーを直すためには熟練の技術が必要だと井出氏は説明。そんな「匠の技」を残していくにはきちんとした組織を作って後継者を育てることが必要で、その機会を得る場としてもヤナセ クラシックカー センターは機能することになるという。
最後の4点目は「社会的貢献」だと井出氏はコメント。現代的なクルマは画一的になってきており、将来的にはドライバーのいない自動運転車が道路を占有していくかもしれないと井出氏は語り、一方でクラシックカーが公道を優雅に走る姿はクルマの文化や歴史を見る人に感じさせ、クルマに憧れるファンを作るきっかけになるのではないかと解説した。
最後に井出氏は「舞台は整えることができました。これはこのクラシックカー センターに関わる皆さんへのお願いですが、クラシックカーの事業ほど中身が問われるものはないと思います。技術力や熱心さが問われると思いますので、お客さまの『クルマのある人生』をより輝かせるため、そして直したクラシックカーがより輝いて光を放つよう、皆さんで団結して頑張っていきたいと考えております」とコメントして挨拶を締めくくった。
また、ヤナセ クラシックカー センターの代表となるヤナセオートシステムズ 代表取締役社長の江花辰実氏は「このヤナセ クラシックカー センターは、輸入車のクラシックカーにお乗りのお客さまに、『クルマのある人生』を長くいつまでも乗っていただき、さらに乗る楽しみだけでなく、歴史的に価値のある大切なクルマを持ち続けていただく『持つ喜び』も『クルマのある人生』として楽しんでいただくお手伝いとして事業を始めました。設備としてのスタートは小さなものですが、クラシックカー センターの受け付けをするだけではなく、板金塗装や世界のいろいろな場所から部品を調達するなど、ヤナセグループ全体やヤナセオートシステムズがこれまでに培ってきた経験や知識などを結集して、大切なクラシックカーをいつまでもお持ちいただけるようお手伝いしていきたいと思います」とコメントした。
ヤナセ クラシックカー センターの車両補修も担当する「ユニット工場」「BP工場」見学会
開所式の終了後には報道関係者向けの事業所内見学会が実施され、新設されたヤナセ クラシックカー センターのサービス受付エリア、トランスミッションやサスペンション、ステアリングなどの修理を担当する「ユニット工場」、ボディリペア(板金)やペイント(塗装)を担当する「BP工場」などが紹介された。