ニュース

JMS、2019年に活躍したドライバーに贈る「JMSアワード」発表

モータースポーツの未来を背負う若きエース3名もピックアップ

2020年1月8日 発表

日本モータースポーツ記者会 高橋二朗 会長(左)、山下健太選手のお父さま(中)、トヨタ自動車株式会社 GAZOO Racing Company GR企画領域 GRブランドマネジメント部 杉浦宏哉 部長(右)

 モータースポーツイベントを取材するジャーナリストおよび専門誌編集者などにより組織される「日本モータースポーツ記者会(Japan Motorsport-journalist Society)」は1月8日、「JMS MOTORSPORT NIGHT」を開催し、2019年度のアワードを発表。大賞はSUPER GT GT500クラスに出場したチームルマンの17年ぶりの優勝に貢献した山下健太選手に、特別賞は、ル・マン24時間レースでチャンピオンを獲得し、日本人初の『FIAホール・オブ・フェイム(FIA殿堂)』を受賞した中嶋一貴選手に贈られた。

日本モータースポーツ記者会 会長 高橋二朗氏
本田技研工業株式会社 ブランドコミュニケーション本部 モータースポーツ部 四輪課 課長 塚原淳氏
株式会社モビリティランド 代表取締役社長 田中薫氏

 JMS MOTORSPORT NIGHTの冒頭では高橋二朗会長が登壇し「2019年もSUPER GT、スーパー耐久、フォーミュラなど、さまざまなカテゴリーで毎戦楽しみなレース展開が繰り広げられていたと思います。また、JMSもより知識を高めて取材を行なうために勉強会を開いていて、2019年は初めて海外(香港)に出てフォーミュラEの勉強会を実施しました。事前事後にも国内の電気自動車関連企業であるルネサスエレクトロニクスやロームを訪問してきました」

「そして2020年は、F3のカテゴリーが新たに『スーパーフォーミュラライト』となって、新しいスタートを切りますので、こちらの動向も見守っていきたいと思います。また、今世界を席捲しているeスポーツに関しても、1つの新たなカテゴリーととらえて理解を深めていきたいと考えています。今年度も会員が2名増え、より一層盛り上げていきます」と、今後の展望と決意を語った。

 また、あいさつの後には2019年末に死去したウエストレーシングカーズ 代表の神谷誠二郎氏へ黙祷を捧げた。神谷氏は独自デザインのレーシングカーを製作販売しつつ、自動車レースの普及にも情熱を傾け、国内のほかアジアでのレースの立ち上げなどにも尽力していた。

 続いて来賓の本田技研工業の原塚淳氏が「本田技研は昨年モータースポーツ参戦60周年を迎えました。今後もモータースポーツ活動を頑張ってまいります」と述べ、鈴鹿サーキットやツインリンクもてぎを運営しているモビリティランドの田中薫社長が乾杯の音頭を取った。

佐藤蓮選手(左)、岩佐歩夢選手(中)、澤龍之介選手(右)

 JMSが注目する若手ドライバーを紹介する「What's New」では、2017年、2018年と2年連続でカートでチャンピオン獲得。2019年はFIA-F4選手権で14戦中11勝という圧倒的な成績でチャンピオンとなった佐藤蓮選手(18歳)。2019年12月に行なわれたスーパーFJ日本一決定戦では、予選と第一レグをトップで通過、決勝でも激しいデッドヒートを制して優勝。2020年はホンダが行なってるドライバー育成プログラム「ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)」の一員として活動する予定の岩佐歩夢選手(18歳)、2018年はスーパーFJ鈴鹿シリーズで5位、同じく日本一決定戦で3位、2019年もスーパーFJ鈴鹿シリーズで5戦中4戦で優勝。日本一決定戦では7番グリッドからトップ争いを展開するなど成長著しい活躍を遂げた澤龍之介選手(17歳)が選出された。

「選んでいただきありがとうございます。これからもF1を目指してもっと頑張ります」と佐藤蓮選手
「2020年は昨年以上によい成績を残せるように頑張ります」と岩佐歩夢選手
「まだチームは確定していませんが、2020年はFIA公認シリーズに参戦したと思っています」と澤龍之介選手

 JMS MOTORSPORT NIGHTの後半には、テクノロジーから楽しみ方までを含めたカー&ライフをテーマに、モータージャーナリストとしての活動する傍ら「JAF WOMEN IN MOTORSPOTRT」の座長を務める飯田裕子氏が登壇し、女性の自動車やモータースポーツへ関心を高めるための活動などを発表・報告した。

モータージャーナリスト 飯田裕子氏

 また、毎年春恒例のモータースポーツイベントとなっている「モータースポーツジャパン」が、2020年は場所を変えて開催するとのことで、実行委員長の日置氏より開催概要の説明が行なわれた。今回は東京 お台場がオリンピックのため使用できず、新たな試みとして渋谷駅周辺を利用して開催。日ごろまったくモータースポーツに接点のない人たちに、訴求していく試みにチャレンジする」と述べた。

渋谷駅周辺に、レーシングカーを展示したり動画を流したりできる拠点を数か所設け、老若男女問わず幅広い人たちにモータースポーツに触れる機会を作るのが狙い

 最後にJMSアワードの発表が行なわれた。この賞はJMS会員の投票によって決定し、大賞は基本的にドライバーで、これからの活躍の期待も込められたもの。特別賞は国内外の顕著な成績やエポックメイキングに対して贈っているという。

歴代の受賞者

 2019年の大賞は、SUPER GT GT500クラスに出場したチームルマンの17年ぶりの優勝に貢献した山下健太選手が受賞。特別賞は、ル・マン24時間レースでチャンピオンを獲得し、日本人初の『FIAホール・オブ・フェイム』を受賞した中嶋 一貴選手が受賞した。

山下健太選手は「2019年は自分の中でも最も充実した年で、SUPER GTでは優勝できチャンピオンを獲得できました。すべてチームやファンの皆様のおかげだと思っています。2020年は年間10戦の世界耐久選手権を戦っていきますので、引き続き応援のほどお願いします」とビデオメッセージを寄せていた
山下健太選手は海外に拠点を移しているためお父さま(左)が、中島選手は海外トレーニング中のため、トヨタ自動車株式会社 GAZOO Racing Company GR企画領域 GRブランドマネジメント部 杉浦宏哉部長(右)が、それぞれ代理で記念盾を受け取った
中島一貴選手は「特別賞をありがとうございます。自分でも素晴らしいシーズンを過ごせたと思っていますが、ひとえにチームやファンの皆さんのおかげですので、とても感謝しております。2020年も頑張りますので応援のほど、よろしくお願い致します」とビデオでコメント