ディズニーモード搭載PND
アクアキャスト「MediaCastポータブルナビ MCDY-MK001」レビュー

ディズニーランドへのドライブのお供にディズニーカーナビはいかが


アクアキャストの「MediaCastポータブルナビ MCDY-MK001」。ホワイトのボディー色とディズニーモードの搭載が特徴のPND。写真はディズニーモードでのメインメニュー画面で、ミッキーマウス、ミニーマウス、ドナルドダック、デイジーダックが車に乗っているイラストが表示される

 アクアキャストが5月25日から出荷開始する「MediaCastポータブルナビ MCDY-MK001」(予約販売はすでに始まっている)は、三洋電機が「ゴリラ」ブランドで販売しているPND(Portable Navigation Device)の「ミニゴリラ」をベースに、ディズニーのキャラクターであるミッキーマウス、ミニーマウス、ドナルドダック、デイジーダックなどが登場する「ディズニーモード」というユーザーインターフェースを追加するなどした製品だ。

 ディスニーモードでは、ディズニーのキャラクター達をモチーフにしたメニュー画面からナビの操作を行うことができるほか、「AQUAモード」という独自モードも用意されておりミニゴリラとは異なる操作性が大きな特徴となっている。外観は、ミニゴリラには用意されていないホワイトのボディー色となり、主なターゲットになると見られている女性を意識した設計となっている。

いつでもどこでもディズニーキャラクターと一緒に
 PNDとは、ダッシュボード上などに取付器具などを利用して手軽に取付できるナビゲーション機器のこと。カーナビとしては10万円以下という安価な価格で販売されるようになってきたため、アフターマーケット向けカーナビ機器として売れ行きも好調だ。カー用品店の棚などでも大きな面積を占めるようになりつつある。

 本製品のウリは、ディズニーモードと呼ばれる独自のユーザーインターフェースを採用していることだ。ディズニーモードのユーザーインターフェースでは、ユーザーがメニューを呼び出すたびに、ウォルトディズニーの人気キャラクターであるミッキーマウス、ミニーマウス、ドナルドダック、デイジーダックといったおなじみのキャラクターがフィーチャーされたアイコンなどが表示され、楽しくナビを操作することができることだろう。
 ディズニーのキャラクターが表示されるメニュー画面は

・メインメニュー(すべてが登場)
・目的地(ミッキーマウス)
・ルート(ミニーマウス)
・情報(デイジーダック)
・設定(ドナルドダック)
・AV(ミッキーマウス/ミニーマウス)

の6つが用意されている。アイコンもディズニーらしいアイコンが採用されていたりするので、ディズニーキャラクターを愛するマニアにはたまらないものだ。なお、ナビの音声などはミッキーの声などになっている訳ではない。ただ、もともとミッキーマウスは英語をしゃべるのだろうから、英語でナビされても日本人の我々には分からないので、その機能を搭載しなかったのは賢明な判断とも言えるだろう。

目的地検索のメニュー画面。陽気なミッキーマウスがかわいい。住所や電話番号などから目的地設定が可能になっているルートメニュー画面。ルート編集などができる。左にミニーマウスがラブリーにほほ笑んでいるGPS衛星の補足状況や走行軌跡、燃費計算などの表示ができる情報画面メニュー。ここではデイジーダックが紹介してくれている
設定メニュー画面ではドナルドが元気に案内してくれる。設定画面では到着予測時刻や画面表示設定、AQUAモードへの切り替えなどが可能になっているワンセグの視聴や録画した番組の視聴などAVソースを選ぶメニュー画面では、ミッキーマウスとミニーマウスが仲良く案内してくれる

 また、本製品にはディズニーモード以外にも、アクアキャストオリジナルのAQUAモードと呼ばれる独自のユーザーインターフェースも搭載されている。AQUAモードでは、メイン画面から多くの機能にアクセスできるように、ボタンが配置されており、ディズニーモードに飽きたときにはこちらのモードに切り替えて利用することができる。ディズニーモードではAVのメニューは別のメニューになっていたが、AQUAモードはそれらに直接アクセスできるボタンが配置されるなどの違いがある。なお、AQUAモードではすべての操作を行うことができないので、より本格的な操作を行いたい場合にはディスニーモードに戻る必要がある。

AQUAモードへ切り替える際に表示される画面。AQUAモードのメニュー画面は頻繁に利用するボタンを分かりやすく配置し、ワンセグや音楽プレイヤーの機能にはダイレクトにアクセスできる。ただし、一部の機能を選択できなくなるAQUAモードのメニュー画面。ご覧のようにシンプルな画面表示となった

ターゲットユーザーを考えて“杏仁ホワイト”という白系のボディーを採用
 すでに述べたように、本製品のベースになっているのは三洋電機のミニゴリラがシルバー系のボディーを採用しているのに対して、本製品は杏仁ホワイトと呼ばれる白系のボディーを採用している。

 車のダッシュボードはどちらかと言えば黒や濃紺などの色が多いため、一見するとホワイトのボディーはあわせにくいと思われがちだが、軽自動車のダッシュボードにぬいぐるみを置いてデコレーションしている場合などには逆に白いボディー色のほうがあわせやすくなると言える。おそらくそうしたユーザー層を意識してこのボディー色が選ばれたのではないだろうか。

 基本的な仕様はミニゴリラと同等で、液晶のサイズは5.2V型ワイド、メインストレージは4GBのSSDを採用している。本製品を含む三洋電機のゴリラシリーズは、GOLLIRAエンジンと呼ぶ高速な描画エンジンを採用しているため、地図のスクロールや画面切替などが非常に高速になっており、ユーザーがストレスなく操作できることが最大の特徴と言える。実際、電源スイッチを入れてから起動して利用できるようになるまで数秒程度で、PNDとしては高速な部類だと言ってよいだろう。

 なお、車への設置は付属している取付スタンドを車のダッシュボードなどに両面テープで貼り付ける必要がある。また、自動車のシガーライター(DC 12V)から電源を取って操作する場合には、パーキングブレーキ信号線にパーキングブレーキ信号ケーブルを接続しておかなければ、一部の操作(モードの切り替えや目的地の検索、ワンセグなど)は行うことができないようになっている。自力でパーキングブレーキ信号線に接続することができない場合などには、素直に用品店などに取り付けをお願いしたほうがよいだろう。

杏仁ホワイトというボディー色を採用することで、いままでのPNDとはちょっと変わったテイストになっている。軽自動車のような色調の内装にはあいそうだうさぎのマークでおなじみのスズキの軽自動車「アルトラパン」に乗せてみたところ。最初ホワイトのボディー色はどうかと思ったのだが、ラパンに乗せてみるとしっくりきて逆にびっくりしたほどだ
道を実際に走ってみても違和感のない感じで、ホワイトは意外と車の内装にあわせやすい色だと確認することができた交差点での表示。しっかりとしたレーン表示をしてくれるので、どこを走ればよいか明確で分かりやすかった右折時の表示、きちんと目印になる建物などが表示される
標準の表示はメイン画面(左側)に3D表示、右側画面にマップ表示となっている。これはルートガイド中の画面だが多数の情報が分かりやすく整理されている地図の最小スケールは25m表示最大スケール表示は250km表示となる
ナビ操作もタッチ式なので、手軽に縮尺の変更や目的地の設定ができる本体の左側面にはイヤフォン端子、SDカードスロット(SDHC対応)、パーキングブレーキ信号用端子、ACアダプタ端子。パーキングブレーキ信号を接続していないと、操作できない項目があるので、接続方法が分からない場合には用品店や専門のショップなどで取り付けてもらうとよいだろう。SDカードは撮影のため飛び出させているが、使用時は本体側面とツライチになる

AV機能は、ワンセグ、ミュージックプレイヤー、フォトビューアーの3つ
 本製品のAV関連の機能は、大きく3つの機能が用意されている。それがワンセグ、ミュージックプレイヤー、フォトビューアーだ。

 ワンセグは、モバイル機器向けに用意されたデジタルテレビ放送の1方式で、現時点では地上デジタル放送と同じ番組が放送されている(いずれはワンセグ専用の番組なども放送される予定)。以前のアナログテレビ放送が電波状況によってはノイズやゴーストなどが多数入ってしまっていたのに比べて、ワンセグの場合にはデジタルになるので画質はクリアで音質も優れている。本製品では、このワンセグ放送を受信しリアルタイムで再生できるほか、タイマー機能を利用して番組を録画することも可能になる。

 録画した番組は再生することも可能だ。もちろん運転中には見ることはできないが、本製品はバッテリーを内蔵しており、例えば外出先でカーナビだけ外して持って行って録画した番組を楽しむなどの使い方が考えられるだろう。また、止まっている時に見ていた番組を、移動するため視聴を中止しなければいけない状況などで録画ボタンを押して録画しておくと、それを目的地についた後で視聴するなどの使い方もできる。

 ミュージックプレイヤーの機能は、本製品の左側面にあるSDカードスロットに装着したSDカード(大容量のSDHCにも対応)に保存したMP3ないしはWMA形式の音楽ファイルを再生することができる。なお、複数のファイルがある場合にはプレイリスト(お気に入りの曲再生リスト)も作成したいところだが、本製品はWindowsの標準音楽ソフトであるWindows Media Playerを利用して作成できるWPLやM3Uといった形式に対応しており、それらをSDカードに転送しておけば、いつでもお気に入りの音楽を楽しむことができる。

 ただし、本製品の場合、スピーカーは本体の背面にあり、本格的に音楽を楽しむには力不足だ。できれば、手軽に車のカーステレオのスピーカーを利用したいという人も少なくないだろう。そうした時には、FMトランスミッターの機能を利用するとよい。FMトランスミッター機能は、本製品を小さなFM放送局にする機能で、本製品が出力するFMの電波をカーステレオのFMラジオで受信して、音声をカーステレオに流すというものだ。FMトランスミッタの機能を利用すると、ワイヤレスで手軽に音声をカーステレオに流すことができるので、非常に便利だ。

 フォトビューアーの機能では、デジタルカメラで撮影した画像を表示することができる。例えば、SDカードを記録メディアにして撮影するデジタルカメラを持っていれば、観光地などで撮影したそのSDカードを本製品に挿入して、フォトビューアーの機能を利用して再生すれば、すぐに撮影した画像をみんなで楽しむことができる。例えば、観光地の帰りに途中のファミレスでご飯を食べている時などに、本製品を取り外して持って行き、撮影したSDカードを入れればすぐにその日にとったばかりの写真を楽しむことができるので、話も弾むというものだろう。

本体背面。スピーカーのほか、外部GPSアンテナ端子、外部ワンセグ用アンテナ端子があるワンセグの画面。録画ボタンを押すことで、録画が開始される録画中の画面、左下に赤くRECの文字が出て録画中であることが分かる。録画はSDカードに行われるので、長時間録画したい場合には大容量のSDカードを用意しよう
録画した番組は、後で再生することができる。惜しいのは番組表からの録画はできず、あくまでタイマーで録画設定する必要があること音楽プレイヤーを再生している画面。MP3とWMAの音楽ファイルを再生できる、AACも再生できるとさらによかったのだが……フォトビューアーを利用すると、デジカメで撮影した写真を、すぐにカーナビで確認できる

 以上のように本製品は、ベースとなる製品としてすでに定評のある三洋電機のミニゴリラをベースにしているため、PNDとしての必要な機能はすべて用意されており、AV系の機能もワンセグ、音楽、フォトと必要なものがそろっている。

 それに加えて本製品だけの特色として、ホワイトを基調にしたボディ色やディズニーのキャラクター達が登場するディズニーモードを備えており、ディズニー好きのユーザーにとっては価値のある製品となっている。

 気になる価格だが現在予約販売中のWeb直販の価格で6万9800円という価格設定になっている。ベースモデルとの違いが外観とディズニーモードの有無というのがほとんどの部分を占めるのだが、そこに価値を見いだせるかどうかが製品選択の分かれ目となるだろう。ミッキーが三度の飯より好きだという“マニア”の方であれば、決して高くないと思うのだが、いかがだろうか。

(C)Disney

 

(笠原一輝)
2009年 4月 21日