ニュース

「写真から時の流れを感じてほしい」、日本レース写真家協会「JRPA50周年写真展」について小林稔会長と赤松孝実行委員長に聞く

2021年2月9日~3月17日 開催

入場無料

50周年を迎えた日本レース写真家協会の写真展

JRPA(日本レース写真家協会)会長 小林稔氏

 2月9日、CANON GALLERY S(東京都港区港南)で日本レース写真家協会「JRPA50周年写真展」が始まった。この写真展はJRPA(日本レース写真家協会)の創立50周年を記念するもので、会員によって撮影された1971年から現在までモータースポーツシーンを一堂に展示したものだ。会期は3月17日までとなっており、入場料は無料。

 JRPA会長の小林稔氏は写真展の開催にあたり、その想いを語ってくれた。

「今回はJRPAの会員が50年にわたり撮影し続けた作品を一堂に展示しましたので、写真から時の流れをぜひ感じてほしいと思っています。時代によって変化していくレーシングカーのフォルムやサーキットの風景、写真的に言えばフィルムからデジタルへの変化などいろいろと見方はあると思います。当時のサーキットの風景が懐かしい人もいるでしょう。現在の風景だけを知っている人には新鮮に映るかもしれません。見てくれる一人一人の方の思い出とか想像を引き出してくれるのも写真の力です。また、若い世代の方にはモータースポーツはこんなに昔から続いていたんだと感じてもらえれば嬉しいです。色々な人がそれぞれの想いで楽しめる写真展ですので、ぜひ会場に足を運んでいただければ幸いです」。

日本レース写真家協会「JRPA50周年写真展」

国内外の2輪、4輪レースシーンを会場一杯に展示

1971年からのレースシーンを展示

 会場には1971年に撮影されたマン島TTレースのジャコモ・アゴスティー二選手から2020年インディ500を制した佐藤琢磨選手まで国内外の2輪、4輪レースの作品が並ぶ。ホンダエンジンで戦うアイルトン・セナ選手やナイジェル・マンセル選手、1991年ル・マンを制したマツダ787B、WRCサファリを戦うトヨタセリカなど日本メーカーの活躍した1980~90年代のシーンは多くの日本人を魅了したシーンだ。

 なかには日本を代表するF1フォトグラファー金子博氏が撮影したケニー・ロバーツ、フレディ・スペンサー、片山敬済選手などWGPライダーの作品もあり、こちらも貴重だ。

1983年熾烈なチャンピオン争いを繰り広げたホンダ、ヤマハのワークス勢

 なお、長年2輪のグランプリレースを撮影し続けるカメラマンでもあり今回の写真展の実行委員長でもある赤松孝氏は「われわれはプロフェッショナルカメラマンとして選手が全身全霊をかけて戦っている姿を記録に残すということが一番だと考えています。今回は歴史を振り返る写真展ですので展示された作品から、モータースポーツの50年を追体験してみてほしいと思います。」と語ってくれた。

 貴重な2台のWGPマシン、ケニー・ロバーツ選手のYZR500とフレディ・スペンサー選手のNS500の展示については「僕の個人的な趣味でもありますが、このセレクトには多くの2輪のレースファンの方々に賛同していただけるのではないかと思っています」と笑いながらも、ホンモノを用意するのはとても大変だったと本音もチラリ。

写真展の実行委員長を務めたJRPA副会長 赤松孝氏

JRPAアワードや50周年アワードも展示

展示された「JRPAアワード」の楯

 JRPA会員が「その年一番のフォトジェニック」を選ぶ「JRPAアワード」の記念楯も会場に展示されている。2020年の大賞は2輪からMotoGPの「TEAM SUZUKI ECSTAR」、4輪からはSUPER GTの「山本尚貴×牧野任祐」。また今回はTEAM KUNIMITSU高橋国光総監督が「50周年アワード」に選出されている。

 例年であれば写真展会場で授賞式を行なっている「JRPAアワード」、そして毎年開催されているアマチュア写真コンテストの表彰式も今回はコロナ禍の状況を鑑みて中止となったが、コンテストの対象受賞者に贈られるキヤノンのミラーレス一眼レフのダブルレンズキットがキヤノンマーケティングジャパン プロサポート本部 部長 中村真一氏より小林稔会長に手渡された。

キヤノンマーケティングジャパン プロサポート本部 部長 中村真一氏(左)、JRPA会長 小林稔氏(右)

 同様にJRPAがモータースポーツの写真展を開催するたびに行なっていた会員によるギャラリートークも開催されず、プロの現場の秘密のテクニックやさまざまなぶっちゃけ話が好評だっただけに残念だ。

 しかし、会期中にキヤノンギャラリーのサイト内で動画が配信されるとのことなので期待したい。また、50周年を記念してJRPAでは「日本レース写真家協会50周年写真集」を制作した。こちらはモータースポーツ50年の歴史を写真で語る写真集で会場のほか書店やネットでも入手できる。

「日本レース写真家協会50周年写真集」

 写真展実行委員長の赤松氏は「モータースポーツはクルマやバイクを使って誰が速いかを競う、という点においては50年前も今もその本質は変わっていません」と言う。時代とともに変わってきたマシン。今とはまったく違う風景のサーキット。そしてフィルムからデジタルへの移行で大きく変化したフォトグラファーの撮影環境。50年で変わったこと、変わらないスピリット、いろいろと見所の多い写真展は3月17日まで。モータースポーツファンはもとより写真ファンにもオススメの写真展だ。

開催概要

開催会場

CANON GALLERY S
東京都港区港南2-16-6
JR品川駅港南口より徒歩約8分
京浜急行品川駅より徒歩約10分

開催日程

2021年2月9日(火)~3月17日(水)
10時~17時30分(日曜・祝日は休館日)

入場料

無料