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キリンビール、本当においしいノンアルビール「キリン グリーンズフリー」説明会 「おいしいノンアルで失われた市場を呼び覚ます」

2021年2月17日 実施

ノンアルコール・ビールテイスト飲料「キリン グリーンズフリー」について説明を行なうキリンビール株式会社 マーケティング部 久保育子氏

 キリンビールは、2月24日にリニューアルして発売するノンアルコール・ビールテイスト飲料「キリン グリーンズフリー」のオンライン説明会を行なった。

 これは、2020年に発売したノンアルビールであるグリーンズフリー(旧製品)とリニューアルして発売するグリーンズフリー(新製品)の違いを説明するもので、キリンビール マーケティング部 久保育子氏、同 マスターブリュワー 田山智広氏が登壇。ノンアルビール市場や変更点についての解説を行なった。

キリン グリーンズフリー

新グリーンズフリーの開発背景

キリンのノンアルコール飲料への取り組み

 製品をリニューアルするに至った背景はマーケティング部 久保育子氏が説明。キリンは現在、「健康」「酒類メーカーとしての責任」という観点からノンアルコール飲料に注力しており、2021年の目標は前年を23%上まわる430万ケース(大ビン 633ml×20換算)を目指している。

 その中でも中心となるのがノンアルコール飲料の9割以上を占めるノンアルコールビールで、キリンは、本格的なビールの味わいをもつ「ゼロイチ」、カロリーゼロの健康志向ノンアルビール「カラダFREE」、そして爽快感をウリにごくごく飲めるという「グリーンズフリー」をラインアップしている。

キリンのラインアップ
市場動向

 ノンアルコール飲料市場は11年連続で成長しているものの、ビール類市場の市場規模である1.5兆円と比べると725億円と約4.6%。カテゴリーとしての飲用者数も少なく伸び代も大きいとみている。

 そのために大切なのが、現在ノンアルを直近1年以上も飲んでいない非飲用層の開拓になる。さらにその中でも3割以上が、一度ノンアルビールを飲んでみたものの、「おいしくない」「人工的な味がする」などで離れてしまった休眠層であるといい、ノンアル市場に“とびきりおいしいノンアル”を投入することにより、失われた市場を呼び覚ますのだという。そのために作られたのが、2月に発売になる新しいグリーンズフリー。この新しいグリーンズフリーで「一番太い、おいしさというニーズに応える」(久保氏)という。

市場実態
飲用実態
潜在市場
休眠層の攻略
おいしさで失われた市場を呼び覚ます
好評価

グリーンズフリーのおいしさについて

キリンビール株式会社 マスターブリュワー 田山智広氏

 旧製品と新製品の違いについて説明したのはキリンビール マスターブリュワー 田山智広氏。田山氏は旧製品と新製品を実際にグラスに入れて比較紹介。

 ビールは麦汁とホップにビール酵母を添加し、麦汁を発酵させて製造する醸造酒。ビール酵母が麦汁の糖分をアルコールと炭酸ガスに分解していき、いわゆるビールになる。一方、ノンアルコールビールはアルコールが0.00%であるため、発酵という過程を経ていない。発酵させずにビールテイストを目指していくものになる。田山氏はそれについて「発酵過程を経ないノンアルコールの場合、ビールのようなおいしさにならない」と言い、開発過程でグリーンズフリーは発想の転換を図ったと語る。

 その発想の転換とは、「今までのノンアルコールビールはビールのおいさしさに近づけていく開発」から「おいしいノンアルコールビールは、ビールに近づけることではない」ということ。ビールに近づけるのではなく、「麦とホップというビールと同じ原料でおいしいノンアルコールビールを作るという挑戦」を行なった結果できた製品になる。

 そのポイントは、「大きかったのがネルソンソーヴィンホップの採用だった」と、リニューアル前のグリーンズフリーに入っておらず今回のグリーンズフリーに入っているネルソンソーヴィンホップにあるとした。

ネルソンソーヴィンホップが味の決め手

 このホップはキリンの社内ベンチャーであるスプリングバレーブルワリーの「on the cloud」にも使われているもので、白ワインのようなフルーティなテイストを実現する素材として用いられている。新しいグリーンズフリーでは、このネルソンソーヴィンホップを新たに使うことで開発途中の試飲段階から満場一致でおいしいビールと評価されるほどの実力を得たという。

「(ノンアルビールは)よくもわるくも、麦とホップの商品。コストアップにもつながったが美味しさを優先してネルソンソーヴィンホップをぜいたくに使っている」と田山氏はいい、雑味のない味に仕上がっているということだ。

 グリーンズフリーには、香料・甘味料無添加という特徴もあり、香料や甘味料で味を作り上げていないため、自然な感じもお勧めだという。「香料や甘味料を使うと香りとか味とかの残り方の違いがある。香料を使うとずっと残る感じがある。グリーンズフリーは、戻り香があって、その後すっと消える。これが自然の感じ」と、その特徴を語ってくれた。

 旧製品と新製品の違いは、ノンアルビールの色も違う。「爽やかさということで、液色も弱い」(田山氏)と、新製品のほうがやや薄い色に見え、実際に記者もサンプル品を飲んでみたが、新製品のほうが圧倒的に爽やか。旧製品は力強い味ではあるが、どこかとがったところがあるのに対して、新製品は風味もいいし、後味もほのかだ。アルコールの入ったビールのようなパキパキしたキレはないが、柔らかな炭酸でビールよりさらに爽やかな風味がある。飲みやすさに優れているだろう。

旧製品と新製品の飲み比べのためノンアルビールを注ぐ田山氏。まず最初に高いところから落として泡を作る
次にその泡を持ち上げるように注いでいく
これでビールではなく、ノンアルビールを注ぐことができた。さすがに注ぎ方がうまい
次に新製品を注ぐ。高いところから泡を作って……以下略
向かって右が旧製品、左が新製品。映像で見ても左の液色が若干薄め

 風味も優しいことから、田山氏は「食事と一緒に飲んでいただくと、よりパワーを発揮する。香料など使っていないので後味に変なものが残らない。ビールに合うものは何でも合う。焼き鳥やウインナーなどもよいし、枝豆など繊細なものでも合う」と、食中酒にするのものお勧めとのことだ。

久保氏の最後のプレゼン中にも、新しいグリーンズフリーをゴクゴク飲む田山氏。「仕事中や昼から飲めるのもいい」(田山氏)