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スズキ、2021年4月からの5か年における中期経営計画「小・少・軽・短・美」

2025年から電動化技術を製品に全面展開、2030年から電動化製品の量的拡大を目指す

2021年2月24日 発表

トヨタとのアライアンスについては電動車の協業、アフリカでの協業、商品ユニット補完など提携を深化させていく(写真は2016年10月に行なわれた、スズキ 鈴木修会長とトヨタ 豊田章男社長が出席した共同記者会見のもの)

日本では軽自動車シェア30%以上、登録車販売1.5倍(2021年3月期公表予想比)を目指す

 スズキは2月24日、2021年4月からの5か年(2021年4月~2026年3月)における中期経営計画「小・少・軽・短・美」を発表した。

 前回の中期経営計画では、2018年3月期~2019年3月期に売上高、2017年3月期~2019年3月期に営業利益率目標を前倒して達成するも、最終の2020年3月期はインド市場の減速、完成検査問題、新型コロナウイルスの影響もあって未達成に終わった。前回の中期経営計画期間には品質問題やリコールの多発、燃費測定や完成検査の不正問題など、「お客さまからの信頼を喪失する事例が発生」。また、CASE対応の遅れなど多くの課題を残していることから、今一度社是の原点に立ち返り、創業者の言葉「お客様のためなら どんなことをしてでも こたえろ 頑張ればできるもんだ」を次の5年間の決意として取り組んでいくという。

 新中期経営計画では世界的なカーボンニュートラルの流れの中、スズキの取り組みを明確化し、また電動化、ソフトウェア化に伴い今まで以上に品質を重視する必要があるため、「走行時CO2排出」「製造時CO2排出」「高品質の維持」の3つの課題に優先的に取り組んでいくという。

「走行時CO2排出」については、2025年までに電動化技術を整え、2025年から電動化技術を製品に全面展開、2030年からは電動化製品の量的拡大を図っていくことを発表した。「製造時CO2排出」については2050年の製造時CO2排出「0」に向けて挑戦し、カーボンニュートラルに向けたさまざまな技術開発を積極的に進めていくとした。

 そして「高品質の維持」については、迅速な原因究明と対策、ばらつきを抑えた製品づくり、トレーサビリティ管理の拡充など、品質問題の発生防止、早期発見、流出防止に取り組んでいくとのこと。

 4輪事業については、日本は軽自動車シェア30%以上、登録車販売1.5倍(2021年3月期公表予想比)、インドは環境問題に対し社会から求められる電動化を率先して推進し、乗用車シェア50%以上を目指す。また、トヨタとのアライアンスについては電動車の協業、アフリカでの協業、商品ユニット補完など提携を深化させていく。

 また、2輪事業については販売200万台、営業利益率5%以上を確保できるよう共通化を進め、魅力的で多様なラインアップを構築していくという。

 なお、2026年3月期の経営目標値については、新型コロナウイルス影響からの回復、インド市場の成長を見込み、連結売上高は過去最高となる4兆8千億円を目指す。営業利益目標については、前回中期経営計画目標7%を下まわるが、電動化対応など5年間で1兆円になる積極的な研究開発投資もあり、営業利益率5.5%とした。配当性向については30%を目標として掲げている。