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ジープ、新型「コンパス」発表 フロントや内装のデザイン刷新や最先端技術を満載
2021年4月7日 13:31
- 2021年4月6日(現地時間)発表
ビッグマイナーチェンジを実施
ジープ(STELLANTIS)は4月6日(現地時間)、ビッグマイナーチェンジされた新型「コンパス(Compass)」のオンライン発表会を行なった。
最初に登場したジープ ブランド ヨーロッパの責任者であるアントネッラ・ブルーノ氏は、このイベントでは新型コンパスの「デザイン」「テクノロジー」「セーフティ」「ファンクショナリティ」を紹介すると挨拶。続けて新型コンパスが、Groupe PSAとFCA(Fiat Chrysler Automobiles N.V.)が統合して生まれた新グループ「ステランティス(STELLANTIS)」として初めてヨーロッパで発売する自動車となることも紹介。
また「ジープブランドのヨーロッパでの売り上げが過去10年間で5倍以上に増えている」と好調さをアピール。さらに、2017年からヨーロッパで販売してきたジープの40%がコンパスであると明かし「現在コンパスがジープ開発戦略の中心的な存在である」とコンパスの存在価値の高さを解説した。
また、コンパスの4台に1台はPHEV(プラグインハイブリッド)の「4xe」モデルで、生産体制も見直して納期をこれまでの6か月から3か月まで短縮させたことも合わせて紹介。そして新たなコンパスは「自由と冒険といった感情的なニーズを持った新たなユーザー層『夢想家』たちの要求に応えるクルマとして市場に投入する」と宣言した。
伝統を守りながら最先端のモダンなデザインも取り入れた
続いてジープデザインヨーロッパの責任者であるダニエレ・カロナチ氏が登場し、デザインについて解説。デザインは今後発売される車両についても同様に、一貫した設計戦略を用いていて「誰が見ても100%ジープだと直ぐに分かる伝統的な7つ穴のグリルと台形のホイールアーチがそれにあたる」と紹介。
1990年代のチェロキーや曲がったグリルの面影を残しながらも、水平ラインもきっちり残した。最新のLEDヘッドライトはスリムな形状にし、キセノンヘッドランプに比べて明るさが約100%向上したと解説。また、伸びやかなフォルムが特徴的なデイタイムランニングライト(DRL)も、ヘッドライトに内蔵する形で配置を変更されている。
また、グリルの下にあるエアインテークはサイドの黒い部分まで拡張することで、よりワイド感を演出。「フロントリップも前方に押し出す形状にしたラインが特徴だ」と紹介。リアに関しても同様に水平ラインを残すことで「よりワイド感をプラスした」と解説。
インテリアも同様にワイド感のある水平性に奥行きをプラス。そしてダッシュボードとドアパネルは新設計となり「より広く快適な車内を生み出した」という。また、内装は色と素材の組み合わせにこだわっていて、革とフェルト生地の実用感、アルミとカーボンファイバーのハイテク感、素材が重なりあう3次元デザインをダッシュボードに採用。運転席のメーターは、新たにフルHDの10.25インチデジタルパネルを装備し、モダン感を際立たせるスペックを備えている。
センターアームレストの下には約5リットルの大容量収納スペースを新設したほか、シフトレバーの横にも2.4リットルの収納スペースを追加し、ミニタブレットなども収納できるように従来型より収納スペースが大幅に拡張されている。
オフロード性能に特化した「Trail-Rated」は、特別なグリル、ボディカラー、フォグランプベゼル、フロントバンパー下のスキッドプレート、17インチアロイホイールを採用。特にバンパーとフォグランプの位置が高くなっているほか、さらにカメラレーダーのハウジングをエアインテーク下部から中央部の開口部に移設し、オフロード走行時の保護性能を高められているという。
コネクティビティ機能の強化
再び登場したブルーノ氏は、コネクティビティについても言及。新型コンパスは、ダッシュボードに8.4インチ~10.1インチまでのタッチスクリーンを搭載し、5世代目となった高性能な車載インフォテインメントシステム「UCONNECT 5」を内蔵。Android AutoやApple CarPlayにも適合し、「ジープブランドの中で高い安全性と従来より5倍速いコネクティビティ性能を持たせた」と解説した。
具体的には音声アシスタントが利用可能となり、「Hey Jeep……」と話しかけるだけで、新型コンパスが応答。3DカーナビゲーションシステムはPHEVモデル「レネゲード 4xe」と同じく「TOM TOM」を採用。天気や交通状況を常にアップデートして旅をサポートしてくれる。さらに、アマゾンのアレクサにも利用可能とし、自宅と同様にアレクサにお気に入りの音楽をかけてもらったり、クルマのキーの開閉、自宅のエアコンの温度設定なども行なえる。「MY UCONNECT」機能も搭載し、自分のスマホアプリからいつでも設定を変更することも可能という。
ブルーノ氏は「すべて100%ワイヤレスで接続され、ワイヤレス充電も完備。ケーブルが壊れる心配もない」と語り、またHD 360°VIEW機能が駐車をサポートし、バンパー下部に足をかざすことでリアゲートが開き、手が塞がっていても安心なx-freeパワーリフトゲートを搭載すると利便性も紹介。
安全面もぬかりなく、フルLEDヘッドライトを採用し視認性を向上。他にも道路標識を認識して自動的に減速を行なうことや、眠そうなドライバーに休憩を促す警告を行なったり、歩行者や自転車を認識した際の自動緊急ブレーキなど、ラインアップすべてに最新のADASを搭載。アダプティブクルーズコントロール機能と常に車線の中央を維持してくれるレーンセンサーを搭載し、欧州で発売しているジープとしては初めてレベル2の自動運転を搭載。最先端技術を満載している点をアピールした。
多様なバリエーション
新型コンパスは、3種類のパワートレイン(ガソリン、ディーゼル、プラグインハイブリッド)と、3つのギアボックス(6速MT、デュアルドライクラッチトランスミッション、6速AT)、2つの駆動方式(前輪駆動、4輪駆動)があり、「Sport」「Longitude」「Limited」「S」「Trailhawk」と多様な5つのグーレドを設定。
4気筒1.3リッターターボガソリンエンジン搭載車は、130HPの6速MTと、150HPのDDCT(デュアルドライクラッチトランスミッション)の2種類の設定で前輪駆動のみ。ブルーノ氏は「従来のガソリンモデルと比較して、CO2排出量を最大27%削減に成功している」とクリーンさも解説した。
また、1.6リッターのマルチジェットディーゼルエンジンモデルは、最高出力130PS/3750rpm、最大トルク320Nm/1500rpmを誇り、6速MTが組み合わされ前輪駆動のみの設定となる。
プラグインハイブリッドモデルの「4xe」は、130PSと180PSの2種類の出力を持つ高効率の1.3リッターターボエンジンに加え、後部に搭載された電気モーターによる60PSを加えた合計190PSまたは240PSを発揮。最大トルクはいずれも電気モーターが250Nm、内燃機関が270Nmを発生し、6速ATとeAWDが組み合わせられる。また、新型コンパスにはジープ誕生80周年記念した特別モデルも設定されるという。
ブルーノ氏は最後に「ジープとは自由・冒険・信頼・情熱と同義語で、最先端のコネクティビティとレベル2の自動運転を含めた最新技術を搭載した新型コンパスが、世界中の夢想家に新しい行き先(コンパス)を提示するはずです」と締めくくった。