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DNPや日産、ゼンリンなど5社、高級ミニバンによる「移動会議室」の実証実験を実施

2021年6月28日~ 約3か月間実施

働く場所をシームレスに変えながら仕事の効率化を目指す取り組み

 DNP(大日本印刷)、日産自動車、ゼンリン、ソフトバンク、クワハラの5社は、クルマでの移動中でも快適にWeb会議ができる「移動会議室」の実証実験を、東京都と神奈川県の一部地域で、2021年6月28日から約3か月間実施する。

 今回の実証実験では「移動時間を有意義に活かす」をコンセプトに、高級ミニバンの後部座席をWeb会議が問題なく行なえる環境に整えることで、移動しながらの打ち合わせやプレゼンテーションなどをより効果的に実施できるよう検証し、効率的で安全、安心な働き方の実現を目指すもの。

 実証実験は2021年6月28日~9月24日(8月9日~13日を除く)の期間で、平日9時~18時(土日祝日は運休)。出発地と到着地が東京都23区一部区域内および神奈川県の横浜市内・川崎市内・横須賀市内(※練馬区・板橋区・北区・足立区・葛飾区・江戸川区・荒川区を除く)で実施される予定。

使用する車両は日産の高級ミニバン「エルグランドVIP 2列シート」

今回の実証実験の詳細

 車両はゆったり座れる日産の高級ミニバン「エルグランドVIP 2列シート」を採用。後部座席の前面に大画面(32インチ)のディスプレイを設置するなどの改装を行ない、会議室に必要な機能を搭載。さらに、Web会議用の通信回線として、ソフトバンクが提供する5Gを含むネットワークを利用し、快適な通信環境を実現した。

 前席に会話の内容が漏れないよう、前席と後部座席の間には遮音壁を装備し、秘匿性の高い会議にも安心して利用できる仕様に仕上げている。会議終了前に目的地に到着した場合は、DNPが開発する専用のコミュニケーションツールを用いて運転手と連絡をとり、駐停車可能な場所に車両を停めて、会議が終了するまで「移動会議室」として利用可能とした。

 なお、このコミュニケーションツール上では、ゼンリンが提供する「ZENRIN Maps API」により、現在の走行位置を住宅地図レベルまで詳細に確認することが可能。また、この車両の運行サービスは、従来高級ワンボックスタクシー・ハイヤー事業を展開しているクワハラが行なうという。

32インチの大型ディスプレイを設置した車内

今後の取り組みについて

 DNP・日産自動車・ゼンリン・ソフトバンク・クワハラの5社は、それぞれが持つ技術などの強みを活かし連携した本実証実験を通じて、「移動会議室」のサービスの価値と需要の検証を行ない、事業化を目指すと同時に、従来は活用できていなかった移動の時間・空間を価値あるものへと変えていく新たなモビリティサービスの開発を通して、多様な働き方が求められる未来の社会に寄与したいとしている。