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プジョー、2022年導入予定の新型「308」日本初公開
2021年9月2日 05:00
- 2021年9月1日 開催
新型「308」などが展示される「LION EXPRERIENCE 2021」東京・六本木から開始
プジョー(Group PSA Japan)は9月1日、新型「308」を日本初公開した。これは、新型308を展示するなど、新しくなったプジョーブランドを体感できるイベント「LION EXPERIENCE 2021」が9月2日から東京 六本木の六本木ヒルズ大屋根プラザで開催されるのに先駆け、報道陣向けに公開されたもの。
9月2日~5日の東京を皮切りに、11日~12日には名古屋で、18日~19日には大阪でも開催されるLION EXPERIENCE 2021は、新型308のほかに「508 PSE」「208 GT」などが展示される。
プジョー、新型「308」の日本初公開イベント「LION EXPERIENCE 2021」 東京、名古屋、大阪で開催
販売好調のプジョー。新しいロゴやキーカラーをディーラー店舗デザインに反映
新型308の公開に先立ち、Group PSA Japan 代表取締役社長 兼 CEO ポンタス・ヘグストロム氏が「今日はプジョーの今後を紹介するイベントです。ですのでまず、皆さまは気付いていらっしゃらないかもしれないプジョーに関する事実をお伝えしたいと思います」とあいさつ。
「ステランティスの7ブランドは、今年の1月~7月の累計で2万8000台を超える台数を販売し、対前年比で+42%の成長となりました」とGroup PSA Japanが属するステランティスについて触れるとともに、「プジョーは日本におけるステランティスのポートフォリオの中で最もよく売れているブランドです。プジョーは昨日までにジープをしのぐ9000台を販売し、4月までの累計で前年比+63%の成長率で、輸入車市場と比較して3.7倍もの成長率となっております」とプジョーの売り上げについて紹介。
プジョーが2015年以来販売を伸ばしていることについて、「製品設計や市場を日本向けにきちんと変更していること」「クラス最高の機能と独自のソリューションを備えた製品を次々と導入していること」「2016年にディーゼル車、2020年に電気自動車を導入するなどいち早く先端技術を搭載した製品を投入していること」と、その理由を分析した。
また、新しいロゴについても触れ、「1860年以来、プジョーは10個のロゴの変遷を経ていますが、そのすべてがライオンの意匠です。このロゴは新しい時代、新しいニーズ、新しいトレンドに対応し続けるプジョーブランドの進化を象徴しています」と述べるとともに、「2010年から使っていた先代のロゴはブランドの上級市場への移行を体現すべく変更する必要がありました」とロゴの変更理由を紹介。
プジョーのグローバルなブランドデザインスタジオである、プジョーデザインラボによって作成されたというロゴについて「ライオンをかたどったこの新しい紋章は、すっきりと高品質でよりエレガントになりました」と語り、今後はこの新しいロゴと新しいブランドアイデンティティをもとに、全国76店のディーラー店舗デザインをこれまでのキーカラーの紺色から新しく黒を基調としたものに変更していくとした。
最新のプジョーを詰め込んだ新型308
新しいライオンエンブレムを冠する最初のモデルとなる新型308についてはGroup PSA Japan マーケティング部 商品企画グループ プジョー プロダクトマネージャー 上村学氏が紹介。
新型308 ハッチバックのボディサイズは4360×1850×1430mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは2675mm。現行308との比較では、全長は105mm、ホイールベースは55mm延長され、リアのレッグスペースを約30mm拡大。フロントウィンドウが約100mm後ろにセットされるとともに、全高が20mm低くなり、ロングノーズのシルエットを強調している。
デザインについては、独創的なデザインが印象的な大型のフロントグリルの中心に新しいプジョーエンブレムを配置。超薄型のマトリクスLEDヘッドライト、プジョーのフロントアイデンティティーである垂直のLEDデイタイムランニングライトでダイナミックなデザインを象徴している。グリルの中心に配された新しいプジョーエンブレムは、そこに向かって収束するかのようなグリルパターンによって存在を強調。エンブレムにはADASシステムのレーダー波を阻害しない素材を使用して、エンブレムの後ろにはADASのレーダーが設置される。
サイドデザインは、延長されたボディにより伸びやかなシルエットを創出。若干低められた車高と滑らかなラインのノーズの組み合わせでボンネットを視覚的に長く見せ、エレガントかつスポーティなフォルムを作り出した。また、シンプルで滑らかな部分と、フロントとリアのフェンダーの張り出しによって脈動的で力強いキャラクターが表現されている。空力性能を高めることを意図したサイドからリアへのラインは流れるような曲線とボリューム感のあるボディラインで構成され、リアを横切る特徴的なラインは空力性能の最適化に基づいているとのこと。
現行の308でも約40%の販売比率となるSWはハッチバックのあとに導入される予定で、ボディサイズは4640×1850×1440mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2732mm。新型ハッチバックとの比較では、全長は280mm、ホイールベースも57mmともに延長されている。このボディの延長はラゲッジルームの拡大に主に貢献しており、通常使用時で約608Lの積載量となるとのこと。
デザインはダイナミックで彫りの深い専用リアデザイン、空力を追求したセカンドスポイラーなどにより、「個性的でパーソナリティを強調して、ハッチバックをストレッチしたという平凡なものではありません」と紹介された。
上村氏は新型308の目玉として「New Peugeot i-Cockpit」と「i-Connect」と呼ばれるプジョー最新のインフォテインメントシステムを挙げ、i-Cockpitを構成する中心に新しいライオンロゴを配したコンパクトステアリングホイールの上から視認する「デジタルヘッドアップディスプレイ」では、10インチのデジタルパネルを搭載したメータークラスターを採用。GTグレードではこのパネルが3Dに表示されるとした。
New Peugeot i-Cockpitの中心となるのは新しいインフォテインメントシステムのi-Connectで、10インチに拡大されたタッチスクリーンを中心に欧州仕様とほぼ同等の機能、ナビゲーション、カスタマイズが可能になるという。また、タッチスクリーンの下側には「i-toggle」と呼ばれるショートカットスイッチを搭載し、エアコン、電話、オーディオ、アプリケーション、ADASなど、ドライバーの好きなショートカットメニューを登録し、自由に変更できるとした。
上村氏はi-Connectには「スマートフォンやタブレットに近い使用環境を作るユーザーエクスペリエンスにフォーカスした機能」「デジタルメーター、タッチスクリーン、i-toggleを好みに応じてカスタマイズしてプロファイルできるマルチタスクパーソナリゼーション」「コネクティビティとボイスコントロール機能」の3つの大きな特徴・機能があると紹介。上級グレードはコネクテッドナビの装備や「OK, Peugeot」から始まるボイスコントロール機能も搭載されるとのこと。
安全装備については、従来の主要装備に加え、約70m離れた後方の車両を検知する「ブラインドスポットモニター ロングレンジ」や「リアクロストラフィックアラート」、ドライバーの運転状況を検知する「ハンズオンディテクション」、4つのカメラで前後左右の俯瞰映像をクリアに捉える「360°ビジョン」といったプジョー初の装備が搭載される。
また、機能装備ではプジョー初となるマトリクスLEDヘッドライトを搭載。約7cmの超薄型のヘッドライトはデザイン貢献するだけでなく、さまざまな使用シーンでLEDモジュールが自動的に照度・角度を微調整し、ドライビングをサポートするとした。
新型308のパワートレーンは、主にエントリーグレードに搭載する1.2リッターガソリンピュアテックエンジン、現在でも約70%と高い販売比率を誇る1.5リッタークリーンディーゼルエンジン、新しく採用する1.6リッターガソリンエンジンをベースとしたプラグインハイブリッドの3つのパワートレーンを用意。すべて8速ATとの組み合わせとなり、全モデルでエコカー減税を取得するべく最終調整しているとのこと。
プラットフォームには「EMP2 V3」を採用。このプラットフォームは多くの新規パーツや改良パーツで構成されており、空力、重量低減、最新ADASへの対応、静粛性、燃費など、高い効果を発揮。マルチエナジーパワートレーンへの対応など効率も高めている。
なお、導入スケジュールについては、ハッチバックは2022年1Q、SWは2022年2Q以降と予定されている。