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トヨタ、フルサイズピックアップ新型「タンドラ(3代目)」を正式発表

2021年9月19日(現地時間) 発表

デザインテーマは「テクニカル マッスル」

 トヨタは9月19日(現地時間)、北米向けフルサイズピックアップトラックの新型「タンドラ(3代目)」を正式発表した。ボディタイプは「ダブルキャブ」と「クルーマックス」が設定され、グレード構成は「SR」「SR5」「Limited」「Platinum」「1794」「TRD Pro」の6つで、発売は今年後半予定としている。

 新型タンドラはトヨタ自動車の北米デザインスタジオであるカルティ・デザイン・リサーチで「テクニカル マッスル」をテーマにデザインされ、カルティ・デザイン・リサーチの社長であるケビン・ハンター氏は「私たちが当初から目指していたのは、タンドラを新たなレベルに引き上げる、最もパワフルで頑丈、かつ洗練された外観を持つフルサイズピックアップを作ることでした。レクリエーションとアウトドア・ライフスタイルは、トヨタのトラック・アイデンティティの中核をなすものであるため、私たちは、筋肉質で、彫りの深い、アスレチックなデザインを目指しました」と述べている。

 3代目となる新しいタンドラは、シャシーが新しくなったことでリアサスペンション構造の大幅な見直しが図られ、マルチリンクサスペンションを採用。リーフスプリング(板バネ)からコイルスプリングへと変更したことで、乗り心地、直進安定性、ハンドリング・ダイナミクスが向上。牽引力も先代モデル比で17.6%増の1万2000ポンド。最大積載量は1940ポンドと11%以上も向上している。

 さらに、フロントサスペンションも新開発のダブルウィッシュボーン式を採用。直進安定性と高速走行性が向上しただけでなく、キャスタートレールを先代の25.4mmから34.1mmに拡大し、安定性も向上させている。また、ロールステアを先代モデル比で25%低減するとともに、コーナリング時のボディロールを低減させ、コーナリング性能も向上させた。

 ショックアブソーバーは前後ともに、耐久性が高められたツインチューブショックを標準装備。TRD Off-Roadパッケージでは、モノチューブのビルシュタイン製ショックを採用し、オンロードでもオフロードでもダンピング性能を向上が図られている。また、一部のグレードでリアに「ハイ」「ロー」「ノーマル」の3つの車高モードを備えたエアサスペンションシステムも装備可能となっている。

TRD Proグレード
フロントロアガード
フロントサスペンション
リアサスペンション

 シャシー全体に高張力鋼板を採用し、先代モデルよりも剛性を大幅に向上させた一方で、軽量化のために主要部分にアルミニウムを使用。フレームのクロスメンバーの大きさを2倍以上に拡大し、補強と剛性を強化したという。また、ステアリングギヤボックスのためにフロントクロスメンバーを新設し、クロスメンバーのサポートを増やすことで剛性を高め、ドライバーのステアリング入力やハンドリングダイナミクスを向上させたとしている。

 トラックの荷台は、SMC(Sheet-Molded Compound)構造を採用し、荷台内に補強用のアルミ製クロスメンバーを使用することで、軽量かつ高い強度を実現。新しいSMCベッドは、従来のスチールデッキに比べて、へこみ、衝撃、錆に対する保護機能が向上。また、テールゲートにも軽量化技術を採用し、現行モデルと比較して20%の軽量化を実現したという。また、全モデルに「テールゲートリリース」機能が標準装備される。ボディタイプは2種類あり「ダブルキャブ」は、6.5フィート(約2m)または8.1フィート(約2.5m)の荷台が設定され、「クルーマックス」は、5.5フィート(約1.7m)または6.5フィート(約2m)の荷台が設定されている。

 パワートレーンは、最高出力389PS、最大トルク479lb-ft(650Nm)を発生する新開発のV型6気筒3.5リッターツインターボエンジンと、そのエンジンにモーターシステム「i-FORCE MAX」を組み合わせることで、最高出力437PS/5200rpm、最大トルク583lb-ft(790Nm)/2400rpmを発揮する2種類を設定。トランスミッションは、いずれも新開発の10速電子制御式インテリジェント・オートマチック・トランスミッション(ECTi)が組み合わされ、「シーケンシャルシフトモード」「TOW/HAULドライビングモード」などが搭載されている。

 i-FORCE MAXは、エンジンと10速ATの間にあるベルハウジング内にクラッチ付きのモータージェネレーターを搭載することで、エンジンの始動時、EV走行時、電気アシスト時、エネルギー回生時などはパラレルハイブリッドコンポーネントのみで行ない、モータージェネレーターを直列に配置することで、トランスミッションを介して効率的にパワーを伝達できるという。

新設計のV型6気筒3.5リッターツインターボエンジン
モーターシステム「i-FORCE MAX」搭載エンジン

2種類の牽引モードを装備

 新型タンドラは2つの牽引モードを装備し、標準の「Tow/Haul」モードでは、小型ボックストレーラーや小型トレーラー、小型ボートなど、比較的軽量のものから中量級の牽引に最適で、もう1つの「Tow/Haul+」モードでは、RV車や大型ボックストレーラー、大型ボートなど重量級のトレーラーを牽引する際に最適なスロットル制御を行なってくれる。また、i-FORCE MAX搭載モデルでは、電気モーターが常に作動しているので、パワーやトルクが必要なときは、さらにレスポンスよくサポートしてくれるという。

モード切替ダイヤル
複数のカメラで周囲の安全を確認できる

 14インチのタッチスクリーンやバックミラーカメラでは、複数のカメラが撮るエクステリアアングルを確認可能。また、TRD ProやTRD Off-Roadパッケージ装着車は、マルチテレインモニターが搭載され、ボタンを押すだけでフロント、リア、サイドのカメラ映像がディスプレイに表示され、ドライバーは周囲に障害物がないかをすぐに確認できるという。

 さらに、トラックのトップダウンビューを表示できる機能「パノラミックビューモニター(PVM)」も搭載。トラックの荷台の様子を確認できる「リアビュー」、トレーラーの両サイドの状況を確認できる「リアスプリットビュー」、トレーラーの連結をサポートする「ヒッチビュー」などの機能も搭載する。

新型オーディオマルチメディアシステムとTSS2.5を搭載

TRD Rpoのインテリア
14インチタッチスクリーン
ワイヤレス充電も完備
リアシート

 搭載される最新世代のトヨタ・オーディオ・マルチメディア・システムは、前世代のシステムの5倍の処理能力を持ち、中央には8インチのタッチスクリーンを装備(オプションで14インチもあり)。スマホやタブレットと同じようにピンチやズームができ、より身近な操作性を実現しつつも、オーディオボリュームは手袋などをしていても使えるように大きくて握りやすいダイヤルを採用したという。また、Apple CarPlayとAndroid Autoにワイヤレスで標準対応させた。クラウドベースのネイティブナビゲーションシステムは、地図やPOI(Point of Interest)のリアルタイムなOTA(Over The Air)アップデートも可能となっている。Wi-Fi Connectでは最大10台までのデバイスに4G接続を提供できる。

 運転席のメーターは、4.1インチのデジタルマルチインフォメーションスクリーン(MID)とアナログ表示のコンビネーションメーターと、オプションで12.3インチTFTディスプレイの2種類を設定。12.3インチディスプレイは、電源を入れると画面いっぱいにタンドラのアニメーションがオープニングモードとして表示される。

4.1インチのデジタルマルチインフォメーションスクリーン(MID)とアナログ表示のコンビネーションメーター
12.3インチTFTディスプレイはPlatinum、1794、TRD Proグレードのi-FORCE MAX搭載車には標準装備される

 新型タンドラは、全グレードにToyota Safety Sense 2.5を標準装備。歩行者検知機能付プリコリジョンシステム(PCS with PD)は、先行車だけでなく、低照度時の歩行者、昼間の自転車、対向車、交差点での曲がる時の歩行者などを検知する機能を強化。交差点での左折時には、対向車や歩行者を検知し、状況に応じて音や映像で警告したり、自動ブレーキをかけたりすることも可能に。さらにPCSには、先行する歩行者や自転車、車両を避けながら、車線内での緊急時のステアリング操作を安定させる機能「エマージェンシー・ステアリング・アシスト」も搭載されている。

 また「ダイナミック・レーダー・クルーズ・コントロール(DRCC)」も搭載し、車両がターンシグナルを出さずに車線を逸脱したことを感知すると、音声でドライバーに通知してくれる「レーンディパーチャーアラート」も搭載。さらに、DRCCを作動させると、わずかな操舵力で車両を車線内に集中さられるようにドライバーを支援する「レーントレーシングアシスト(LTA)」も利用可能となる。先行車や対向車を検知して、ヘッドライトのハイビームとロービームを自動的に切り替える機能「オートマチック・ハイビーム」も搭載。さらに、前方カメラで道路標識を認識し、マルチインフォメーションディスプレイ(MID)に表示する機能「ロードサインアシスト(RSA)」も装備。

 その他にも「リアシートリマインダー」「ブラインドスポットモニター(BSM)」「リアクロストラフィックアラート(RCTA)」。「パーキングサポートブレーキ」も装備する。

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