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愛犬と一緒にアウトドアキャンプや車中泊を楽しめる「N-VAN」の作り方
2021年11月10日 15:33
愛犬とのアウトドアライフに便利なものを揃えておけば安心
すっかり定着したクルマを使用するアウトドアレジャーはグループ、ファミリー、カップル、ソロなど、参加する人数によって楽しみ方もやり方も自在に変えられるので「やる人を選ばない」という特徴がある。また、キャンプ場も利用者のニーズに合わせてさまざまなフィールドがあったりと人気になるのもうなずけるもの。そういう筆者も本田技研工業の「N-VAN」でソロキャンプなどアウトドア遊びを楽しんでいる1人だ。
さて、そんなクルマ+アウトドアの遊びで注目が高まっているのが、愛犬を連れてのデイ(日帰り)キャンプや泊りで行くキャンプである。とくにソロキャンプのお供として愛犬を連れて行くスタイルは、愛犬と一緒にいる時間をたっぷり取ることができるし、野山で一緒に過ごすことは新鮮でありドラマチックでもある。これは絶対に楽しいはずだ。
ちなみに愛犬とのレジャーに関する意識や実態を調査データ(ホンダアクセス調べ)では、アンケートを採ったなかで犬を飼っている人を対象に「愛犬を連れてレジャーへ行ったことがあるかどうか」を聞いたところ、38%が「ある」と回答。また、愛犬を連れてレジャーへ行きたいと思っている人は58%という高い比率なのだが、50歳代に絞るとさらに多い68%が「行きたい」と回答しているデータもある。
ただ、愛犬をクルマに乗せるとなると「それ用」の装備が必要だ。具体的に言えばシートに固定できるペットキャリーなどは必須。愛犬を車内で自由にさせてあげたい気持ちはよーく分かるけれど、それはやっぱり危険。だから走行中は人と同じく安全な状態でシートに収まるのがいちばんだ。
ということで本稿では、愛犬とキャンプに適したクルマとアイテムを紹介する。取り上げるのはホンダが発売する趣味的にも使える軽商用車のN-VANと、ホンダ車用の純正アクセサリーメーカー、ホンダアクセスの愛犬用アクセサリー「Honda Dog」とN-VAN用アクセサリーだ。
愛犬のために考えたアイテムを揃える「Honda Dog」
Honda Dogでは小型犬、中型犬、大型犬用それぞれのアイテムを用意しているが、展示されていたN-VANに装備されていたのは小型犬向けの「ペットシートプラスわん2」というサークル。サイズは約35×約45×約45cm(幅×長さ×高さ)だ。
特徴はサークルを助手席にセットできるところ。小型犬の場合、自宅でも飼い主さんのそばにいることが多いだけに、クルマに乗せるときも飼い主さんが見えて飼い主さんからのコミュニケーションを受けられる場所が理想。すると助手席がいちばんだ。
ペットシートプラスわん2はソフトな素材でできていて、使用しないときはコンパクトに折りたためる。使用時は底面にクッションを入れ、面同士をファスナーで接合すればサークル側の準備は完了。シートへの装着は本体から出ているベルトで背面及びヘッドレストパイプに巻き付け長さを調整し固定。サークル内には飛び出し防止のリードがあるのでこれも忘れず首輪とつなげればOK。
愛犬を連れて行く準備を整えたところで、ふと考えるのは出先でのこと。日帰りのデイキャンプなどはいいとして泊りのキャンプをするときだ。テントを張るのもいいが、N-VANは助手席を倒すことで2m以上の縦のフラットスペースが作れるので、カーサイドにタープのみ張って、就寝はN-VANの中というパターンが取れる。というかN-VANに乗っていればこのスタイルは定番だと思う。
人がN-VANの中で寝るとなれば愛犬も車中泊になるのだけど、犬にとってキャンプ地の夜の寒さはどうだろう? とくにこれからは気温がグッと下がり、夜や早朝は場所によっては氷点下になるところもある。寒いのが苦手な犬種もいるので、そこはおおいに気になるところだ。
そこで取材会にゲストとしてきていたアウトドアコーディネイターの小雀陣二氏に、冬季の車中泊について質問をしてみた。
小雀氏は「犬との車中泊の経験はありませんが」という前置きをしてから「冬季のキャンプでテント泊と比べて車中泊の方が寒くないと考えない方がいいです」と切り出した。そして「クルマなら風や雨はしのげますが、実はテントより外側は冷たくなるんです。それは金属製ボディやガラスは外気の「冷え」が伝わりやすいので、エンジンやヒーターを止めた車内は外気同様に寒くなることもあります。もちろん上側だけでなく床面からも冷えは伝わってきますから、マットとシュラフはいいものを揃えることがポイントです」と教えてくれた。
そこでシュラフの対応温度が気になったので質問をしてみた。例で挙げたのは富士山周辺にある人気キャンプ場だ。小雀氏は「富士山周辺に泊まるなら僕は-6℃~-8℃くらいまで使えるシュラフを持っていきます。持っていないのなら就寝時に着る薄手のダウン上着やダウンパンツ、それと太い動脈が通る部分の保温用にネックウォーマーやレッグウォーマーなどを用意したほうがいいでしょう」とアドバイスしてくれた。これもとても参考になる内容だった。
展示されていたN-VANに話を戻そう。床材に関しては「マルチボード」というベッドキットが装着されていた。この装備はベッド下に収納のための大きな空間ができるので、フロアに直にマットを敷くより下からの冷気が伝わりにくくなる。そこに厚みのあるマットを敷き、対応温度(下限温度)の低いシュラフを用意すれば「人」は大丈夫だろう。
でも、肝心なのは愛犬だ。N-VANでは助手席側をフラットにすることができ、必然的に助手席側が人の寝るスペースになるので就寝時はペットシートプラスわん2を運転席もしくはマルチボードの空いているスペースへ移動することになるのだが、お勧めはペットシートプラスワン2の下にペット用ホットカーペットを敷くこと。さらに寒がりの子や高齢犬であれば上にバスタオル等をかけておくと、下からの熱によってサークル内も暖まってくれるのでより安心できる。
ホットカーペットの電源はポータブルバッテリーでもいいが、N-VANには「外部電源入力キット」というアクセサリーがある。これはオートキャンプ場に整備されている100V電気を車内に引き込むためのアイテムで、リアバンパー左側にサイトの電源を取り込むソケットが付き、室内には最大1500Wまでの電気製品が使用できるコンセントが付くという製品。
この装備があれば、ペット用どころか人が寝るマットの下まで広がるホットカーペットや電気毛布が使用できる。ホットカーペットや電気毛布は容量によっては500Wクラスのポータブル電源で一晩くらい持つとは思うが、犬は日が落ちると車内でお休みというパターンもあるので、できればその段階で暖を取れる場所は作っておきたい。するとやはり電源のある場所を選んで、外部電源入力キットから電気を引き込んでおくのが望ましいだろう。
ここまで紹介したアイテムのほか、N-VANにはペットとのキャンプに便利なアイテムが装備されていたのでそれらも紹介していこう。
まずは収納。ラゲッジが広く使えるN-VANといってもシュラフやマットを展開すると床面の空きスペースは減るので、着替えやタイル、歯磨きなどキャンプ時ならではの持ち物(すぐ出したいもの)の置き場が確保しにくい。
そこで高い位置に収納スペースを作るアイテムだ。運転席前には「ルーフコンソール」があり、ラゲッジには「ルーフインナーラック」があり、これらを付けて空間でしかなかったスペースが物置になる。これは本当に便利で車中泊ではかなり重宝するはずだ。
以上が「Honda純正アクセサリー アウトドア取材会」にて取材したN-VAN用アクセサリーとHonda Dogアイテム。これらは新車購入時に同じ装着できるのでメーカーが設定している装備仕様とは別の「愛犬と遊ぶ仕様」というオリジナルのグレードを作れるようなモノ。N-VANの純正アクセサリーカタログは実はN-VAN本体のカタログよりページ数が多いので、それをじっくり読んで自分と愛犬にあう装備のN-VANを作り上げてはどうだろう。