スズキ、新型「S-CROSS」世界初公開 2022年後半にストロングハイブリッドモデルを導入

2022年からはストロングハイブリッドモデルのラインアップを強化

　スズキは11月25日、クロスオーバー車の「SX4 S-CROSS」を全面改良したSUVの新型「S-CROSS（エスクロス）」を世界初公開した。ハンガリー子会社のマジャールスズキで生産し、2021年末から欧州での販売を皮切りに、中南米、大洋州、アジアへも輸出する。

　スズキの鈴木俊宏社長は「新型『S-CROSS』は、スズキのSUVへの思いを詰め込んだモデルに仕上がった。環境対策の先頭をきる欧州向けには、すでに乗用車全てにハイブリッドを採用しているが、2022年よりストロングハイブリッドモデルのラインアップを強化する。新型『S-CROSS』も、2022年後半にはストロングハイブリッドモデルを導入する。さらに、コネクテッドサービスを導入し、お客さまにより便利で快適な車のご利用を提案していくことを計画している」と述べている。

スズキ株式会社 代表取締役 社長 鈴木俊宏氏

　なお、ストロングハイブリッドモデルには、駆動用モーターとオートギヤシフトを組み合わせたスズキ独自のシステムを採用し、2022年初めより欧州向け「ビターラ」に搭載し、続いて同年後半より新型S-CROSSに搭載する計画とのこと。

欧州仕様は全車48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載

　SX4 S-CROSSは2013年の発売以来、乗用車とSUVを融合させたクロスオーバー車として欧州を中心に好評を得てきたモデル。今回の全面改良にあたって、新型S-CROSSはSUVらしいスタイリング、快適性、さまざまな情報を表示するディスプレイオーディオ、スズキ独自の四輪制御システム「ALLGRIP（オールグリップ）」による走行性能と安全性を兼ね備えた。これらの要素を「Bold（堂々とした）」「Sophisticated（洗練された）」「Versatile（万能）」の3つのコンセプトで、それぞれスタイリング、技術、使い勝手の進化を表している。

　S-CROSSのボディサイズは4300×1785×1585mm（全長×全幅×全高）で、ホイールベースは2600mm。最高出力95kW/5500rpm、最大トルク235Nm/2000-3000rpmを発生する1.4リッター直噴ターボエンジンを搭載。欧州仕様車は全車48Vの「SHVS（Smart Hybrid Vehicle by Suzuki）」マイルドハイブリッドを採用し、搭載するモーターは最高出力10.0kW、最大トルク50Nmのモーターを発生。燃費抑制だけでなく、アクセル操作に応じてエンジントルクにモータートルクを上乗せするという加速補助も可能とした。

　スタイリングは「Bold」をコンセプトに、フロントに大型グリルや特徴的な3灯式LEDポジションランプを採用。ボンネットとともに高く配置することで、SUVらしいたくましい印象とした。タイヤハウスにはスクエア形状のモールディングを施し、屈強さを表現。ボディーサイドには流れるようなショルダーラインを引き、強く、滑らかに走る力を表現している。リアもフロントと同様にランプとバンパー位置を高く配置して躍動感を表現するなど、どの角度から見ても堂々としたSUVの風貌を感じさせるエクステリアに仕上げられた。

　インテリアは力強いSUVに合う立体的な造形とし、中央に多機能な9インチの大型HDディスプレイオーディオを採用。スマートフォンとの連携はもちろん、車両情報やカメラ映像表示といった運転支援機能も備え、内外装ともにドライバーに自信と安心感を持たせるようなスタイリングを実現している。

　技術は「Sophisticated」をコンセプトに、燃費優先や雪道走行など運転環境に合わせて走行モードをダイヤルで簡単に選択できる「ALLGRIP」を採用。さらに、衝突被害軽減ブレーキ、標識認識機能、車線逸脱抑制機能、全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロールなどの運転支援機能に加え、全方位モニターや後退時車両検知警報などの駐車支援機能も充実させている。

　使い勝手は「Versatile」をコンセプトに、アウトドアから長距離移動まで多彩な場面で活躍する扱いやすさを実現。コンパクトな車体の中に最大限の空間をつくるスズキのノウハウを駆使し、大人5人がゆったり座れる快適性と、多用途に使える荷室容量430Lを確保するとともに、開放感のある大開口サンルーフを採用するなど、移動を最大限に楽しんでもらえるよう工夫がされている。