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日立アステモ、ブレーキやサスペンションの一部製品で定期試験未実施など不適切行為が判明

2021年12月22日 発表

 日立Astemoは、山梨工場(山梨県南アルプス市)で製造するブレーキ構成部品と、福島工場(福島県伊達郡桑折町)で製造するサスペンション構成部品に関して、定期試験の未実施などの不適切行為が行なわれていた事実が判明したと発表した。

 山梨工場での定期試験における不適切行為では、2003年10月~2021年3月の期間、ブレーキ構成部品の5製品・9顧客向けで、定期試験を実施せずに顧客向け報告書にデータを記載。件数として約5万7000件が確認されている。

 福島工場では、出荷検査において、サスペンション構成部品の4製品、14顧客向けで、2000年ごろから不適切行為が行なわれ、検査結果データが残っている2018年4月以降の現時点で把握できた件数として、減衰力測定時の判定温度設定の変更で約420万本、減衰力規格要求値に対する適合出力の許容範囲の変更で約110万本、減衰力規格外れの製品の出荷で約480万本が確認されている。

 同工場では定期試験においても2000年ごろから不適切行為があり、サスペンション構成部品の2製品・5顧客向けで、定期試験における減衰力数値の書き換えが行なわれ、2019年1月以降の現時点で把握できた件数として259件。

 不適切行為の発覚の経緯はいずれも同社社員からの情報提供によるもの。なお、定期試験とは製品の工程検査や出荷検査とは別の抜き取り試験で、顧客との間で試験項目を定めているもので、現時点までに判明した当該不適切行為については、是正措置を行ない、現在は適切に試験・検査を実施しているとのこと。

 また、不適切行為の対象となる過去の生産品については、社内検証を実施して、同社では安全性や性能に問題はないと判断している。また、当該生産品に関しては、安全性や性能に問題が生じた事案は、現時点では確認されていないとしている。

 同社では、今後このような事態を再び起こすことがないよう、独立の立場から客観的な視点で事実関係・発生原因を調査する社外弁護士による特別調査委員会を設置。この委員会を通じて、事実関係や発生原因を徹底的に究明するとともに、品質保証体制の抜本的な見直しとコンプライアンスの一層の強化を図ることで、再発防止および信頼の回復に全力で取り組んでいくとしている。