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世界初、新型「シビック TYPE R」が2台同時に鈴鹿サーキットで走行 シビックバトルでお披露目

新型シビック TYPE Rが鈴鹿サーキットに登場。伊沢拓也選手と山本尚貴選手がその走りを披露した

 鈴鹿サーキットで開催されているHonda Racing THANKS DAY(ホンダレーシングサンクスデイ)。本田技研工業の幅広いモータースポーツ活動を多くの人に公開するもので、リアルイベントとしては2年ぶりの開催となった。このサンクスデイでは、SUPER GTマシンやスーパーフォーミュラマシンのデモ走行も行なわれているが、その中の1つに「シビック バトル」というプログラムが用意されていた。

 これは、2021年9月に発売となった新型シビックを使ってエキシビジョンレースを行なうというもので、ドライバーは塚越広大選手・伊沢拓也選手組、野尻智紀選手・山本尚貴選手組に分かれて鈴鹿の東ショートコースをドライバーあたり3周する。ドライバーチェンジのあるスプリントレースだが、同じクルマを乗り換えるのではなく、ガレージを開けて乗り換えるというルールになっていた。

 スタートドライバーは塚越広大選手と野尻智紀選手で、新型シビックでの(おそらく)本気走りを披露。結構速度を乗せているため、しなやかなサスペンションの動きがよく分かり、タイムは東ショートコースで1分9秒台を記録していた。

新型シビックによる争い、シビックバトル。こちらは現在発売中のノーマルモデル。6速MTがラインアップされている

 3周後、ピットレーンに入って新型シビックを駐車。第2ドライバーへ乗り換えのためにガレージを開けると、スモークとともに現在開発中の新型「シビック TYPE R」が現われた。新型シビック TYPE Rは東京オートサロンで展示されていたため、どこかで登場するかなと予想していたのだが、実際に鈴鹿サーキットを走るとは思っていなかった。しかも、それをドライブするのは開発ドライバーでもある伊沢拓也選手と、SUPER GTとスーパーフォーミュラのダブルチャンピオンを獲るなど日本を代表する山本尚貴選手。つまり、2台も実走行可能な新型シビック TYPE Rが用意されていたことになる。

 伊沢拓也選手と山本尚貴選手は新型シビック TYPE Rでの競り合いを見せるなど、そこそこ本気で走っているように見えた。開発中のクルマではあるもの、通常の新型シビックがサスペンションがよく動くしなやかな走りを見せたのに対し、新型シビック TYPE Rはロールの小さいスポーツカーらしい走りを披露。向きが変わるスピードも明らかに速く、サーキットにおけるポテンシャルの高さを示していた。

東京オートサロンと同様のカモフラージュパターンで登場
このカモフラカラーは、これまでのTYPE Rが描かれている
よく見るとカモフラのパターンの位置が違う
一般に走行が披露されるのは世界で初めて。しかも、2台同時だ
リアウィングなどサイドの造形がよく分かる

 最終的に記録された最速タイムは伊沢選手の1分2秒595。タイヤのスペックなどは不明だが、冬の寒いコンディション、開発中ためおそらく本気ではないことなどを考えると、標準車に比べても大きく進化しているし、もう少し条件がよくなってくると1分を切ってくるのは間違いないのではないだろうか。いずれにしろ2022年中の発売は予告されており、開発の進んだ市販車の登場が楽しみだ。