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スーパーフォーミュラ開幕戦富士、トヨタの平川亮選手が優勝 2位にホンダの野尻智紀選手と両エースが大活躍
2022年4月9日 17:13
全日本スーパーフォーミュラ選手権の開幕ラウンドとなる「2022年 全日本スーパーフォーミュラ選手権 第1戦・第2戦」が、4月9日~10日の2日間にわたり富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)で開催されている。
2022年のスーパーフォーミュラは全7ラウンドで行なわれる。そのうち3ラウンドは土日それぞれにレースを行なう2レース制になっており、開幕戦となる富士スピードウェイも2レース制で行なわれる。初日の4月9日には午前中に予選が行なわれ、14時30分からは第1戦の決勝レースが行なわれた。
予選は笹原右京選手(15号車 TEAM MUGEN BINGO SF19)がポールポジション。このレースがデビュー戦となった佐藤蓮選手(53号車 Red Bull TEAM GOH G01 SF19)が2位とフロントローをホンダの若手2人が占めるなど大活躍した。しかし決勝レースでは平川亮選手(20号車 carenex TEAM IMPUL SF19)が優勝、2位に野尻智紀選手(1号車 TEAM MUGEN MOTUL SF19)が入り、トヨタ、ホンダ、それぞれのエースが1位、2位という結果になった。
レッドブルの佐藤連選手がデビュー戦の予選で2位グリッド、ポールはキャリア初の無限 笹原右京選手
予選1回目(Q1)は、2つのグループに分かれて行なわれる。その後それぞれのグループの上位6台による12台で予選2回(Q2)が行なわれ、午後の決勝グリッドが決まった。
予選で台風の目になったのは、Team Gohのエースドライバーである佐藤蓮選手(53号車 Red Bull TEAM GOH G01 SF19)。佐藤選手はQ1のAグループでトップタイムをマークし、難なくQ2へ進むと、予選2位に相当するタイムをマークしてフロントローからデビュー戦に臨むことになった。
Team Gohは今シーズンから参戦を開始した新チームで、2021年までRed Bull MUGEN Team Gohとして参戦しており、大津弘樹選手が初優勝を遂げるなどの活躍を見せた。2022年シーズンはTeam Goh単体として参戦することになり、同チームのチーム監督には、昨年までホンダF1でマネージングディレクターを務めていた山本雅史氏が就任している。
このTeam Gohの母体となっているのは、昨年のチャンピオンチームであるTEAM MUGENのメンテナンスを担当していたセルブスジャパンで、新チームとはいえ高い競争力を発揮すると予想されていた。開幕戦、しかもルーキーのデビューレースで予選2位は大きな驚きだった。
その佐藤連選手を抑えてポールポジションを獲得したのは、開幕直前になってTEAM MUGENの2台目に乗ることが決定した笹原右京選手(15号車 TEAM MUGEN BINGO SF19)。笹原選手は1月のホンダモータースポーツ体制発表時は、今シーズンの参戦はないと思われていた。その後TEAM MUGENが2台目を走らせることに決まり、ドライバーに抜てきされた。そうした状況下での開幕戦ポールポジション獲得。笹原選手にとってはキャリア初ポールポジションで、午後のレースでの初優勝に向けて最高のポジションを得た。
第1戦富士 予選結果
順位 | カーナンバー | ドライバー | 車両名 | Q1 | Q2 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 15 | 笹原右京 | TEAM MUGEN BINGO SF19 | 1分21秒835 | 1分21秒404 |
2 | 53 | 佐藤蓮 | Red Bull TEAM GOH G01 SF19 | 1分21秒675 | 1分21秒668 |
3 | 20 | 平川亮 | carenex TEAM IMPUL SF19 | 1分21秒896 | 1分21秒708 |
4 | 37 | 宮田莉朋 | Kuo VANTELIN TOM’S SF19 | 1分22秒035 | 1分21秒727 |
5 | 4 | サッシャ・フェネストラズ | REALIZE Corporation KONDO SF19 | 1分21秒744 | 1分21秒774 |
6 | 1 | 野尻智紀 | TEAM MUGEN MOTUL SF19 | 1分21秒881 | 1分21秒929 |
7 | 5 | 牧野任祐 | DOCOMO DANDELION M5S SF19 | 1分22秒130 | 1分21秒974 |
8 | 19 | 関口雄飛 | carenex TEAM IMPUL SF19 | 1分22秒250 | 1分22秒107 |
9 | 36 | ジュリアーノ・アレジ | Kuo VANTELIN TOM’S SF19 | 1分22秒059 | 1分22秒120 |
10 | 6 | 大津弘樹 | DOCOMO DANDELION M6Y SF19 | 1分22秒148 | 1分22秒158 |
11 | 55 | 三宅淳詞 | TEAM GOH G01 SF19 | 1分22秒023 | 1分22秒210 |
12 | 38 | 坪井翔 | P.MU/CERUMO・INGING SF19 | 1分21秒940 | 1分26秒220 |
13 | 12 | 福住仁嶺 | ThreeBond Drago CORSE SF19 | 1分22秒412 | - |
14 | 50 | 松下信治 | BYOUBUGAURA B-MAX SF19 | 1分22秒171 | - |
15 | 3 | 山下健太 | REALIZE Corporation KONDO SF19 | 1分22秒429 | - |
16 | 39 | 阪口晴南 | P.MU/CERUMO・INGING SF19 | 1分22秒387 | - |
17 | 64 | 山本尚貴 | TCS NAKAJIMA RACING SF19 | 1分22秒476 | - |
18 | 14 | 大嶋和也 | docomo business ROOKIE SF19 | 1分22秒671 | - |
19 | 18 | 国本雄資 | Kids com KCMG Elyse SF19 | 1分22秒675 | - |
20 | 7 | 小林可夢偉 | Kids com KCMG Cayman SF19 | 1分22秒776 | - |
- | 65 | 大湯都史樹 | TCS NAKAJIMA RACING SF19 | 1分29秒793 | - |
序盤は平川選手とフェネストラズ選手、後半は平川選手と野尻選手のマッチレース
14時30分にフォーメーションラップのスタートが切られた決勝レースは41周の周回数で、1度のタイヤ交換(トップ車両が10周目に入った時点から最終周に入る前までの間)が必須というルールで行なわれた。天候は快晴、気温23℃、路面温度30℃で、路面コンディションはドライの中でのレースとなった。
注目されたスタートでは、ポールポジションスタートの笹原右京選手(15号車 TEAM MUGEN BINGO SF19)がエンジンストールでグリッドから動き出すことができなかった(全車通過後に再スタート)。予選2番手の佐藤蓮選手(53号車 Red Bull TEAM GOH G01 SF19)もそれに巻き込まれてスタート失敗。さらに佐藤選手は、ダンロップコーナーで大津弘樹選手(6号車 DOCOMO DANDELION M6Y SF19)と絡んでスピンし、ほぼ最後尾に落ちてしまった(大津選手にはそのアクシデントによりドライブスルーペナルティーが課せられた)。最初の周回でフロントローの2台が首位争いから脱落するという意外な展開になった(最終的に佐藤選手はそこから9位まで追い上げてゴールした)。
混乱のスタートでトップに立ったのは平川亮選手(20号車 carenex TEAM IMPUL SF19)。平川選手は抜群のスタートを見せて、1コーナーまでにトップを奪ってみせた。2位になったのは予選5番手のサッシャ・フェネストラズ選手(4号車 REALIZE Corporation KONDO SF19)、序盤のレースは2台によるマッチレースとなった。
平川選手は、1度フェネストラズ選手を前に出したが、もう一度抜き返して徐々に2位以下との差をつけ始めた。タイヤ交換ができるようになってすぐにタイヤ交換を行なった組のトップである野尻智紀選手(1号車 TEAM MUGEN MOTUL SF19)とのタイム差を見ながらのレースとなった。
平川選手がタイヤ交換したのはレース後半。平川選手がピットアウトすると、ストレートを野尻選手が走行してきて平川選手は2位に後退した。しかし、平川選手は新しいタイヤのメリットを活かして野尻選手をコーナーが連続する第3セクターでオーバーテイク。再びトップに返り咲いて、勝負は決することになった。
第1戦富士 決勝結果
順位 | カーナンバー | ドライバー | 車両名 | 周回数 |
---|---|---|---|---|
1 | 20 | 平川亮 | carenex TEAM IMPUL SF19 | 41 |
2 | 1 | 野尻智紀 | TEAM MUGEN MOTUL SF19 | 41 |
3 | 4 | サッシャ・フェネストラズ | REALIZE Corporation KONDO SF19 | 41 |
4 | 19 | 関口雄飛 | carenex TEAM IMPUL SF19 | 41 |
5 | 37 | 宮田莉朋 | Kuo VANTELIN TOM’S SF19 | 41 |
6 | 5 | 牧野任祐 | DOCOMO DANDELION M5S SF19 | 41 |
7 | 65 | 大湯都史樹 | TCS NAKAJIMA RACING SF19 | 41 |
8 | 38 | 坪井翔 | P.MU/CERUMO・INGING SF19 | 41 |
9 | 53 | 佐藤蓮 | Red Bull TEAM GOH G01 SF19 | 41 |
10 | 55 | 三宅淳詞 | TEAM GOH G01 SF19 | 41 |
11 | 3 | 山下健太 | REALIZE Corporation KONDO SF19 | 41 |
12 | 39 | 阪口晴南 | P.MU/CERUMO・INGING SF19 | 41 |
13 | 18 | 国本雄資 | Kids com KCMG Elyse SF19 | 41 |
14 | 64 | 山本尚貴 | TCS NAKAJIMA RACING SF19 | 41 |
15 | 14 | 大嶋和也 | docomo business ROOKIE SF19 | 41 |
16 | 6 | 大津弘樹 | DOCOMO DANDELION M6Y SF19 | 41 |
17 | 36 | ジュリアーノ・アレジ | Kuo VANTELIN TOM’S SF19 | 41 |
18 | 7 | 小林可夢偉 | Kids com KCMG Cayman SF19 | 40 |
19 | 15 | 笹原右京 | TEAM MUGEN BINGO SF19 | 39 |
R | 50 | 松下信治 | BYOUBUGAURA B-MAX SF19 | 29 |
R | 12 | 福住仁嶺 | ThreeBond Drago CORSE SF19 | 0 |