ニュース
ミシュラン、金属積層3Dプリンタ2台を備える「ミシュラン AMアトリエ」 群馬積層造形プラットフォームとともに活用
2022年4月19日 10:26
群馬県太田市にできたミシュラン AMアトリエ
日本ミシュランタイヤは4月15日、ミシュランタイヤ太田サイト(群馬県太田市植木野町)内に「ミシュラン AMアトリエ」を開設した。AMアトリエは、積層造形技術(Additive Manufacturing、アディティブ・マニュファクチャリング)の普及と発展を目的として設置されたもので、ミシュランの合弁会社であるAddUp(アダップ)製の金属積層造形装置(金属3Dプリンタ)2台を設置している。
このAMアトリエは、GAM(群馬積層造形プラットフォーム)や産官学と連携して利用され、群馬からのイノベーションを目指していくとする。開設日である15日午後には、ミシュランタイヤ太田サイトに群馬県知事 山本一太氏、太田市市長 清水聖義氏、前橋市市長 山本龍氏代理、フランス共和国 駐日フランス大使 フィリップ・セトン氏、群馬金属積層造形プラットフォーム 代表理事 鈴木宏子氏らを招いて開所式が行なわれた。
金属3Dプリンタを2台装備、産官学での活用に期待
開所式の開会にあたっては、日本ミシュランタイヤ 代表取締役社長 須藤元氏があいさつ。日本ミシュランタイヤは2023年夏より太田サイトに本社を移転することを発表しているが、その発表を県知事や市長が温かく迎えてくれたことにお礼を述べ、AMアトリエの意義について語った。
このAMアトリエでは金属3Dプリンタにより、これまでにできない金属造形を行なっていくことで、新たな市場を切り開き、社会に貢献できるよう全力で取り組んでいくという。
その上で、「ミシュランが目指す、タイヤとともに、タイヤ関連で、タイヤを超越して展開する事業形態のうち、タイヤを超越した事業の代表がこの金属積層造形です」と、今後のミシュランの大きな事業の1つが日本の群馬で行なわれることになると紹介した。
この金属3Dプリンタの価格は数千万円とのことで、それをAMアトリエでは2基設置している。さらにそのオペレーションのための建屋もリニューアルしており、ミシュランの投資額は大きなものであることが分かる。このような施設はミシュランの本国であるフランス以外では日本のみとなっており、日本のもの作りの力にミシュランが期待していることになる。
須藤社長のあいさつを受けて登壇した山本群馬県知事は、日本ミシュランタイヤが本社を群馬県太田市に移すことについて「これはもう群馬県にとっては素晴らしいニュース」と大歓迎。
群馬県では「とくにもの作り産業を大事にしている」と語り、そこに最先端の金属3Dプリンタのアトリエができることはもの作りをしている人にとっても刺激になるし、ミシュランがパートナーとなることに期待を寄せた。
ミシュランがフランス企業ということで来賓にフィリップ・セトン駐日フランス大使が招かれているが、山本県知事はセトン氏にも群馬県をアピール。この会見前に事前にあった際に、群馬県の温泉が有名であることから、「必ず温泉に来てくださいということを約束」したという。
セトン氏、清水太田市長、前橋市長代理、GAM理事 鈴木氏も祝辞を述べ、群馬県の宣伝部長である「ぐんまちゃん」、ミシュランのマスコットキャラクターである「ミシュランマン」と須藤社長に来賓が加わってのテープカットを行なった。