ニュース

BMW、Metaの「Horizon Workrooms」を活用した「メタバースラジオ公開生放送 体験会」レポート

2022年4月28日 実施

Metaの「Horizon Workrooms」を活用した初のラジオ公開生放送を4月29日に実施

 ビー・エム・ダブリューは、同社が協力するTOKYO FMのラジオ番組で4月29日13時~16時55分放送の「TOKYO FM HOLIDAY SPECIAL BMW JAPAN presents Drive through the New World~ #JOY MOVES ME ~」においてメタバースを活用し、バーチャル空間上で公開生放送を行なう。

 それに先立ち、4月28日には報道向けに「BMW メタバースラジオ公開生放送 体験会」が開催された。

 今回のラジオ番組はBMWが「クルマに欠かせないラジオを通じて新しい体験を提供する」として放送するもの。バーチャル空間はMeta(旧:Facebook)が提供する「Meta Quest 2」とバーチャル会議室「Horizon Workrooms」を使用し、Horizon Workroomsを活用したラジオの公開生放送は、BMWをはじめTOKYO FMおよびMetaとしても初の試みだという。

「TOKYO FM HOLIDAY SPECIAL BMW JAPAN presents Drive through the New World~ #JOY MOVES ME ~」の番組概要

 番組では「クルマのJOY」をテーマに進行し、Horizon Workrooms上で参加しているリスナー同士でクルマの楽しみ方や、EV(電気自動車)時代のクルマのあり方についてを会話しながら楽しむことができるという。

 BMWでは、コロナ前に比べて聴取率が高まり注目が集まっているというラジオ放送において、サービスやSNSの発達によってパーソナリティとリスナー間のコミュニケーションが多様化しているとした上で、「メタバースを用いてラジオの公開生放送を行なうことで、音声だけでなく視覚を通じて空間を共有することができるようになり、パーソナリティとリスナー間のコミュニケーションがより親密になったり、OA中にリスナー同士がリアルタイムで感想や意見を共有し合ったりできるようになる」としている。

番組の出演者
番組パーソナリティの浜崎美保さんはBMW メタバースラジオ公開生放送 体験会の司会も務めた

最新のEVにフォーカスを当てながら、これからのクルマの「JOY」を伝える

 事前の公開では、BMWからブランド・コミュニケーション・マネージャーの井上朋子氏が出席。BMWが50年前からEVの開発をしていることや、サステナビリティが伝統になりつつあること、CO2排出削減に向けた取り組み強化していることなどに触れ、拡大しつつあるEVラインアップも紹介した。

ビー・エム・ダブリュー株式会社 ブランド・コミュニケーション・マネージャー 井上朋子氏

 井上氏はブランドスローガンの「駆けぬける歓び」について、「ブランド価値の変化に沿ってアップグレードする必要があるのではないかと考えている」とした上で、「コアバリューであるJOYのアップグレードが必要。単なる製品性能に関する“歓び”だけでなく、自分の行動範囲が広がり、視野が広がり、多彩な経験が自分自身の人生を豊かにしてくれるのではないかと、BMWは『人生を駆けぬける歓び』として、すべての人々とJOYを共創していく。そんなブランドであり、そこにブランドを昇華させていく必要があると考えている」とした。

サステナビリティの概念はBMWの伝統
CO2削減の目標は2030年までに2億tを超えるCO2排出を回避すること
BMWのEVラインアップ
初代3シリーズの昔から使っている「駆けぬける歓び」のスローガン

 そこで、「人生を駆けぬける歓び」として、すべての人々と価値を共有する「#JOY MOVES ME」というプロジェクトを展開。「ブランドを横断するスローガンであり、すべてのコミュニケーションで使っていく。駆けぬける歓びをライフバリューにまで拡大させたメッセージ」とした。

JOYのアップグレード
#JOY MOVES ME

 そのような背景があるなかで、今回の番組の目的は「最新のEV車にフォーカスを当てながら、これからのクルマのJOYを伝えること。番組のなかでは、JOYにまつわるエビソードをテーマにプログラムを展開し、最新の『iX』『i4』『iX3』の試乗レポートも展開。そしてバーチャル空間上では、参加リスナーがラジオを聞きながらリアルタイムにクルマのJOYを語り合い、共有する場を設ける」とし、「クルマの役割が単なる走りだけではなく、人生を駆け抜ける存在へと変化しているこの時代に、メタバースによって新しい価値を発信していきたい」と述べた。

株式会社エフエム東京 執行役員 デジタル戦略局長 嶋裕司氏

 続いて、エフエム東京(TOKYO FM)の執行役員デジタル戦略局長の嶋裕司氏が「この番組は、VR空間から生放送を行なう新しいスタイルのラジオプログラム。みなさんのJOYなエピソードをメッセージテーマとしながら、4時間にわたってお届けする」と企画を説明。「リスナーがパーソナリティの横に座って、公開放送をするなど、初めて提供できるエンターテインメント」とした。

ラジオ局からオーディオコンテンツ事業者へ

 TOKYO FMはラジオ局からオーディオコンテンツ事業者にシフトしていこうということを宣言しているが、嶋氏は「ラジオ業界という枠を超えて、新たな価値を発信して、オーディオコンテンツ事業者としての企画力、発信力をより高めていきたい」と抱負を語り、4月29日のオンエアについては「耳で聞いて、目で見て、肌で体感いただければ幸い」と希望を述べた。

番組内でも話題となるEV「iX」
番組内でも話題となるEV「i4」

放送中のパーソナリティの前に座って、参加している感覚

 続いて、VR空間での放送がどのようなものか、オンエアを前に一足先に体験した。体験会では、放送当日のパーソナリティを務める浜崎美保さんも出席。浜崎さんは放送と同様に「Meta Quest 2」をかぶり、参加リスナー役となった記者も同様に「Meta Quest 2」をかぶり、バーチャルな会話を実現した。

番組のVR空間への参加に必要となる「Meta Quest 2」
ゴーグル本体に加えて、Touchコントローラーがセットになり手の動作を伝えることができるが、手をかざすだけで認識する機能もある
ゴーグル内にレンズがある

「Meta Quest 2」ではバーチャル空間の3D映像を表示し、お互いの会話ができるだけでなく、自らの手を空間内に表示させ、例えば相手とじゃんけんもすることができる。体験では手の動きを中心としたダンスを行ない、B、M、Wの文字を手で表現する振り付けもスムーズにできた。手だけでなく体全体も「Meta Quest 2」をかぶった人の動きから表示させ、「Meta Quest 2」をかぶっただけで、あたかもそこに人がいるかのような動きまで再現した。

参加者以外には全体の様子が配信される
参加者の視点はこのようになる。首をひねれば画面も斜めになり、自分の手が認識されているときは、画面上にも表示され、他の参加者にも手の動きが表示され、じゃんけんもできるようになる
手で表現する振り付けにも対応する

 実際の放送で視聴者が参加するためには、TOKYO FMのWebサイトから番組にメッセージを寄せるかたちで応募して行なう。参加には「Meta Quest 2」が使えることが前提になる。

 また、「Meta Quest 2」を持っていなくてもVR空間での公開放送は、YouTube ライブでも配信するため視聴することができる。

VR空間に参加中のパーソナリティの浜崎美保さん(右)、放送もこのような形態で参加する

 放送は4月29日の13時から開始するが、ゲストとして三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEのELLYさん、TRFのSAMさん、コメントゲストとして中尾明慶さんが出演。ELLYさんはアバターとなってHorizon Workrooms上のリスナーと共に「バーチャルワンポイントダンス」を披露する予定。

「Meta Quest 2」を手にする浜崎美保さん