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自工会、岸田首相と豊田章男会長らの懇談映像を公開

2022年6月22日 発表

 日本自動車工業会は、6月17日に行なわれた岸田文雄総理と自工会会長の豊田章男氏らとの懇談映像を公開した。同日、岸田総理は愛知県豊田市で自動車工場を視察後、自工会会長の豊田章男氏、副会長の永塚誠一氏、日本自動車部品工業会の有馬浩二会長、大下政司副会長と懇談、自動車産業のカーボンニュートラルに向けた取り組みなどの意見交換が行なわれたという。

 懇談の中で、自工会会長の豊田氏は「現場の頑張りを視察したいということで、こうして愛知県の私どもの工場に足をお運びいただき、また長時間に渡って、こうやって声を聞いていただいたこと本当にありがたく存じます。今日あえてですね自動車工業会、部品工業会ということで、お迎えした理由はですね、やはり550万人の生活がかかっておりますし、550万人が日本を牽引していく力になると思っております。その辺、ぜひですね、ご理解、共感いただき、今後の自動車業界を応援いただきたいというふうに思いますし、また自動車業界を頼りにしていただきたいなと思っております」との思いを伝えた。

自動車産業代表、首相と懇談

 これを受けて、岸田総理は「現場の皆さん、直接の声を聞かせていただくなど、貴重な機会をいただき、自動車業界の皆さん方の熱意、あるいは様々な努力、まだ一端でしょうが実感させていただいた、素晴らしい機会をいただいたと改めて感謝申し上げます。今、お話がありましたように、自動車業界550万人の雇用を支えるわが国の基幹産業です。そして、これからの未来を考えた場合に、デジタル、グリーン、こうした分野における未来はもちろんですし、私も今、新しい資本主義という新しい経済モデルについて考えていますが、その際に人への投資ということを考えましても、自動車産業の皆さま方にぜひしっかりとリードしていただきたいと期待をしています」と話した。

 そして、岸田総理は「そのためにも、これから未来にかけて官民協力する形で、大胆な投資を実現していかなければならない、こうしたことを考えています。脱炭素ということだけでも、150兆円へ投資を積まないと、その呼び水を政府としても、官の立場からもしっかりと作っていこうではないか、こんなことを申し上げております。こうした中で、自動車産業の皆さんに大きな役割を果たしていただきたいと思っていますし、こうした未来に向けても、引き続き自動車産業がわが国の経済の大きな柱であり続けると感じますし、ぜひ期待をしたいと思います」との考えを伝えた。

 また、同日の視察後の会見で、岸田総理は「今日は自動車製造の現場を視察させていただきました。工場においては、電気自動車を始め、異なる種類の車を、一つのラインで一緒に生産し、カーボンニュートラルに向けた多様な選択肢を追求する、こうした現場を拝見させていただきました。近代的な工場ではありますが、その中で、製造工程に、正に手作りの様々な工夫を凝らす『カイゼン』という言葉が、今、世界中で使われていますが、正に『カイゼン』の現場を見させていただいたと感じ、ある意味、感銘も受けました。また、最新の電池、これも拝見させていただきました。この20年間の技術開発の歴史等も聞かせていただき、技術開発競争をリードするための蓄電池の開発努力、こうしたものも実感させていただきました。そして改めて感じたことは、新たな技術をいかす人の力と、そしてそれを支える投資、この二つでありました。カーボンニュートラルの実現に向けて、官民一体で、大胆に取組を進めていくことが大事だということを感じた次第です」と述べた。

 そして、岸田総理は「そしてその後、自動車業界の皆さま方と、懇談させていただきました。懇談の中では、自動車産業の成長と分配への貢献について議論いたしました。特に税制については、自動車を国家戦略の中心に位置付けて、骨太の議論を進めていただきたいという指摘を頂きました。脱炭素に向かう中でも引き続き、自動車産業が我が国の成長産業であり、クリーンエネルギー戦略の大黒柱だと思っています。官と民が連携して、社会課題解決とそして経済成長、この二兎(にと)を追っていく、こうした新しい資本主義の基本的な考え方にも沿う形で御努力いただきたいと思っています。そしてあわせて、既に自動車業界でも、モビリティ委員会において議論を進めていただいているということを御説明いただきましたが、秋以降、新しいモビリティの在り方を議論するために、自動車産業トップを始めとする関係者と、私及び関係閣僚との対話の場、これを持ちたいと考えています。脱炭素に向かう中でも引き続き、自動車産業が我が国の成長産業であり、クリーンエネルギー戦略の大黒柱であるという考えに基づいて、こうした議論を行っていきたい、このように考えています」と述べている。