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SUPER GT第4戦富士、37号車 KeePer TOM'S GR Supraが99ラップの耐久戦を優勝 GT300は61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT

2022年8月6日~7日 開催

SUPER GT第4戦富士を優勝した37号車 KeePer TOM'S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋組、BS)

 SUPER GT第4戦富士が富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)で、8月6日~7日の2日間にわたり開催された。7日午後に100周/450km(ただし、エクストラフォーメーションラップが1周追加されたため、99周に減算)という通常の300kmよりも長い距離で決勝レースが行なわれた。GT500は予選3位からスタートした37号車 KeePer TOM'S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋組、BS)が優勝。GT300は終盤追い上げた61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)が大逆転で優勝した。

GT500、中盤までは2位からスタートした24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Zがレースを支配

 第4戦富士は、第2戦富士と同じく通常の1.5倍となる100周/450kmで行なわれ、各チームが作戦に頭を悩ませるレースになった。レギュレーションでピット作業2回が義務付けられ、うち1回はドライバー交代を義務付け。タイヤ交換義務はなしとなっており、どこでドライバー交代をするのか?タイヤ交換をどのタイミングで行なうのか、そうしたピット作業の作戦がレースの結果を左右することになる。

 決勝レースはレース直前に雨が降ったものの、その後雨は上がり、徐々に路面が乾いていく中でのスタートとなった。路面は明らかにドライで、全車ドライタイヤでのスタートを選択した。気温は27℃、路面温度32℃と、夏の富士としてはやや低めだが、昨日の予選よりは暑いという環境の中で行なわれた。

 静岡県警の白バイ隊、パトカー隊による安全運転啓発のパレードラップが1周行なわれた後、フォーメーションラップに加え、さらに1周のエクストラフォーメンションラップが追加された。そのため、決勝レースは1周減算され、99周レースで行なわれることになった。

GT500クラスのスタート

 ポールポジションからスタートした19号車 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南組、YH)がホールショットを奪ったが、3周目の1コーナーで2番グリッドからスタートした24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平組、YH)に抜かれ、その後3番手以下との激しいレースになっていった。19号車は徐々に順位を落とし、第2戦富士でも見られたレース展開になった。

 レース序盤は24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Zと2位を走る37号車 KeePer TOM'S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋組、BS)のマッチレースになった。両車は1~2秒差という僅差のレースを繰り広げており、緊張感の高い序盤の戦いが繰り広げられた。

24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平組、YH)

 レースが1/3を過ぎた34周目からGT500の車両が徐々にピットに入り始めた。全車が4輪タイヤ交換を行なっており、1/3という均等割にしてきたことから見ても、GT500はピット作戦よりも全力疾走×3という3スティントを全力で戦うことを全車選択したようだ。そうした中で23号車 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)がトラブルでピットインしてそのままガレージイン、38号車 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明組、BS)もピットレーンを入ったところでスロットルにトラブルが発生してピットタワー前に停止するトラブルが発生、両車とも周回遅れになってしまい上位争いから脱落してしまった。

最後のピットストップで24号車を逆転し、優勝した37号車 KeePer TOM'S GR Supra

 トップを走っていた24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Zが最後のピットに入ったのは73周目。チームは素早いピット作業で24号車をコースに戻すことに成功。しかし、その翌周に2位を走っていた37号車 KeePer TOM'S GR Supraがピットに入ると、素晴らしいピット作業で37号車をコースに戻すことに成功、ストレート1本分37号車が前になり、37号車がトップに立った。

 3番手だった12号車 カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット組、BS)も素早い作業を終えてコースに出てくる。37号車の鼻先に12号車は出てくるが、タイヤが温まっていない12号車は1コーナーで止まりきれず、そのままコースを飛び出してしまった。37号車はトップを守り、2位は約5秒差で12号車、3位は約12秒差で24号車という展開になる。

12号車 カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット組、BS)

 結局レースは37号車 KeePer TOM'S GR Supraが2位以下を引き離してトップでチェッカーを受けて優勝。2位は12号車 カルソニック IMPUL Z、3位は24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Z。4位は36号車 au TOM'S GR Supra(坪井翔/ジュリアーノ・アレジ組、BS)、5位は8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組、BS)、6位は変則2ストップ作戦を成功させた39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一組、BS)。

GT500クラス優勝の37号車 KeePer TOM'S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋組、BS)
順位カーナンバー車両名ドライバータイヤサクセスウェイト周回数
137KeePer TOM'S GR Supraサッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋BS2299
212カルソニック IMPUL Z平峰一貴/ベルトラン・バゲットBS1999
324リアライズコーポレーション ADVAN Z佐々木大樹/平手晃平YH1399
436au TOM'S GR Supra坪井翔/ジュリアーノ・アレジBS2799
58ARTA NSX-GT野尻智紀/福住仁嶺BS3099
639DENSO KOBELCO SARD GR Supra関口雄飛/中山雄一BS2299
714ENEOS X PRIME GR Supra大嶋和也/山下健太BS5299
8100STANLEY NSX-GT山本尚貴/牧野任祐BS4099
919WedsSport ADVAN GR Supra国本雄資/阪口晴南YH2199
1017Astemo NSX-GT塚越広大/松下信治BS3698
1164Modulo NSX-GT伊沢拓也/大津弘樹DL98
123CRAFTSPORTS MOTUL Z千代勝正/高星明誠MI5298
1316Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT笹原右京/大湯都史樹DL198
1423MOTUL AUTECH Z松田次生/ロニー・クインタレッリMI3089
R38ZENT CERUMO GR Supra立川祐路/石浦宏明BS1644

ポイントランキング

順位カーナンバードライバーRd1Rd2Rd3Rd4合計次戦SW
137サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋11203162
214大嶋和也/山下健太212343060
33千代勝正/高星明誠6202652
412平峰一貴/ベルトラン・バゲット45.51524.549
5100山本尚貴/牧野任祐153232346
636坪井翔/ジュリアーノ・アレジ57.51821.543
78野尻智紀/福住仁嶺110462142
817塚越広大/松下信治211511938
924佐々木大樹/平手晃平1.551117.535
1039関口雄飛/中山雄一3851632
1123松田次生/ロニー・クインタレッリ1141530
1219国本雄資/阪口晴南3.57313.527
1338立川祐路/石浦宏明8816
1416笹原右京/大湯都史樹0.50.51

GT300、65号車、4号車とトップ独走の2台が序盤と終盤にトラブル、優勝は残り5周でトップに立った61号車 SUBARU BRZ

GT300を優勝した61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)

 GT300のスタートはポールポジションからスタートした65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗組、BS)がホールショット奪うと、その後2位以下に徐々に差をつけていくレース展開なった。65号車はその後も2位以下に大差をつけて、悠々とトップを走行していたが残り20周で緊急ピットイン、右のフロントタイヤのハブにトラブルが発生し、タイヤを外すこともつけることもできなくなり、結局そのままガレージに入れられてしまった。これでトップ争いからは脱落し、チームはリタイアを決めた。

GT300クラスのスタート

 特異なピット作戦を敢行したのは、52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組、BS)と5号車 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(冨林勇佑/平木玲次組、YH)の2台、いずれも給油だけのピット作業を行ない、2回のピット作業のうちの1回を消化するという作戦に出た。ほかにも31号車 apr GR SPORT PRIUS GT(嵯峨宏紀/中山友貴/小高一斗組、BS)も序盤に同様の作戦に出ている。

 通常のピットストップ作戦でトップに立ったのは4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組、YH)。2位は55号車 ARTA NSX GT3(武藤英紀/木村偉織組、BS)。しかしながら55号車はレース中盤にトラブルを発生し、スロー走行でピットに戻ることになり、上位争いから脱落してしまった。

 4号車は2位以下に20秒以上の差をつけて独走状態となった。ピットシーケンスが違う車両との差が、全員が2回目のストップを終えた後どうなるかがレースの焦点となっていった。

 変則ピットストップ組のトップである52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GTは、51周目にピットストップ。レース後半は交換したタイヤと新しいドライバーで淡々と走りゴールを目指すが、結局は14位に終わり、変則ピットストップ作戦は機能しなかったということができるだろう。

 67周目に2位に25秒の差をつけていた4号車 グッドスマイル 初音ミク AMGが最後のピットイン。給油、タイヤ交換を終えてピットアウトすると、変則ストップ52号車はもちろんのこと、ピット作業を終えていたグループのトップだった60号車 Syntium LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑組、DL)よりも遙かに前に出た。これで既にピット作業も終えたことで、この時点でほぼ4号車の優勝は決まったのも同然だ。その後2位になったのは、11号車 GAINER TANAX GT-R(安田裕信/石川京侍組、DL)、3位は4号車の一周後にピットに入った61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)だ。

4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組、YH)

 ところが、84周目、2位に10秒以上の差をつけて勝利は堅いと思われていた4号車 グッドスマイル 初音ミク AMGをまさかのトラブルを襲う。左フロントがパンクして緊急ピットイン。これで4号車は優勝争いから脱落し、トップに繰り上がった11号車 GAINER TANAX GT-Rと61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTの2秒差での戦いになっていった。4号車は久々の優勝をほぼ手中に収めていただけに、まさかのトラブルが襲った形になる。

11号車 GAINER TANAX GT-R(安田裕信/石川京侍組、DL)

 その後は11号車と61号車のがラップごとに順位を入れ替える激しいトップ争いに。GT300規定の61号車 BRZはコーナーが速く、GT3規定の11号車 GT-Rはストレートが速いというそれぞれの特性を活かしてのレースになった。コーナーでBRZが抜いても、ストレートでGT-Rが抜き返すといった具合で、残り10周は緊迫したレースが展開された。

 残り5周でBRZが1コーナーのブレーキングでオーバーテイクすることに成功。その後、ストレートでは速いが、コーナーではつらいというGT-Rの弱点をついてストレートで抜かれない差をつけることに成功した。

18号車 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/太田格之進組、YH)

 その後は11号車との差を広げ、61号車はそのままトップでチェッカーを受けて優勝した。2位は11号車 GAINER TANAX GT-R、3位は18号車 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/太田格之進組、YH)、4位は60号車 Syntium LMcorsa GR Supra GT、5位は96号車 K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一組、DL)、6位はポイントリーダーで99kgのサクセスウェイトを搭載している56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組、YH)。

GT300クラス優勝の61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)
順位カーナンバー車両名ドライバータイヤサクセスウェイト周回数
161SUBARU BRZ R&D SPORT井口卓人/山内英輝DL2991
211GAINER TANAX GT-R安田裕信/石川京侍DL1591
318UPGARAGE NSX GT3小林崇志/太田格之進YH4591
460Syntium LMcorsa GR Supra GT吉本大樹/河野駿佑DL690
596K-tunes RC F GT3新田守男/高木真一DL2090
656リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラYH9990
750Arnage MC86加納政樹/阪口良平/末廣武士YH90
887Bamboo Airways ランボルギーニ GT3松浦孝亮/坂口夏月YH990
988Weibo Primez ランボルギーニ GT3小暮卓史/元嶋佑弥YH2790
10360RUNUP RIVAUX GT-R青木孝行/田中篤/柴田優作YH290
1131apr GR SPORT PRIUS GT嵯峨宏紀/中山友貴/小高一斗BS90
129PACIFIC hololive NAC Ferrari木村武史/ケイ・コッツォリーノ/川端伸太朗YH2490
134グッドスマイル 初音ミク AMG谷口信輝/片岡龍也YH1290
1452埼玉トヨペットGB GR Supra GT吉田広樹/川合孝汰BS2790
1530apr GR86 GT永井宏明/織戸学/平良響YH989
166Team LeMans Audi R8 LMS片山義章/ロベルト・メルヒ・ムンタンYH1889
175マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号冨林勇佑/平木玲次YH4589
182muta Racing GR86 GT加藤寛規/堤優威BS589
1948植毛ケーズフロンティア GT-R井田太陽/田中優暉/甲野将哉YH88
2022アールキューズ AMG GT3和田久/城内政樹YH86
217Studie BMW M4荒聖治/アウグスト・ファルフスMI6383
2210TANAX GAINER GT-R富田竜一郎/大草りき/塩津佑介DL4577
R55ARTA NSX GT3武藤英紀/木村偉織BS343
R20シェイドレーシング GR86 GT平中克幸/清水英志郎DL28
R65LEON PYRAMID AMG蒲生尚弥/篠原拓朗BS3318
R244HACHI-ICHI GR Supra GT佐藤公哉/三宅淳詞YH0

ポイントランキング

順位カーナンバードライバーRd1Rd2Rd3Rd4合計次戦SW
156藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ20211538114
261井口卓人/山内英輝36.52029.589
318小林崇志/太田格之進15112678
47荒聖治/近藤翼212163
511安田裕信/石川京侍14152060
610富田竜一郎/大草りき5101545
75冨林勇佑/平木玲次151545
834柳田真孝/井出有治7.5512.538
996新田守男/高木真一2.54612.538
1065蒲生尚弥/篠原拓朗1111236
1188小暮卓史/元嶋佑弥3621133
1260吉本大樹/河野駿佑281030
1352川合孝汰18927
149ケイ・コッツォリーノ/横溝直輝8824
1552吉田広樹8827
166本山哲/片山義章6618
1787松浦孝亮/坂口夏月33618
184谷口信輝/片岡龍也4412
1950加納政樹/阪口良平/末廣武士4412
2030永井宏明/織戸学339
212加藤寛規/堤優威1.51.55
22360青木孝行/田中篤/柴田優作0.511.55
2352菅波冬悟1127
2455武藤英紀/木村偉織113