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リンナイとトヨタ、調理時にCO2を排出しない水素調理の共同開発開始

2022年10月4日 発表

 リンナイとトヨタ自動車は10月4日、調理時にCO2を排出しない水素を燃焼させて行なう調理(以下、水素調理)について、共同開発を開始したと発表した。両社は、ウーブン・プラネット・ホールディングスとともに、トヨタが静岡県裾野市に建設を進めるWoven City(ウーブン・シティ)などで実証を行ない、水素調理によるカーボンニュートラルへの貢献と水素による新たな食の体験の提供を目指すとしている。

 水素調理に関する共同開発では、Woven Cityなどでの実証を通じ、調理時にCO2を排出しない水素調理の最も安全で効率的な燃焼方法を検討するとともに、水素調理が食材に与える味や風味などへの効果を科学的に検証する。この共同開発により、水素の用途拡大と水素による「新たな食の体験」創出に向け、両社で水素調理の可能性を模索していくとしている。

 これまでに、リンナイではカーボンニュートラル実現に向けた宣言「Rinnai Innovation Manifesto 2050」を策定して水素燃焼機器の開発を進めており、2022年5月には給湯分野において水素100%燃焼の技術開発に成功したことを発表するなど、水素燃料を活用した機器の開発に取り組んでいる。一方、トヨタも実証実験の街Woven Cityにおいてカーボンニュートラルの選択肢の1つである水素やモビリティに関する技術の実証を行なっていくことを明らかにしている。

 リンナイの代表取締役社長 内藤弘康氏は「エネルギーに深く関わるメーカーとしてトヨタの構想に強く共感するとともに、Woven Cityに参画できることを大変嬉しく思います。リンナイは生活に密着した家庭用の商品を提供していますので、この共同開発は調理機器という分野で強みを生かせることができ、さらに地球環境に貢献できるという相乗効果の広がりを感じます。またこのようなテーマに携わることができる喜びを噛み締めながら、Woven Cityの実現、さらにはカーボンニュートラルの実現に向けて全力で取り組んでいく所存です」とコメント。

 トヨタの取締役執行役員であり、ウーブン・プラネット代表取締役CEOのJames Kuffner氏は「調理機器のスペシャリストであるリンナイとともに、新たな水素の使い方にチャレンジできることを大変嬉しく思います。CO2を排出する現在のプロパンガスや天然ガスを用いた調理方法に対し、サステナブルなエネルギーによる水素調理で新たな食の体験の提供に取り組み、ともに持続可能な社会への貢献を目指します」とコメントしている。