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豊田章男社長、チャンピオンをかけてバーレーンで戦うWECチームにエール

WRCラリージャパンのDay2に訪れたトヨタ自動車株式会社 代表取締役社長 豊田章男氏

ドライバー、マニュファクチャラーのダブルタイトルを目指すTOYOTA GAZOO Racing WECチーム

 今週末、日本では世界的なラリー選手権であるWRCラリージャパンが岐阜県・愛知県で開催されており、TOYOTA GAZOO Racingの各選手が熱い走りを見せている。TOYOTA GAZOO RacingはWRC(世界ラリー選手権)において、ドライバー、コドライバー、マニュファクチャラーのトリプルタイトルを獲得、世界制覇をしての凱旋帰国大会となっている。

 そのTOYOTA GAZOO Racingは、今週末、もう一つの世界大会を戦っている。それがWEC(世界耐久選手権)最終戦バーレーン8時間レース。前戦の富士6時間をトヨタの8号車 TOYOTA GR010 HYBRID(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮)が優勝したことにより、8号車 TOYOTA GR010 HYBRIDは121ポイントでトップに。3位に入ったAlpine ELF Teamの36号車 Alpine A480(アンドレ・ネグラフォン/ニコラ・ラピエール/マシュー・バキシピエール)と同ポイントとなった。つまり、最終戦で勝った方がチャンピオンとなるわけだし、マニュファクチャラーのダブルタイトルもかかっている。

 ちなみに、7号車 TOYOTA GR010 HYBRID(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス)は富士で2位に入ったことにより95ポイント。条件次第ではチャンピオンの可能性がある。ただ、チーム代表も兼ねる小林可夢偉選手は、7号車の役割は明確になっていると富士戦終了後に語っており、TOYOTA GAZOO Racing WECチームの1-2フィニッシュを目指して戦っていくことになる。

 決勝のスタート時刻は、11月12日14時(日本時間11月12日20時)。8時間のレースとなるため、日本時間12日28時、つまり13日の4時にゴールを迎える予定だ。

来年を見据え、「やはりワンツー、ワンツーで終わってほしい」と豊田章男社長

 このTOYOTA GAZOO Racing WECチームについての戦いについて、WRCラリージャパンの視察に訪れていたトヨタ自動車 代表取締役 豊田章男社長に聞いてみた。

 豊田社長は、TOYOTA GAZOO Racing WECチームが戦うハイパーカークラスは、2023年シーズンからフェラーリなど多くのチームが参戦してくることを指摘。「来年は多くのメーカーがハイパーカークラスに出てきます。そうすると今年の戦いは、それらのチームが見ているでしょうね。なので、やはりワンツー、ワンツーで終わってほしい。チームとして勝つ、結果を残してほしい」という。

 トヨタは今シーズンル・マン5連覇を達成、アウディの連覇記録に並んだが、100周年を迎える2023年のル・マンでは、フェラーリの6連覇の記録に挑んでいくことになる。それを阻止するようにフェラーリがハイパーカークラスに参戦してくる。ちなみに、ル・マンの連覇記録は7連覇のポルシェ。ポルシェもLMDhクラスで再びワークス参戦予定のため、トヨタの連覇記録を防ぐための復帰にも見える。

「ワンツーで終わってほしい」とは、チームに対しての高い期待の表われだが、その先を見据えてのチームへのエールとなっていた。

 日本人ドライバーに対しては、今季チーム代表も兼ねる小林可夢偉選手について「チーム代表としてのチャンピオン獲得もあるけど、やはりドライバーですからね。ドライバータイトルを獲得するチャンスももっと多く残してあげたかったなと。チーム代表として(可夢偉選手は)大人の発言をしていますが」と、その気持ちを気遣う。

 一方、同点でチャンピオンを迎えた平川亮選手に対しては、「平川、平川は持っていますから。8号車応援よろしく」と語り、日本からの応援を頼みつつ、次の予定へ向かって立ち去っていった。

 ちなみに11月12日の土曜日は、日本では朝から夕方までWRCのDay3が開催され、日本時間の20時からWECの決勝がスタート。日曜日の朝4時にゴールを迎え、4時30分からはF1ブラジルGPのスプリントレースがスタート。そしてWRCラリージャパンの最終日のDay4が始まるという、FIA 3大世界選手権のエンドレスモータースポーツ状態。そのうちの一つであるWRCは日本で開催される幸せな状況であるし、WECのチャンピオンを競っているのは日本人ドライバーであり、日本のメーカーだ。応援のしがいがあるのは間違いないだろう。