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静岡県裾野市で道路にメッセージを描く照明を設置し、路面凍結による交通事故削減に向けた実証実験

2023年2月15日~3月31日 実施

スマート道路灯による描画イメージ

 静岡県裾野市とスタンレー電気、加賀FEI、NTTコミュニケーションズ、ダッソー・システムズは2月16日、4社で開発したスマート道路灯を活用し、路面凍結による交通事故削減に向けた実証実験を2月15日から開始したと発表した。

 今回の実証実験では、都市が抱えるさまざまな社会課題の解決と人々の暮らしの安全安心に寄与する取り組みの一環として、裾野市の協力のもと、リアルフィールドにて、クルマのスリップ事故や歩行者の転倒防止効果に関する検証を行なう。

 具体的には、裾野市石脇柳端橋の道路照明灯に、光で道路にメッセージを描いてクルマと歩行者とのコミュニケーションを取ることができるスマート道路灯路面描画装置を設置し、路面に「凍結注意」という文字を描画。ドライバーへの注意喚起と原則を促し、スマート道路灯路面描画装置に搭載したエッジAIカメラや環境センサーからモバイル通信でデータを収集、蓄積して分析。スマート道路灯路面描画装置の設置前後におけるスリップ事故報告数、住民へのアンケートによる意識変化の有無を確認する。

スマート道路灯による描画イメージ
設置機器

 今回の実証実験での各企業の役割は、スタンレー電気はスマート道路灯用のLED照明器具の開発・製造、提供と、路面描画装置の開発・製造、提供。加賀FEIはエッジコンピューター、センサーデバイスの提供と、組み込みAIシステムの開発。NTTコミュニケーションズはeSIM採用のモバイルデータ通信サービス(IoT Connect Mobile TypeS)の提供と、多様なセンサー/デバイス接続からのデータ収集、可視化、分析、管理などIoTに必要な機能がパッケージ化されたIoTプラットフォーム(Things Cloud)の提供。ダッソー・システムズはバーチャルツインのプラットフォーム(3DEXPERIENCEプラットフォーム)の提供と、エッジAIカメラや環境センサーから収集したデータと地形データをもとにしたバーチャルツインの構築とデータの可視化、シナリオ分析となる。

 実証場所となる裾野市は「日本一市民目線の市役所」をスローガンに掲げ、2025年までの交通事故による死亡者数ゼロ、年間人身事故発生件数200件以下の目標達成に向け、歩行空間のユニバーサルデザイン化や先進技術の導入、データの利活用など未来都市化をリードしているという地域。

 スタンレー電気と加賀FEI、NTTコミュニケーションズ、ダッソー・システムズは、交通渋滞や事故など交通インフラにおける課題解決に向け、各社のアセットを集結したスマート道路灯を開発。スマート道路灯は従来の道路照明灯とは異なり、灯具機能に加え、エッジAIカメラや環境センサー、路面描画装置を搭載し、常時ネットワークに接続しているため、交通状態の把握・予測が可能。交通事故防止・削減に貢献できるほか、道路照明灯の故障、不点灯などの常時監視の省力化も期待できるとした。

 今後の展望として、ほかの自治体への幅広い展開を進めるとともに、道路照明灯の少ない新興国でのスマート道路灯の普及を図っていく。また、収集データを気象データなどと組み合わせることで、降雪による渋滞予測情報の提示など、ドライバーに対して天候状況を踏まえた適切な情報提供を可能にし、道路管理者や交通管理者の業務を支援。加えて、NTTコミュニケーションズが有しているデザインスタジオKOELも加え、今後の将来構想に向け、調査・検討を進めていく。

 さらに、商業施設や、都市公園における民間資金を活用した新たな整備・管理手法のPark-PFI(公募設置管理制度)での活用、地方創生に向けた商店街との連携など、スマート道路灯の活用できるビジネス領域を拡大し、サステナブルな社会の実現に貢献していくとした。