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SUPER GT第6戦SUGO、両クラスで優勝の車両が再車検で失格 GT500は8号車 ARTA MUGEN NSX-GTが優勝、GT300は52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GTが優勝に
2023年9月17日 18:48
SUPER GT第6戦SUGOが9月16日~17日の2日間にわたってスポーツランドSUGOで開催された。9月17日午後には決勝レースが350km/84周で行なわれた。レース中盤に100号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐、BS)が大破するアクシデントが発生し赤旗中断。50分の中断後に再開される荒れた展開になった(ドライバーの無事は確認され、検査のために病院に搬送された)。
GT500は終盤までトップ3台が1秒以内となる激しい争い。その中で17号車 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治、BS)が優勝した。2位はポールからスタートした8号車 ARTA MUGEN NSX-GT(野尻智紀/大湯都史樹、BS)。3位は23号車 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ、MI)。
※21時追記
レース後に行なわれた再車検で17号車のスキッドブロックに規定の厚みがなかったことが判明し、17号車は失格となり、2位以下が繰り上がった。優勝は8号車、2位は23号車で、3位は39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一、BS)となった。
GT300は、ガス欠となった52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰、BS)をフィニッシュラインの直前で抜いた18号車 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻、YH)が今シーズン3勝目。2位は52号車、3位は20号車 シェイドレーシング GR86 GT(平中克幸/清水英志郎、DL)。
※21時追記
18号車はレース後の再車検で最低地上高違反を取られて失格に、それにより2位以下が繰り上がり、52号車が優勝となった。
2位はフロントローからスタートした20号車 シェイドレーシング GR86 GTで、チームとしては初めての表彰台を獲得した。3位は6号車 DOBOT Audi R8 LMS(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン、YH)、4位は61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT、5位は4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也、YH)となった。
GT500、スタートしてすぐは落ち着いたレースに。各車ピット作業を終える
17日の決勝レースは、朝から雨がパラパラと降ってくることはあっても路面を濡らすまでには至らず、ドライ路面でレースがスタートした。
GT500は、予選順位のままにスタートした。ポールからスタートした8号車 ARTA MUGEN NSX-GT(野尻智紀/大湯都史樹、BS)が徐々に2位以下を引き離していき、レース序盤を支配した。しかし、4周目の終わりに16号車 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹、BS)が突然の緊急ピットイン。一度ガレージに入れられるも、すぐに作業を終えて再びコースに戻された。その間に周回遅れになっており、前回優勝の16号車はこれでレースから脱落することになった。その後もトップを走る8号車は2位以下に大差をつけて20周目頃には10秒もの大差をつけていた。
レースの1/3が過ぎたあたりで、GT500、GT300ともに続々とピット作業が始まる。今回のレースは300kmと、第2戦から第5戦までの4戦におけるレース距離の450kmに比べ2/3と短い距離になっており、セーフティカーなどが導入されるリスクを考えると、早めにピットに入って作業義務を消化するということを狙ったのだと考えられる。
上位3台のうち、2位を走っていた23号車 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ、MI)がまず入り、その次にトップを走っていた8号車 ARTA MUGEN NSX-GT、そして3位を走っていた17号車 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治、BS)の順にピットに入る。すると、トップの8号車は23号車をおさえて、ピット作業を終えた中ではトップで戻ることに成功したが、非常に早いピット作業を終えた17号車には抜かれてしまう。8号車はタイヤが温まっていない17号車のすぐ後ろに迫るが、そのまま抜けずに、結局タイヤを変えた中では17号車がトップになり、次いで2位8号車、3位23号車となった。
100号車の大クラッシュで赤旗中断、17号車 Astemo NSX-GTが終盤逆転して優勝
レースがちょうど折り返しを迎えたころ、セーフティカーが出動することになった。その理由はメインストレートのダンロップブリッジの辺りで、100号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐、BS)が大クラッシュをして止まってしまったことが原因だ。しばらくセーフティカーでドライバーの救出作業が行なわれていたが、その後赤旗となりドライバーの救出が優先されることになった。なお、ドライバーは首の痛みを訴えているが、意識はあり、念のための検査を行なうため病院に送られると発表があった。
このアクシデントの原因と考えられているのは、GT300の56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/名取鉄平、YH)との交錯。56号車がピットインしようとするところで100号車と交錯してしまい、100号車がクラッシュしてストレートに停止してしまったのだ。この時点でピット作業を行なった中で4位の24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平、YH)以下の車両は、周回遅れになっており、圧倒的に不利な状況になった。これで上位争いは17号車、8号車、23号車の三台で争われることになる。
この赤旗により、レースは50分ほど中断し、15時20分からセーフティカー先導でレースが再開した。レース再開後の52周目に8号車 ARTA MUGEN NSX-GTが17号車 Astemo NSX-GTを1コーナーでオーバーテイクしトップに立った。しかし、その10周後に今度は17号車が8号車に追い付き、さらに23号車もその2台に追い付き、3台が1秒以内でトップを争う白熱したレースになった。
残り8周で17号車 Astemo NSX-GTは、GT300に詰まった8号車 ARTA MUGEN NSX-GTをメインストレートでオーバーテイク。これで再びトップを取り返すことになった。そこから17号車は2位以下を引き離してそのまま優勝した。
2位は23号車の追い上げをしのぎきった8号車 ARTA MUGEN NSX-GT、3位はその23号車 MOTUL AUTECH Z。4位は39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一、BS)、5位は1号車 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット、BS)、6位は24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Z。
タイトル争いを続ける3号車 Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠、MI)と36号車 au TOM'S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋、BS)は、レース終盤にそれぞれ8位と9位を走り直接対決となった。
終盤に36号車 au TOM'S GR Supraが3号車 Niterra MOTUL Zを抜き、8位に上がり3点を獲得。3号車は10位となり1点を獲得して50点となった。ランキング2位は今回優勝した17号車が1点差で続き、3位に36号車 au TOM'S GR Supraが2点差で続くというランキング。3メーカーの車両が1点差、2点差でランキングトップ3に並ぶ熱い展開になりつつある。この状態で次戦、サクセスウェイトが半分になる第7戦オートポリスに向かうことになる。
SUPER GT第6戦SUGO 正式決勝結果
順位 | カーナンバー | マシン | ドライバー | タイヤ | サクセスウェイト | 周回数 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 8 | ARTA MUGEN NSX-GT | 野尻智紀/大湯都史樹 | BS | 22 | 84 |
2 | 23 | MOTUL AUTECH Z | 松田次生/ロニー・クインタレッリ | MI | 50 | 84 |
3 | 39 | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | 関口雄飛/中山雄一 | BS | 46 | 84 |
4 | 1 | MARELLI IMPUL Z | 平峰一貴/ベルトラン・バゲット | BS | 48 | 84 |
5 | 24 | リアライズコーポレーション ADVAN Z | 佐々木大樹/平手晃平 | YH | 10 | 84 |
6 | 14 | ENEOS X PRIME GR Supra | 大嶋和也/山下健太 | BS | 64 | 83 |
7 | 36 | au TOM'S GR Supra | 坪井翔/宮田莉朋 | BS | 90 | 83 |
8 | 19 | WedsSport ADVAN GR Supra | 国本雄資/阪口晴南 | YH | 48 | 83 |
9 | 3 | Niterra MOTUL Z | 千代勝正/高星明誠 | MI | 98 | 83 |
10 | 37 | Deloitte TOM'S GR Supra | 笹原右京/ジュリアーノ・アレジ | BS | 16 | 83 |
11 | 64 | Modulo NSX-GT | 伊沢拓也/太田格之進 | DL | 38 | 83 |
12 | 16 | ARTA MUGEN NSX-GT | 福住仁嶺/大津弘樹 | BS | 74 | 82 |
R | 100 | STANLEY NSX-GT | 山本尚貴/牧野任祐 | BS | 62 | 37 |
R | 38 | ZENT CERUMO GR Supra | 立川祐路/石浦宏明 | BS | 36 | 35 |
失格 | 17 | Astemo NSX-GT | 塚越広大/松下信治 | BS | 58 | 84 |
GT300は、最終ラップの最終コーナーまでトップを走っていた52号車がガス欠症状、18号車 UPGARAGE NSX GT3が大逆転で3勝目
GT300も予選順位のまま静かにスタートしていった。ポールからスタートした96号車 K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一、DL)、2位が20号車 シェイドレーシング GR86 GT(平中克幸/清水英志郎、DL)、3位が61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝、DL)が続く。
しかし、トップの96号車はタイムが上がらず、20号車に追い付かれ、さらに3位の61号車も52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰、BS)に迫られるなどして、GT300は序盤から激しい上位争いが繰り広げられた。
GT300もレースが1/3を過ぎたあたりからピット作業が始まり、上位陣も続々とピット作業を敢行していく。GT500車両のクラッシュによりセーフティカー、赤旗となった段階でピット作業を終えていた車両の中でトップに立っていたのは52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT、2位は56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/名取鉄平、YH)、3位は18号車 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻、YH)、4位に96号車 K-tunes RC F GT3となっていた。
15時20分にレースがセーフティカー先導で再開された後、セーフティカーがピットに入ると、52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GTが2位の56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rを引き離し始めた。
しかも、56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-RにはGT500の100号車とのアクシデントに関して責任ありと判断されたほか、赤旗中に触ってはいけない車両に触ってしまったとして、ドライブスルーペナルティを2回も課せられ、トップ争いどころかポイント圏外へ脱落してしまった。
これで52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GTはトップを独走。そのまま優勝するかに見えた最終ラップのメインストレートで52号車はガス欠症状でスローダウン。その結果、2位を走っていた18号車 UPGARAGE NSX GT3が大逆転で前戦に続き2連勝し、開幕戦の勝利と合わせて3勝目を実現した。また、シリーズポイントでも60点とリードを広げて、次の第7戦オートポリスへ向かうことになる。
2位は52号車、3位はフロントローからスタートした20号車 シェイドレーシング GR86 GTで、チームとしては初めての表彰台を獲得した。4位は6号車 DOBOT Audi R8 LMS(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン、YH)、5位は61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT、6位は4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也、YH)となった。
SUPER GT第6戦SUGO 正式決勝結果
順位 | カーナンバー | マシン | ドライバー | タイヤ | サクセスウェイト | 周回数 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 52 | 埼玉トヨペットGB GR Supra GT | 吉田広樹/川合孝汰 | BS | 90 | 79 |
2 | 20 | シェイドレーシング GR86 GT | 平中克幸/清水 英志郎 | DL | 3 | 78 |
3 | 6 | DOBOT Audi R8 LMS | 片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン | YH | 45 | 78 |
4 | 61 | SUBARU BRZ R&D SPORT | 井口卓人/山内英輝 | DL | 69 | 78 |
5 | 4 | グッドスマイル 初音ミク AMG | 谷口信輝/片岡龍也 | YH | 27 | 78 |
6 | 65 | LEON PYRAMID AMG | 蒲生尚弥/篠原拓朗 | BS | 72 | 78 |
7 | 50 | ANEST IWATA Racing RC F GT3 | イゴール・オオムラ・フラガ/古谷悠河 | YH | 3 | 78 |
8 | 96 | K-tunes RC F GT3 | 新田守男/高木真一 | DL | 15 | 78 |
9 | 10 | PONOS GAINER GT-R | 安田裕信/大草りき | DL | 39 | 78 |
10 | 56 | リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/名取鉄平 | YH | 100 | 78 |
11 | 31 | apr LC500h GT | 嵯峨宏紀/小高一斗 | BS | 42 | 78 |
12 | 11 | GAINER TANAX GT-R | 富田竜一郎/石川京侍 | DL | 78 | 77 |
13 | 7 | Studie BMW M4 | 荒聖治/ブルーノ・スペングラー | MI | 100 | 77 |
14 | 88 | JLOC ランボルギーニ GT3 | 小暮卓史/元嶋佑弥 | YH | 48 | 77 |
15 | 360 | RUNUP RIVAUX GT-R | 青木孝行/大滝拓也 | YH | - | 77 |
16 | 22 | アールキューズ AMG GT3 | 和田久/城内政樹 | YH | - | 77 |
17 | 9 | PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMG | 阪口良平/リアン・ジャトン | YH | - | 77 |
18 | 27 | Yogibo NSX GT3 | 岩澤優吾/伊東黎明 | YH | 30 | 77 |
19 | 87 | Bamboo Airways ランボルギーニ GT3 | 松浦孝亮/坂口夏月 | YH | 57 | 77 |
20 | 48 | 植毛ケーズフロンティア GT-R | 井田太陽/田中優暉 | YH | - | 76 |
21 | 60 | Syntium LMcorsa GR Supra GT | 吉本大樹/河野駿佑 | DL | 24 | 76 |
22 | 5 | マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号 | 冨林勇佑/松井孝允 | YH | - | 71 |
R | 30 | apr GR86 GT | 永井宏明/織戸学 | YH | 6 | 54 |
R | 2 | muta Racing GR86 GT | 堤優威/平良響 | BS | 100 | 10 |
失格 | 18 | UPGARAGE NSX GT3 | 小林崇志/小出峻 | YH | 100 | 79 |