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スバル 中村知美会長がWRCラリージャパンを訪問 いろいろ出ている期待については

株式会社SUBARU 取締役会長 中村知美氏

 多くの人が観戦に訪れたWRC最終戦ラリージャパンのスーパーSS SS11、SS12のOKAZAKI CITY(以下、岡崎スーパーSS)。この岡崎スーパーSSは、昨年のラリージャパンで「ホコリが多くて観戦しづらい」との声が出た岡崎のSSを改善。今年は新たに場所を設定したものとなる。

 2023年の岡崎スーパーSSは、高低差のある岡崎中央公園をベースに設定されており、公園内の各所からラリーカーの走る姿を見ることができる。上から見下ろしたり、アイレベルで見ることができたりとさまざまな観戦スタイルで楽しめた。

多くの人が訪れていた岡崎スーパーSS

 その岡崎スーパーSSを視察に訪れていたのが、スバルの中村知美 取締役会長。青いSTI/SUBARUジャケットで岡崎スーパーSSの各所を訪れていた。

 スバルと言えば、現在はGT300での活躍が印象的だが、ブランドヒストリーにおけるラリーの存在感が大きいメーカーでもある。トヨタ自動車や三菱自動車工業と同時期にWRCに参戦しており、グループAの時代、WRカーの時代をトップメーカーとして駆け抜けてきた。また、日本初の国際レースシリーズチャンピオンとなる新井敏弘選手を世界に送り出し、レース参戦のブルーのボディカラーはWRブルーとして市販車にも設定されるほどの人気となっている。

 そのスバルに対する期待としてささやかれているのが「WRCへの復帰」。ささやくというべきか、トヨタ自動車 豊田章男会長が広めているというべきかというものだが、多くの人が期待しているのも事実。ただ、現時点のスバルの方向性を冷静に見ると、北米マーケットやSUVが主となっており、なかなか難しい。お客さんがスバルに求めるものは水平対向エンジンでの参戦であり、ハイブリッド機構はトヨタとの協力関係が期待できるものの、カーボンニュートラルの流れがもっと合成燃料に流れない限りは、WRCへの復帰は難しいところだろう。逆に言えば、合成燃料の流れしだいでは、といったところだろうか。

 あえて、その点について中村会長に聞いたところ、「にこっ」と笑って返してくれた。最後に写真をお願いしたら、力強くサムアップもしてくれた。これをどのようなメッセージと受け取るかは、受け手の気持ちとなる。

 スバルはWRCにレギュラー参戦はしていないものの、WRCラリージャパンには新井選手がJRCar1のSUBARU WRX S4で参戦しているほか、萩原選手もWRX Stiで参戦している。スバルのWRC再参戦に期待するとともに、まずは両選手の活躍に声援を送りたい。