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ホンダの新型バッテリEV「ゼロシリーズ」、2026年からグローバルEVモデルとして投入する背景を詳説
2024年1月10日 04:06
地域ベストの電動化戦略に加えEV専用アーキテクチャによるグローバル戦略EVを投入
本田技研工業は1月9日(現地時間、日本時間は1月10日)、米国ネバダ州ラスベガスで開催されている「CES2024」において、新型バッテリEV「Honda 0(ゼロ)シリーズ」のコンセプトモデル「SALOON(サルーン)」「SPACE HUB(スペース ハブ)」を世界初公開した。
この新型バッテリEV「ゼロシリーズ」は、2026年から北米を皮切りに市場投入され、グローバルに展開していくホンダのEVになる。
グローバル専用EVを投入する背景について、本田技研工業 執行役専務 電動事業開発本部長 井上勝史氏が説明した。
井上本部長は、これまでホンダが行なってきた地域ベストの電動化戦略について紹介。ホンダは先進国トータルで2030年に40%、グローバルでは2040年に100%のEV/FCEV販売比率目標を掲げている。北米では2024年にGMとの共同開発車種Prologue/ZDXを投入。中国では2027年までにEV 10機種を投入し、2035年までには全モデルをEV化する。
日本においても電動化を加速し、2024年には軽商用EV「N-VAN e:」を投入し、2025年には「N-ONE」ベースのEV、2026年には2機種の小型EVを投入。2026年までに4機種のEVを投入していく。
地域ごとの生産が求められつつあるバッテリについては、各地域に合わせて最適な戦略を構築。米国ではLGと合弁で次世代EV用バッテリ生産を行なう。
もちろん全固体電池についても開発を進めており、ホンダF1開発で知られるHRC Sakuraの隣接地に巨大な実証ラインを建設中。栃木県さくら市に430億円を投じて2024年に実証ラインを立ち上げる。
2026年にシリーズ第1弾を投入するゼロシリーズ
このような背景のもとに、ホンダの原点・哲学である「M・M思想」と「操る喜び」、そして「自由な移動の喜び」に立ち返り、新たな開発アプローチを採用。その結果、航続距離やデジタル技術を中心とする付加的なスペックを競い合った結果、大きく重いバッテリを搭載した現在主流のEVとは異なるEVを提示する。
それが、「厚くて、思い」というEVの制約から解放し、EVの可能性を拡張した「Thin,Light, and Wise.」な新型バッテリEV「ゼロシリーズ」であるという。そして、そのコンセプトモデルである「サルーン」と「スペース ハブ」をCES2024で世界初公開した。
このゼロシリーズは、北米、日本、アジア、欧州、アフリカ・中東、南米とグローバルに展開していく新型バッテリEVとなり、そのプラットフォームは今後のホンダを担っていくものになる。