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トヨタ、約1470名の新入社員が参加し入社式 佐藤恒治社長は「ようこそ、クルマ屋のトヨタへ!」と歓迎のあいさつ

トヨタ自動車入社式において、大切にしてほしい3つのことを語る代表取締役社長 佐藤恒治氏

新入社員約1470人が参加したトヨタ自動車入社式

 トヨタ自動車は4月1日、本社本館において2024年度の入社式を開催した。2024年度の入社は1464人。入社式の会場参加は新卒採用社員約1470人で、キャリア入社者約430人(2023年5月~2024年4月付採用)はリモートで視聴した。

 入社式では代表取締役社長 佐藤恒治氏があいさつ。冒頭「ようこそクルマ屋のトヨタへ! トヨタを選んでくれて、本当にありがとうございます」と語り、新入社員を歓迎した。

入社式に飾られたトヨダAA型乗用車(左)と、レクサス LF-ZC(右)

 また、新入社員に向け大切にしてほしいこととして、「クルマを好きになる」「クルマづくりの楽しさを見つける」「一生懸命、努力する」を挙げ、最後に「夢」を持ち続けることの大切さとともに、その夢をともにできる仲間がトヨタにいることを語った。

トヨタ自動車 代表取締役社長 佐藤恒治氏あいさつ

 おはようございます! 社長の佐藤です。

 新入社員の皆さん、ようこそクルマ屋のトヨタへ! トヨタを選んでくれて、本当にありがとうございます。皆さんの入社を心から歓迎します。

 今日、この会場に来るときに、たくさんのクルマが並んでいたと思います。トヨタ初の乗用車であるトヨダAA型から、水素トラックまで。そして、センチュリー、GRヤリス、86GRMN。豊田章男会長のホンモノの愛車です。豊田会長らしく、マスタードライバー、モリゾウさんとして思いを持って接してきたクルマで、皆さんを歓迎しています。

 今日は、皆さんにとって、人生の新しい1ページが始まる大切な日です。クルマ屋の会社に入ったことを実感する1日であってほしいと思います。その思いを込めて、各カンパニー、工場の仲間も皆さんをクルマでお迎えさせていただきました。

 工場長、プレジデントからのメッセージも届いています。後ほどゆっくりご覧いただき、ぜひ、お気に入りのクルマと一緒に、思い出の写真を撮ってみてください。

 クルマと向き合うことから始まったトヨタでの会社生活。そんな風に皆さんの記憶に残ってほしいと思います。今日から皆さんは、トヨタの一員です。先日、発表されたトヨタグループのビジョン、皆さんご存じだと思います。

「次の道を発明しよう」。この「発明」という言葉に込められた創業の原点への思い。そして、「次の道」という言葉に込められた未来への思い。日々の仕事の中で、一緒にその意味を考えていきましょう。

 そして、これからトヨタでのキャリアを積んでいく上で、皆さんには「クルマ屋のプロ」を目指してほしいと思っています。

 そのために大切にしてほしいことが3つあります。

 1つ目は、「クルマを好きになる」ということです。

 トヨタは、商品で経営する会社です。クルマを通じて多くの人を笑顔にしたい。また、大好きなクルマを、もっと世の中の役に立つものにしたい。そんな「人の熱量」こそが、もっといいクルマを作り、クルマの未来を変えていく原動力になると思っています。

 いろいろな「クルマ好き」がいてよいと思います。

 私が会社に入ったときのクルマ好きと言えば、スープラ、セリカのようなスポーツカーに乗っている人のことでした。私自身は、今でもそんなクルマ大好きです。

 でも今は、もっと多様な価値観があると思います。これからのクルマ作りには、その多様性が必要です。

 今日をスタートに、たくさんのクルマに触れて、乗って、クルマの持つ多様な価値、楽しさを体感してみてください。

 そして、自分らしいクルマとの付き合い方を見つけて、仕事に活かしてほしいと思います。

 2つ目は、「クルマづくりの楽しさを見つける」ということです。

 今、世の中にないものを、自分たちで創り出す。それが誰かの役に立つ。クルマ作りは、とてもやりがいのある仕事です。

 クルマや部品、ソフトウェアを開発する人、工場で生産する人、営業や人事、経理の仕事をする人、仲間の安全・健康を守る人。全員がクルマ作りに関わっています。

 そして、モビリティカンパニーとして、これから、クルマ作りへの関わり方はもっと多様になっていきます。皆さんならではの感性や視点を活かせる仕事がたくさんあると思います。

 自分の役割に向き合って、専門性を磨いて、クルマ作りの楽しさを見つけていってほしいと思います。

 そして、3つ目は、「一生懸命、努力する」ということです。

 プロを目指す以上、たゆまぬ努力が必要です。一生懸命勉強して、挑戦し、失敗したらもっと努力して、また挑戦する。クルマ作りは、その繰り返しです。

 豊田佐吉さんが大切にされていた「百折不撓」という言葉があります。

「99の失敗の先に、ひとつの成功がある」「信念をもって挑戦し続けなさい」。エンジニアとして、私自身の軸となってきた言葉です。

 大切なことは、行動です。自分自身が汗をかく。実践の経験こそが、自分を高め、困難に直面したときにも、自分を助けてくれます。

 皆さんには、まずは「仕事の基本」を徹底的に覚えてほしいと思います。型を身に着けてこその挑戦、「型破り」です。

 仕事には、苦しいこともあります。それでも、努力は自分を裏切りません。汗を流した分、必ず成長します。自分らしく、努力し続けてください。

 そして、最後にもう1つ。一番大切なことをお伝えしたいと思います。皆さんおひとりおひとり、自分の「夢」を大切にしてください。

 今、トヨタは、モビリティカンパニーへの変革を目指して、さまざまな挑戦を進めています。

 データやエネルギーの可動性を高めて、社会と融合しながら、クルマの価値を拡張していきます。クルマがモビリティに進化していき、お客さまの暮らしや移動をもっと便利で、楽しいものにしていく。未来のモビリティ社会をつくっていく挑戦です。

 この変革を進めるためには、「プロフェッショナリティ」を活かして、「夢」に向かって行動する仲間の力が必要です。

 先日、入社前の皆さんに「トヨタでの夢」を教えてもらいました。

「なぜトヨタを選んだのか。トヨタで何を実現したいのか」。皆さん自身の「原点」とも言うべき思いです。

「クルマ好きの輪を広げたい」「世界に感動を与えるモビリティをつくりたい」。自分の意志で未来を変えていきたい!という思いのこもった夢がたくさんありました。

 とても心強く思いました。

 今の皆さんの思いを大切にしてください。そして、夢を語り合える仲間をたくさん作ってください。

「一人で見る夢はただの夢。しかし、みんなで見る夢は現実になる」。オノ・ヨーコさんの言葉です。

 皆さんには、一緒に夢を見る多くの同期がいます。トヨタには、世界37万人の先輩や同僚がいます。トヨタグループの仲間も含めて、日本の自動車産業には550万人の仲間がいます。

 意志を持って仲間と行動し続ければ、夢は現実になる。必ず未来の景色は変わると思います。

 未来はみんなで作るもの。今日から皆さんも、「みんな」の一員です。

 改めまして、ようこそトヨタへ! 一緒にクルマの未来を変えていきましょう!

入社式が行なわれたトヨタ自動車本社