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トヨタ車体、木を配合した樹脂素材「タブウッド」を組み込んだアルファードなど「人とくるまのテクノロジー展2024」で展示
2024年5月22日 14:28
- 2024年5月22日~24日 開催
- 入場無料(事前登録制)
トヨタ車体は「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」(パシフィコ横浜:5月22日~24日)に出展し、間伐材を配合した樹脂素材「TABWD(タブウッド)」を使った製品や、エンジンをかけなくても使える使えるクーラー「Parkooler(パークーラー)」を展示した。ブース中央の「アルファード」にはどちらも組み込まれていた。
TABWDは森林維持のために間伐された木材を使い、独自の技術で植物繊維(TABファイバー)と熱可塑性プラスチックを複合化してできる樹脂素材。間伐材を含む比率によって、通常のプラスチックのようなものから、木の風合いを残したものまで作ることができる。
ブースの前にある小さなアルファードは、木繊維51%とバイオPEを49%の樹脂で作った「TABWD BLOCK」で作られたもの。ブロック玩具では適度なつけ外し感を実現するために、高い精度で作る必要がある。今回展示したものは初めて作ったものだというが、市販の有名メーカーのブロック玩具に近い適度な力で付け外しができる仕上がりになっていた。ブロックは来場者が付け外しを試すことができ、TABWDの加工性や素材の特徴を知ることができる。
一方、展示している実車のアルファードには、ミラーカバーをはじめ、ウィンドウモールやグリルまわりのパーツ、内装トリムの一部にTABWDを使ったパーツを装着している。
アルファードの後部や車内にはテーブルや食器が置かれているが、これもTABWDによるもの。テーブルの上のナプキンを押さえるナプキンホルダーにTABWDを使っており、木質を残したものから、通常のプラスチックのような使い方もできることをアピールした。
なお、TABWDは、自動車用としてはフォグランプのブラケットやバッテリトレーに採用実績があり、内装部品でも市販車ではないが「e-Palette」にも採用されている。しかし、コストの点などから採用は停滞気味。そのためトヨタ車体では、現在TABWDの意匠性や風合いを生かした製品も展開している。
トヨタ車体では、TABWDのような取り組みで植物材料の使用量を増やしていけば、結果的にプラスチックの使用量を減らすことになる。そして、CO2削減や日本の森の育成に貢献していきたいとしている。TABWDの反響から、環境材料訴求の手ごたえを感じ始めているところだという。
現時点ではビジネスとして大きな成果を上げたものはないというが、今回展示したアルファードに装着したパーツのように、アクセサリー品としての展開も検討しているという。
今回はTABWDのほかに電動リアクーラーシステム「Parkooler」をアルファードに組み込む形で展示した。これはトヨタと共同開発したもので、展示しているアルファードはもちろんエンジンをかけていないが、車内ではエアコンが効いていた。