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豊田章男会長に道楽について聞いてみた 「道を楽しむと書いて道楽、世界中の道を走らせ、みなさんとクルマづくりをやっていきたい」

ル・マン24時間レースを戦ったメンバーと打ち合わせ中だったトヨタ自動車株式会社 代表取締役会長 豊田章男氏(中央)。道楽についてうかがった

 6月22日~23日の2日間にわたってスーパーフォーミュラ第3戦東北大会SUGOがスポーツランドSUGOで開催されている。この国内最高峰のフォーミュラモータースポーツに姿を現わしたのが、スーパーフォーミュラに参戦するルーキーレーシングのチームオーナーである豊田章男氏。今週は、トヨタ自動車の取締役会長として株主総会の出席をすませ、週末はチームオーナーとしてサーキットを訪れていた。

 豊田章男氏で話題になっているのが、6月18日の株主総会での質問。株主からガバナンスに加え「言葉を選ばずに申し上げますと、モータースポーツの取り組みが会長の道楽になっているのではないか?」と問われ、主にガバナンスの観点から返答。ここに道楽という言葉が入っていたことから、モータースポーツは自動車会社にとって、自動車会社のトップにとって道楽なのか否かという点について主にネットで議論された。

 記者も道楽かどうかはともかく、議論の一助になればということで関連記事を掲載。14年以上にわたって取材した、豊田会長のモータースポーツの取り組みを紹介した。

 当の豊田会長は、道楽についてどのように考えているのだろう。スポーツランドSUGOに訪れた際に、たまたま豊田会長を見かけたので、「豊田会長、株主総会での道楽に関するやりとりが話題となっていますが、豊田会長自身は道楽についてどのように考えていますか?」と、ズバリ聞いてみた。

 豊田会長の答えは、「道を楽しむと書いて道楽ですから。僕はもっといいクルマは道がつくると言っていますから、世界中のいろいろな道を探し、その道を思い切り走らせ、クルマづくりをみなさんと一緒にやっていきたいと思います」というもの。目をキラリと光らせながら、ズバリ返してくれた。

トヨタグループビジョン「次の道を発明しよう」。ここにも道がかかわっている

 豊田章男会長は、トヨタグループのビジョンとして「次の道を発明しよう」を掲げている。また、自身が言うように、「もっといいクルマは道がつくる」とも普段から語っている。これらの道が道楽という言葉につながるとは思っていなかっただけに不意を突かれ、突撃質問をしたつもりが、誠実な言葉とともに返されてしまった。

 休日にもかかわらずサーキットを訪れ、選手を激励し、監督と打ち合わせを行なう豊田章男氏。本人はそんなサーキットでの取り組みに関して、「株主総会も終わったので、お休みに道楽でもさせてください」とにこやかに笑いながら語ってくれた。