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スズキ、「エネルギー極少化」に向けた技術戦略発表 2025年以降バッテリEV投入や48Vスーパーエネチャージの開発など

2024年7月17日 発表

スズキの10年先を見据えた技術戦略の概要

 スズキは7月17日、10年先を見据えた技術戦略説明会を開催。説明会では『エネルギー極少化』を掲げ、「軽くて安全な車体」「バッテリーリーンなBEV/HEV」「効率よいICE、CNF技術」「SDVライト」「リサイクルしやすい易分解設計」といった製造からリサイクルまで「エネルギーを極少化させる技術」を実現する技術戦略を示した。

 その中で、車体についてはさらなる軽量化に取り組み、パワートレーンについては、2025年以降、バッテリEV(電気自動車)を順次市場投入していくことや、48Vスーパーエネチャージを開発するなど、「資源リスクと環境リスクを極少化させる技術」を目指すことが明かされた。

軽くて安全な車体

 スズキが得意とする小さく軽いクルマは、走行時のCO2排出量が少ないだけではなく、製造に必要な資源や製造で排出するCO2も少なくでき、省資源やCO2削減に貢献。安全で軽量な「HEARTECT(ハーテクト)」をさらに進化させ、軽量化技術によるエネルギーの極少化に取り組んでいく。

バッテリーリーンなBEV/HEV

 スズキでは国や地域の再生可能エネルギー化の状況、ユーザーの使用状況に合わせ、最もエネルギー効率がよい選択となる「適所適材な電動車をお客様にお届けする」ことを目指し、小さく効率がよい電動ユニット、小さく軽い電池など「小・少・軽・短・美」を体現し、エネルギーを極少化した電動車を開発していくとしている。

効率良いICE(Internal Combustion Engine)、CNF(Carbon Neutral Fuel)技術

 2023年、内燃機関の根幹となる燃焼を追求した高効率エンジン(Z12E型エンジン)を開発し、最大熱効率40%を達成。今後はこの高効率エンジン技術を全展開するとともに、カーボンニュートラル燃料対応や、次世代ハイブリッドによるエネルギー極少化を実現させる。

SDV(Software Defined Vehicle)ライト

 SDVについても「小・少・軽・短・美」によるエネルギー極少化を具現化したアフォータブルな仕組みでクルマの価値を創造する「SDVライト」を開発し、ユーザーに提供。ソフトウェア更新は有線と無線(OTA:Over The Air)をベストミックスし、より使いやすいものにし、ハードウェアを共有して部品費を抑え、ソフトウェアを再利用して開発費を抑えるなど、「これでいい、これがいい」とユーザーに感じてもらえるSDVを目指す。

リサイクルしやすい易分解設計

 これまでのリニアエコノミー(直線型経済)では、原材料採掘から製造・利用・廃棄の流れが一方向で、エネルギーの大量消費、資源の枯渇、環境破壊を引き起こしてきた。スズキは今後、リサイクルや再利用を前提にした分解しやすい製品設計を行なうことで、資源の総使用量を抑制し、エネルギー極少化によるサーキュラーエコノミー(循環型経済)を実現させるとしている。

10年先を見据えた技術戦略説明会の資料