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スーパーフォーミュラ新チーム「KDDI TGMGP TGR-DC」会見 片岡龍也監督は「勝つべくして勝ったというレースを展開していきたい」

新チーム「KDDI TGMGP TGR-DC」の会見メンバー。左から片岡龍也監督、29号車チーフエンジニア 平野亮氏、29号車 ドライバー 平良響選手、28号車 ドライバー 小高一斗選手、28号車 チーフエンジニア 上城直也氏

合同テストに先駆け新チーム「KDDI TGMGP TGR-DC」が会見

 2月18日~19日の2日間にわたって、鈴鹿サーキットでスーパーフォーミュラの合同テストが開催される。それに先立つ17日、スーパーフォーミュラ参戦チームの会見が順次行なわれた(一部チームのみ18日に会見)。今シーズンのスーパーフォーミュラ参戦チームで話題となっているのが、「KDDI TGMGP TGR-DC」。KDDI TGMGP TGR-DCは、2024年までホンダエンジンを使用していたTGMが母体にはなっているが、2025年はモリゾウさんこと豊田章男氏が企画・監修する新チームとして立ち上がった。

 モータースポーツ現場の最前線で人財育成を担って活動を行なっていくとの目標で、そこに賛同するKDDIがメインスポンサーとして参加。KDDIは、SUPER GTにおいて36号車にコンシューマーブランドであるauでスポンサー活動を行なっているが、スーパーフォーミュラではビジネスブランドであるKDDIでのスポンサー活動となった。

新チームについて語る片岡龍也監督

 チームとしては2024年までホンダエンジンを使用していたため、2025年はトヨタエンジンへの載せ替えが必要となった。そのため、2024年末のテストはお休みしており、今週の合同テストが特に大切なイベントとなっている。

 チーム会見に登壇したのは、片岡龍也監督のほか、29号車 ドライバー 平良響選手、29号車チーフエンジニア 平野亮氏、28号車 ドライバー 小高一斗選手、28号車 チーフエンジニア 上城直也氏の5名。片岡監督、平良選手、小高選手は、「KDDI」の文字も鮮やかなブルーが基調の新しいウェアに身を包んでおり、新チームらしい雰囲気が強く出ていた。

1年を通じて成長していきたいと、片岡監督

 片岡監督は会見冒頭に自己紹介をした後、「(チーム名が)なかなか長い名前なので、まず覚えてもらうことが大変かなと思います。新規チーム、そして育成をメインとしたチームを今シーズンからこういうふうに立ち上げることができ、1年を通じてチーム、ドライバーともにみんなで成長できるようなシーズンにしていきたいなと思っております」とあいさつ。KDDIはケイディーディーアイと読むとして、TGMGPはティージーエムグランプリと読み、TGR-DCはティージーアールディーシーと読むことになる。

 ちなみにTGR-DCは、TOYOTA GAZOO Racing Driver Challenge programの略で、トヨタのドライバー育成プログラム。前身はFTRS(Formula Toyota Racing School)で、片岡監督は初代FTRSスカラシップドライバーである。

 育成が掲げられているチームではあるものの、結果を出していく部分などについて問われた片岡監督は、「このチームの発足というか、昨年モリゾウさんに育成をメインとしたようなチームができると。今、TGR-DC RS(レーシングスクール)の校長も務めていますので、育成選手をトップカテゴリーでさらにしっかり伸ばしたいというような相談をしたときに、いろいろと考えてくださって、いろいろな調整の中でモリゾウさんの監修というチームを作っていただくことができました」とチーム設立の経緯について説明。

 しかしながら育成をメインに掲げつつも、「レースに参戦する以上、別に育成チームだからといって優勝を狙わないわけではないので、やはり優勝するために知恵を絞って、みんなで力を合わせていくことが1番の成長につながるとは思っています。スーパーフォーミュラに乗っているドライバーというのは、基本的にはもうできあがったドライバーという扱いを受けてしまいがちなのですが、フォーミュラライツから上がってきたばかりのドライバーたちを、いきなりプロのドライバーとしていい意味で信じきらずに、チームみんなでお互いに疑い、しっかり意見を交換し合いながら、クルマへの知識であったり、レースウィークの進め方みたいなものを学びながら、最終的にはしっかりと結果を出す」という。チーム内で学び合いながら、成長していきたいという思いを全面に出していた。

 そして理想の勝利の形としては、「参加して1年戦えれば何でもいいということではなく、ちゃんと勝つためのプロセスをしっかりとみんなで理解しながら、どちらかというと偶然勝てたというよりは、勝つべくして勝ったというようなレースを展開できるようにしていきたいなと思っています」と語ってくれた。

 このスーパーフォーミュラ合同テストは、アプリ「SFgo」で一部無料配信を行なうほか、J SPORTS、DAZNで放送予定。新カラーリングのマシン、そしてタイムに注目していただきたい。