富士通テンは、同社カーAV製品ブランド「ECLIPSE（イクリプス）」の新型HDDカーナビ2機種と新型メモリーナビ1機種を6月上旬に発売する。価格は、HDDカーナビ「AVN779HD」が33万6000円、「AVN669HD」がオープンプライスで店頭予想価格は22万円前後、メモリーカーナビ「AVN339M」がオープンプライスで店頭予想価格は15万円前後。

■USBやBluetooth機能を強化したHDDカーナビ「AVN779HD」「AVN669HD」

　AVN779HDはWVGA（800×480ピクセル）表示の、AVN669HDはWEGA（400×234ピクセル）表示のタッチパネル付き7.0型ワイド液晶パネルを搭載したHDDカーナビで、HDDはいずれも40GBを内蔵。同社が販売しているHDDカーナビ「AVN978HDTVmkII」に続くミドルクラスの製品となる。

【お詫びと訂正】記事初出時、AVN779HDとAVN669HDの解像度を誤って記載しておりました。お詫びして訂正させていただきます。

　USB接続に関する機能が強化され、接続したUSBストレージに保存された音楽ファイルを、約11MbpsでHDDに高速転送可能となった。加えて、ファイル転送中でも画面切換やカーナビ案内も可能なほか、転送中にエンジンを停止しても起動時に転送を自動再開する機能も搭載し、ストレージと同様のフォルダー構成でファイル転送ができる。なお、USB接続には別売ケーブル「USB109」（2100円）が必要だ。

　また、別売りオプションのBluetoothユニット「BTU109」（1万8900円）を使用することで、携帯電話のハンズフリー通話ができるほか、保存された音楽ファイルのストリーミング再生にも対応。Bluetoothのペアリングを容易に行える「カンタンペアリング」機能も搭載する。

　ナビ機能では、ルート案内が全国31カ所のスマートIC（インターチェンジ）に対応するほか、渋滞考慮検索で5種類の検索条件指定や機能のON/OFFが可能になるなどの機能強化が図られた。

　AV機能では、4チューナー×4アンテナの地上デジタル放送チューナーを採用し、B-CASカードスロットとあわせて本体に内蔵。別売ケーブル「IPC109」（6300円）を使用することでiPodが接続可能で、iPodに保存された動画ファイルのストリーミング再生も対応。画質補正回路「Vivid View Processor2」や、リアモニターなどへの外部映像出力機能なども搭載する。

　オーディオ機能では、最大出力50W×4chのアンプを搭載し、AVN779HDのみ同社車載用スピーカーに最適化された調整を自動で行う機能「ECLIPSE TDモード」を搭載。また、タイムアライメント機能は、AVN779HDはマニュアルおよびオートを、AVN669HDは簡易設定機能のみを搭載する。

AVN669HD	AVN779HDの利用イメージ	AVN669HDの利用イメージ

AVN779HDの基本メニュー	AVN779HDのナビメニュー	AVN779HDのオーディオメニュー
AVN669HDの基本メニュー	AVN669HDのナビメニュー	AVN669HDのオーディオメニュー
AVN779HDのパネルを開いた状態。AVN669HDもほぼ同一	USB接続に関する機能	Bluetooth機能

■初の地デジチューナー＋B-CASスロット内蔵のエントリーナビ「AVN339M」

　AVN339Mは、EGA表示のタッチパネル付き7.0型ワイド液晶パネルと4GBのSDカードを搭載したメモリーカーナビ。同社が2008年10月に発売したメモリーナビ「AVN118M」に続く、低価格なエントリーモデル「AVN Lite」シリーズの第2弾製品として位置付けられている。

　エントリーモデルに位置することから、ナビ機能とAV機能の操作画面を同時に表示し、各ボタンを大きく、よく利用する機能のボタンをより大きく表示。本体下部のボタンも4個のみに絞ることで操作の分かりやすさと簡略化を図っている。

　AV機能では、4チューナー×4アンテナの地上デジタル放送チューナーを採用し、B-CASカードスロットとあわせて2DINメモリーカーナビでは初めて本体に内蔵する。デジタル映像信号やデジタルTFT液晶モニターの採用で表示画質を向上させたほか、受信しているチャンネルの周波数に応じて最適なアンテナを自動選択する「アンテナ可変マッチングシステム」を搭載。VRモードのDVDビデオにも新たに対応する。

AVN339M	AVN339Mの利用イメージ	AVN339Mのパネルを開いた状態
AVN339Mのメニュー	地デジ放送を受信した状態	AVN339Mの操作性についての説明

■2008年度のカーAV事業は前年並みの売上を達成。2009年度は10％アップを目指す

　富士通テンは、新型カーナビの発表とあわせて都内にて発表会を開催した。発表会で代表取締役社長の勝丸桂二郎氏は、2008年度のカーAV事業については「国内市販カーAV市場は前年比10％ダウンであったが、当社はほぼ前年並みの売上を確保した」とし、主力製品や2008年10月に発売したAVN Liteが市場で評価されたためだと説明した。2009年度については「市場は更に厳しさを増し10％ダウンを予想しているが、当社は売上で10％アップ、シェアで15％確保を目指す」と述べた。

　続いて、商品企画部 国内企画チーム チームリーダーの永元覚氏による新商品の概要説明が行われた。永元氏によれば、AVN779HDとAVN669HDで強化されたUSB接続機能やBluetooth機能については、USBメモリーおよびBluetoothの普及が進んでおり、Bluetoothに関しては同社調査で約54％の携帯電話端末に搭載されていることから、機能強化を図ったと説明。AVN339Mについては、AVN118Mユーザーへの調査の結果からAV機能の強化について要望が多かったため、機能強化を図ったと説明した。

富士通テン代表取締役社長の勝丸桂二郎氏	商品企画部 国内企画チーム チームリーダーの永元覚氏	国内市販カーAV市場の動向
新型カーナビのラインアップ	2008年から2009年にかけてのラインナップ	AVN Liteのユーザー調査結果