メルセデス・ベンツ、4代目「Eクラス」国内発表 スポーティーかつエコ、ハイテク安全装備を満載 |
メルセデス・ベンツ日本はアッパー・ミドルセダン「Eクラス」をモデルチェンジし、5月26日より発売した。同日、都内で発表会を開催したが、その模様は後ほど掲載する。
E300 | E350アバンギャルド | E550アバンギャルド |
用意されるモデルは「E300」「E300アバンギャルド」「E350アバンギャルド」「E550アバンギャルド」の4つ。それぞれの価格と主要なスペックは次のとおり。
モデル | E300 | E300 アバンギャルド | E350 アバンギャルド | E550 アバンギャルド | [参考] 先代E300(W211) |
価格 | 730万円 | 780万円 | 850万円 | 1080万円 | 708万円 |
全長(mm) | 4870 | 4880 | 4850 | ||
全幅(mm) | 1855 | 1820 | |||
全高(mm) | 1470 | 1455 | 1485 | ||
ホイールベース(mm) | 2875 | 2855 | |||
重量(kg) | 1710 | 1870 | 1680 | ||
10・15モード燃費(km/L) | 9.6 | 9.5 | 7.8 | 9.1 | |
エンジン | V型6気筒 DOHC 3リッター | V型6気筒 DOHC 3.5リッター | V型8気筒 DOHC 5.5リッター | V型6気筒 DOHC 3リッター | |
最高出力(kW/PS) | 170/231 | 200/272 | 285/387 | 170/231 | |
最大トルク(Nm/kgm) | 300/30.6 | 350/35.7 | 530/54 | 300/30.6 | |
トランスミッション | 7速AT | ||||
タイヤ | 225/55 R16 | 245/24 R17 | 前245/40 R18 後265/35 R18 | 225/55 R16 | |
ハンドル | 右 | 右 | 左/右 | 左/右 | 右 |
■シャープに、大きくなったボディ
Eクラスの名称が初めて与えられたW124型から数えて4代目となるミッドサイズセダン。先代は2002年に発売されたW211型で、7年ぶりのフルモデルチェンジとなる。4代目の形式名は「W212」。
4モデル中3モデルにスポーティーモデルを表す「アバンギャルド」の名称が付いているとおり、スポーティーであることがW212の1つの売り。スタイリングもスポーティーであることを目指している。
先代、先々代は丸いヘッドライトに曲線で構成されたエクステリアだったのに対し、W212は一転、直線で構成されたエッジの立ったボディーをまとい、ツインヘッドライトも平行四辺形になった。フロントグリル下端とヘッドライト下端を結ぶラインや、バンパーのキャラクターラインからボディーサイドのプレスラインにつながるライン、トランクリッド形状などがV字型のシェイプを描き、シャープな印象を強めている。
またリアフェンダー前からテールライトにかけて入ったプレスラインは、1953年のメルセデス・ベンツ180(W120)、通称「ポントン(ポンツーン)・メルセデス」のリアフェンダーからの引用としている。
E350アバンギャルド | ||
E350アバンギャルド | E300 | E550アバンギャルド |
ツインヘッドライトは丸目から角目に | リアランプクラスターも直線基調になった | ドアミラー内蔵のターンシグナルランプは特異な形状 |
車体サイズは先代から20mm長く、35mm広くなり、ホイールベースも20mm拡大された。一方で全高は低くなっているものの、ボディーの大きさが室内空間の拡大につなげられており、居住性を確保しつつよりスポーティーなフォルムとなった。
V字型の意匠はインテリアのセンターコンソールにあるエアコンの吹き出し口などでも繰り返されている。E550アバンギャルドに標準、E350アバンギャルドにオプションで用意されるAMGスポーツパッケージのインテリア装備には、スポーツシートのほか、ステンレスペダル、D字型のステアリングホイールなどが含まれる。
E300のインテリア | E350アバンギャルドのインテリア | |
電動シートが標準 | リアシートは分割可倒式 | 4つのゴルフバックを呑み込むトランク |
ダッシュボードやドアトリムに間接照明を装備 | AMGスポーツパッケージのインテリア |
■パワーよりもエコと安全
全モデルとも、エンジンのスペックや出力は先代と同じ。しかし補機類の駆動ロスを減らし、パワーステアリングポンプの制御の最適化や、バッテリーが80%以上充電されている場合にはオルタネーターの作動を止めるなどの対策により、燃費は改善されている。また16インチ、17インチタイヤ装着車には転がり抵抗低減タイヤを採用した。
これにともない、E300、E300アバンギャルド、E350アバンギャルドは2005年排出ガス基準75%低減レベル(星4つ)E550アバンギャルドは同基準50%低減レベル(星3つ)の認定を受けている。ただし2010年燃費基準は達成していないため、エコカー減税の対象にはならない。
V6エンジン | V8エンジン |
7速AT | ATのコントロールはステアリングコラムのDIRECT SELECT(レバー)とシフトパドルで行う |
充電状態によっては動作を止めるオルタネーターや駆動ロスの少ない補機類、Cd値0.25のボディー、転がり抵抗軽減タイヤなどで燃費を改善 |
さまざまなハイテク安全デバイスを備えるのもW212の特長。フロントガラスのカメラが先行車や対向車を検知すると、ヘッドライトの配光を相手にまぶしくないように自動調整する「アダプティブハイビームアシスト」、天候や走行状況に応じてヘッドライトやフォグランプの照射範囲を変える「インテリジェントライトシステム」、ボディー後部のカメラでや音声案内などで駐車操作を支援する「パーキングアシストリアビューカメラ」、ドライバーの運転特性をさまざまなセンサーで検知・解析し、居眠りや注意散漫、疲労を警告する「アテンション・アシスト」、車線逸脱時にステアリングを振動させて警告する「レーンキーピングアシスト」、急ブレーキが想定される場合にブレーキに予圧をかけるなどの機能を持つ「アダプティブブレーキ」、雨天時にブレーキディスクの水膜を除去する「ドライブレーキ」、歩行者との衝突時にボンネット後端を50mm持ち上げて歩行者への衝撃を弱める「アクティブボンネット」、シートベルトを装着すると最適な位置まで自動的に巻き上げる機構などを、全車標準で備える。また、カーナビなどに使われる7インチディスプレイに前方の赤外線映像を表示し、歩行者を検知するとフレームで知らせる「歩行者検知機能付ナイトビューアシストプラス」をオプションで用意する。
このほか操舵角に応じてギア比を変える「ダイレクトステアリング」、ダンパーの減衰力を自動調整する「DIRECT CONTROLサスペンション」(E300、E300アバンギャルド、E350アバンギャルド)、電子制御エアサス「AIRマチックサスペンション」(E550アバンギャルド)なども装備する。
全車、HDDカーナビ、地デジ、ミュージックレジスター、ハンズフリー機能などをダイヤル(COMANDコントローラー)やステアリングホイールのスイッチでコントロールできる「COMANDシステム」を装備。携帯用音楽プレーヤーなどを接続するメディアインターフェイスも装備する。
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【2009年5月27日】メルセデスベンツ新型Eクラス発表会リポート
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20090527_170196.html
(編集部:編集部:田中真一郎)
2009年 5月 27日