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自工会、2024年度「普通トラック市場動向調査」「小型・軽トラック市場動向調査」発表

トラックの輸送トン推移

 日本自動車工業会は4月15日、「2024年度 普通トラック市場動向調査」「2024年度 小型・軽トラック市場動向調査」を発表。合わせてリモート会見を開催し、普通トラック市場動向調査については普通トラック分科会長 佐々木真司氏(三菱ふそう・トラックバス 商品・経営戦略本部 商品計画部 MFTBC大型トラック商品計画)が、小型・軽トラック市場動向調査については小型・軽トラック分科会 俵田真氏が説明を行なった。

 いずれもコロナ禍後の市場の変化や、カーボンニュートラルへの対応、ドライバー不足が指摘される2024年問題への調査が実施されている。

輸送トンキロ推移

2024年度 普通トラック市場動向調査について

 佐々木氏の発表によると、2024年の普通トラック新車販売台数は合計7.3万台。最低だった2022年から順調に回復しているとし、保有台数についてはゆるやかな増加傾向にあったが、2023年3月末の推計保有台数は159.1万台と減少に転じたとしている。

 経営状況については、運輸業、自家用とも経営状況が好転している事業所は増えているが全体の中では少数派。エネルギー価格の高止まりも経営を圧迫しており、本格的な回復には至っていない様子がうかがえるという。

 また、需要動向については、国内全体の輸送総量は新型コロナ後に一時的に回復を見せたが、直近では減少傾向にあるものの、運輸業の大規模事業所、経営が好調な事業所でのトラック購入意向は高いとしている。

 運送業界で指摘されている2024年問題(ドライバーの時間外労働の上限規制)については、ドライバー不足は特に運輸業で強まっているとし、その対策として運輸業では給与面や運転時間面での改善に努めており、荷主に対しても運賃の適正化や時間の効率化への協力を求めているという調査結果が出ている。

 環境意識と次世代環境車については、エコドライブ、低燃費車両はユーザー・荷主ともにニーズあり。カーボンニュートラル対応となるハイブリッド車導入意向は、運輸業の中型が2割弱で前回と同程度という調査結果を示した。

2024年度 小型・軽トラック市場動向調査

 俵田氏の発表によると、保有状況については小型・軽トラック・バンの保有台数は1201万台で2023年より減少。車種別では、小型トラック・軽トラックが2023年より減少しているという。直近2年間のトラック・バン保有台数は、運輸業で「保有減」事業所が、「保有増」事業所を約1割上回るという結果になった。

 新車販売台数については、新型コロナウィルス感染拡大の影響で2020年に大きく減少。2023年まで緩やかに回復したものの、2024年は一部メーカーの認証不正問題に伴う出荷停止等が影響し再び減少に転じているという。

 また、今後1~2年間の保有増減の見通しについては、運輸業では保有増の見通しをしている事業所が2022年度より減少、運輸業以外では変わらない見通しをしている事業所が9割以上になる。今後1~2年間の物資輸送量の見通しについては、運輸業以外では「増加する」が「減少する」を上回り、運輸業では「増加する」が2022年度より減少し、「減少する」が「増加する」を上回るという結果になった。

 2024年問題の影響としては、運輸業では「事業所の売上、利益の減少」「ドライバーの拘束時間の減少による供給力不足」「ドライバーの採用が難航」が上位。運輸業以外と比較し影響が大きいとしている。

 次世代環境車の導入では、すべての車種で「ハイブリッド車」の意向が最も高く、導入検討理由は「燃料・価格変動の影響を受けにくくなる」が高いとし、懸念点としては「車両価格が高い」が挙げられている。

 EV(電気自動車)の導入については、補助金が「無くても検討する」事業所は2%にとどまり、補助金が「50万円まで」だと検討する事業所が2割半ば、「50万円超~100万円」だと検討する事業所が3割弱となる。その一方、「いくら補助金があっても検討しない」事業所も3割半ばとなっている。

 自工会は、この詳細な調査結果をWebサイトで公表。調査タイミングの関係から2024年問題を完全に反映できてはいないとしているものの、その流れが理解できるものとなっている。