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サントリー、グリーン水素ビジョン説明会 白州工場敷地横に16MWの水素製造工場や水素パイプライン設置
2025年6月11日 15:23
- 2025年6月11日 発表
水素バリューチェーンの構築に挑むサントリー
サントリーホールディングスは6月11日、「サントリーグリーン水素ビジョン」を発表すると同時に都内で説明会を開催した。このビジョンは、2025年内に予定されている「やまなしP2Gシステム」の稼働を前にサントリーグループの中長期計画として発表されたもの。
サントリーグループでは山梨県および技術参画企業9社とともに、国内最大となる16MW規模の水素製造施設「やまなしP2Gシステム」を建設し、山梨県内にあるサントリー南アルプス白州工場・サントリー白州蒸溜所での水素利用に取り組んでいる。
説明会には、サントリーホールディングス 常務執行役員 サステナビリティ経営推進本部長 藤原正明氏が水素活用のロードマップを説明した。
水と生きるサントリーの、水から生まれるエネルギー。
藤原氏は、2025年秋からのフェーズ1、2027年以降のフェーズ2、2030年以降のフェーズ3と、タイムラインを明確にした形でサントリーの水素事業について説明。
サントリーは水理念を4つ掲げており、地元の社会にしっかり溶け込んで事業を行なっているという。コーポレートメッセージとして「水と生きるSUNTORY」を掲げるサントリーとして、「水から生まれ、水に還る」水素エネルギーは同社の水理念にも通じるところがあると語る。
2025年秋からのフェーズ1は、グリーンイノベーション基金の事業で実証試験を行なっていき、可能であれば水素によるウイスキーの直火蒸留に取り組んでいく。
サントリーのグリーン水素は、地下水100%に再エネ(太陽光発電、水力発電)100%を用いて、水の電気分解で製造。電解装置能力16MWの工場を白州工場敷地横に設置し、水素パイプラインも約2km施設。水素製造量は年間2200トンを予定し、CO2排出削減量は1万6000トンになるという。
稼働目標は2025年秋で、5月末現在で建屋、パイプライン、ボイラーが完成。今後は、水電解装置などを設置していく。
2027年からのフェーズ2は水素製造の協業を開始、巴商会とともに水素販売の協業を行なっていく。
2030年以降のフェーズ3では、中京圏の水素を知多蒸留所で利用するほか、高砂工場では2030年代までに水素を利用する予定。白州での水素活用拡大、他拠点での水素活用拡大、水素の新ビジネス展開を考えているとのこと。
藤原氏は、「水素社会をしっかりリードしたい、バリューチェーンに取り組むことで新たなビジネスチャンスを狙いたい」と、国内で初めてグリーン水素の製造から物流・販売までフルバリューチェーンを構築していくことに強い意欲を見せた。




























