ニュース

アルファ ロメオとセーリングチーム「ルナ・ロッサ」がパートナーシップ “特別なモデル”の導入も予告

2025年6月10日(現地時間)発表
アルファ ロメオCEOのサント・フィチリ氏

 2025年で創立115周年を迎えるアルファ ロメオは、6月10日(現地時間)にイタリアのセーリングチームであるルナ・ロッサとの新たなパートナーシップを発表。同日、デジタルプレスイベントが開かれた。

 ルナ・ロッサは、1997年にプラダグループの最高責任者であるパトリツィオ・ベルテッリ氏と造船技師であるゲルマン・フレアーズ氏によって設立されたイタリアのセーリングチームである。

 今回の協業発表では、お互いのブランドロゴをクルマや船に付けるだけにとどまらない、共生的なアライアンスであることが強調された。お互いのノウハウや技術を交換し合い、先進的な素材開発やパフォーマンス管理、データ分析といった分野においても知識を共有するという。

アルファ ロメオとセーリングチーム「ルナ・ロッサ」が新たなパートナーシップを発表

 アルファ ロメオCEOのサント・フィチリ氏は「ルナ・ロッサは、私たちと同じように長年の歴史やスポーツへの情熱、そして明確な未来へのビジョンを持っています。ルナ・ロッサとはたくさんの共通点があり、これ以上にすばらしいパートナーはいません。お互いのレース知識と、エンジニアリングのビジョンが融合することで、魔法のようなことが起こるはずです。そして、それはすでに始まっています」と語った。

 ルナ・ロッサのチームディレクターであるマックス・シレーナ氏は、「アルファ ロメオとは自然な親和性があります。イタリアの伝統があり、情熱や卓越性の追求、そしてブランドを象徴する色である『赤』さえも共通しています。私たちのパートナーシップは、同じ価値観の上に成り立っていて、それは成長を続けています」とコメントした。

 また、「このパートナーシップによって特別なモデルなどは登場するのか?」という質問に対し、アルファ ロメオのグローバルマーケティング責任者であるクリスティアーノ・フィオリオ氏は「答えはもちろん『イエス』です」と回答するとともに、「とても限定的なモデルになると思いますが、2026年の第一四半期には、アルファ ロメオのハイパフォーマンスブランドであるクアドリフォリオのモデルからスタートします。イタリアでは『パワーはコントロールなしでは何の意味もない』というCMがありましたが、私たちが一緒に取り組んでいるプロジェクトでは、強力なエンジニアチームが素材研究に取り組んでおり、パワーとコントロールを両立させることを目指しています。つまり特別なモデルには、セーリングの世界から生まれた素材も取り入れます。さらに2026~2027年にかけて、このパートナーシップから生まれた新たな要素を盛り込んでいきたいと考えています」と述べた。

 さらに「このパートナーシップは、現在アルファ ロメオが単独では達成できていない新たな顧客層を獲得するのに役立つのか?」という質問に、フィチリ氏は「現在アルファ ロメオの販売はとても好調です。最新モデルのコンパクトSUVであるアルファ ロメオ・ジュニアは、現時点で1万4000台以上を販売しており、2024年の業績も良好でした。しかし、常に改善するべき点はあると考えていますし、もちろんこのパートナーシップもそれに役立つでしょう」と答えた。

新型コンパクトSUV「ジュニア」。日本では6月24日に発表することが予告されている

 アルファ ロメオは、パートナーシップの一環として1851年から続く国際的なヨットレースである第38回アメリカズカップでルナ・ロッサの公式スポンサーを務める。また、イタリアで開催される伝統的な自動車レースであるミッレミリアには、プラダのチーフマーケティングオフィサーでWRCに出場経験もあるロレンツォ・ベルテッリ氏とルナ・ロッサのチームディレクターであるマックス氏が、アルファ ロメオ1900スーパースプリントで出場するという。

 今後さらにこのパートナーシップによる新たな試みが行なわれていきそうだ。