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トヨタ独自のAIとガードレール機構を搭載、2028年より市場投入するレベル2++自動運転開発車に少しだけ同乗してみた

トヨタ独自のAIを搭載したレベル2++自動運転実験車。E2Eの自動運転機能を装備する。実験車であるものの、実際の外観を外部に公開するのは欧州が初めてとなった

 トヨタ自動車は8月に、2028年よりレベル2++の自動運転機能を搭載した車両を市場導入することを発表。商用シャトルでは2030年までに完全自律の技術開発を進めつつ、レベル4自動運転を目指し、Waymoとのロボタクシー事業参入も検討していくという。

 トヨタの自動運転については内製で自動運転用のAIを開発。クルマ、インフラ、人の三位一体において「交通事故ゼロ」を目指すことはトヨタとして変わらないが、事故の6割を占めるクルマの部分においてE2E(エンドトゥエンド)の自動運転を自律AIによって導入していくことで事故低減を図っていく。

同乗走行はToyota Motor Europe Technical Centerの構内のみと、限られたエリアで行なわれた

 AI搭載の考え方についても、単にAIだけで走行するのではなく、AIの走行を見守るルールベースのガードレールを導入。AIが想定外の判断・動きをしたときに介入する安全機構として働き、万が一AIが事故を起こした際の原因説明にもなるという。

 AI自動運転においては、VLA(Vision Language Action)モデルの採用、オープンモデルの採用などの動きもあるが、トヨタは独自開発のAI、独自開発のガードレールモデルによってレベル2++のE2Eを搭載したクルマを市場投入していく。

 この自動運転車のベースには、SDVのための統合プラットフォームであるアリーンがあり、トヨタ独自のAIやガードレールに関してはアリーンを介して接続されていると思われる。アリーンを介してAIに接続することで、車載半導体においてもHAL(Hardware Abstraction Layer)が使えるようになり、自動運転パッケージの自由度は高まることになる。具体的なレイヤー構造は発表されていないが、トヨタはアフォーダブルな価格のクルマにもレベル2++のE2Eを提供するとしており、価格柔軟性の高い構成を採用していくものになるだろう。

 このレベル2++のE2E搭載自動運転車に欧州で同乗する機会があった。同乗したのは、Toyota Motor Europe Technical Center構内で、日本で開発中のクルマを数日で適合した仕様になるという。そのため、Technical Center外の一般公道の同乗ではなく、構内のみとなっていた。

 車両の外観は、カメラやレーダーに加えLIDARを搭載したものとなっており、開発車両らしくさまざまな可能性を模索している。実際の走行は、構内の走行のためアクシデントはあらかじめ用意したものとなり、それらについては着実に対処できていた。

 記者自身は、日産の英国Wayve AI採用の次世代プロパイロット搭載車や、NVIDIAがメルセデス・ベンツと開発中のAlpamayo搭載車に公道で同乗試乗したことはあるが、構内の同乗試乗となると「がくがくせず動いていた」という感想になるだろうか。

 周囲をセンサーフュージョンで判断しており、トヨタ独自のAIで構内を走行できることは分かったものの、ガードレール機構が働くほどのアクシデントは起こらず想定内の同乗試乗と言える。

 もちろん、これは日本で開発中の車両を急遽欧州に持っていったことや、投資家向け技術説明会での同乗となるため、絶対に失敗できないといった背景があり、逆にその状況でありながら適合まで持ってきた技術陣をほめるべきである。

 日産がすでに銀座など都内を中心に同乗試乗を行なっていることを考えると、トヨタについてもリアルな空間での同乗試乗開始に期待したい。特に独自AI、独自ガードレール機構を備えることから、トヨタがレベル2++のE2E自動運転搭載車をどのように実現していくのかは、今後のアリーンの採用の広がりとともに注目すべき所だろう。