2015年に電動自動車市場は6倍に拡大 富士経済「電動自動車関連市場の全貌 2009」より |
富士経済は、電気自動車とその部材、設備などを含めた市場調査「電動自動車関連市場の全貌 2009」を6月18日に発売した。価格は10万1850円。
これによると、電気自動車、燃料電池車、ハイブリッド車、電動オートバイなどを含めた「電動自動車」と、主要部品、部材の世界市場の推移は次のとおり。2015年には車両、部品・部材とも2008年の約6倍の市場規模に拡大すると予測している。
2008年 (実績) | 2009年 (見込み) | 2010年 (予測) | 2011年 (予測) | 2015年 (予測) | |
電動自動車 | 2兆149億 1000万円 | 2兆5813億 4500万円 | 3兆7169億 5000万円 | 5兆3899億 5000万円 | 12兆1465億円 |
主要部品・部材 | 2772億 6400万円 | 3709億 6000万円 | 5480億 7000万円 | 7426億 3000万円 | 1兆6518億円 |
この調査では電動自動車を「マイルドハイブリッド車」(ホンダ「インサイト」など)「ストロングハイブリッド車」(トヨタ「プリウス」など)「電気自動車」「電動オートバイ」「シリーズ式ハイブリッド車」「プラグインハイブリッド車」「燃料電池車」に分けており、各タイプごとの2015年までの推移は次のとおり。
出典:富士経済 |
電動自動車市場はハイブリッド車が市場を牽引する。当面はすでに市場で普及しているストロングハイブリッド車のシェアが大きいものの、2015年には安価で軽量・コンパクトなマイルドハイブリッド車がストロングハイブリッド車を逆転する。
三菱「i-MiEV」で市場が作られる見込みの電気自動車は、ガソリンスタンドや時間貸駐車場での充電サービスなどのインフラ整備と、バッテリーのコストダウンにより、用途が街乗りから拡大されることが期待される。また、ランニングコストメリットがあるため、イニシャルコストが下がればカーシェアリングサービスで採用が増えるとしている。
燃料電池車は価格の高さがネックとなり、2020年までは本格的な市場が形成されないと見ている。
バッテリー市場は、2015年には5000億円(2008年比5.6倍)、4億2300万個(2008年比4.4倍)に拡大する。金額に比して個数の伸びが弱いのは、リチウムイオン電池の採用が進むため。リチウムイオン電池はニッケル水素電池よりも充電効率が高く、少ない個数で運用できるが、価格が高い。このため2015年でも低価格車には依然ニッケル水素電池が採用されると予測している。
このほか、電気自動車の充電設備を備えた住宅が販売されており、将来は電気自動車は深夜電力や太陽発電電力などの「蓄電装置」として、燃料電池車は「発電装置」として、それぞれ家庭に電力を供給する役割が期待されるとしている。
(編集部:田中真一郎)
2009年 6月 18日