総務省、低公害車普及政策の評価を公表
目標5万台の燃料電池車は42台にとどまる。目標や政策の改善を勧告

2009年6月26日公表


 総務省は6月26日、低公害車の普及に関する政策の評価をまとめた「世界最先端の低公害車社会の構築に関する政策評価」を公表した。

 この政策評価は、経済産業省、国土交通省および環境省が2001年7月に策定した「低公害車開発普及アクションプラン」、および総務省、経済産業省、国土交通省および環境省が2004年度より推進している「世界最先端の低公害車社会の構築に関する政策」において、効果などの総合的な観点から評価を行ったもの。低公害車開発普及アクションプランでは、2010年度までに実用段階にある低公害車をできるだけ早期に1000万台以上、燃料電池車を5万台普及させることを目標としていた。

 このうち、低公害車については2005年度に1000万台に達し、2007年度末には1646万9923台に増加。CO2排出量が自家用乗用車で6.2%、貨物車排出量で5.6%削減されたとしており、一定の政策効果が発現したとしている。しかしながら、低公害車のうち「低燃費かつ低排出ガス認定車」が1601万8282台で97%を占めており、2007年度末でCNG自動車が2万2361台、電気自動車492台、メタノール自動車が17台、ハイブリッドカーが42万8771台となっている。このうち、CNG貨物車については導入費や燃料供給設備設置費の補助制度の周知を行う必要があるとしているほか、電気自動車およびハイブリッド貨物車等については、蓄電池の性能向上や小型・軽量化、家庭用電源での充電の実現、走行可能距離が伸びた、などの成果によって生産増加に伴う低価格化による普及拡大が形成される基盤が整いつつあるとしている。

 一方、燃料電池車については、2007度末時点での保有台数が42台にとどまっており、政策目標と実際の状況にかい離が生じていると指摘。燃料電池車自体についても、価格が高い、燃料電池の耐久性がないなどの課題が解消されておらず、本格的な実用化の段階にないと評している。加えて、2004年度~2007年度までに総額約197億円の予算が投じられているにも関わらず、予算に見合った結果が得られていないこと、政策目標の設定方法に課題があることも指摘している。

 これらの評価を踏まえて総務省は、関係省庁に低公害車の普及をより効果的かつ効率的で実効性のあるもとするため、政策目標を含めた政策体系の再構築を勧告。あわせて、低公害車ごとの特性に見合った事業を連携して検討すること、電気自動車および燃料電池車の事業をより効果的で実効性のあるものとすること、施策について適切な指標を設定し定期的に見直しを行うこと、も勧告している。


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2009年 6月 26日