「東京キャンピングカーショー」リポート 高速上限1000円化も手伝って、人気沸騰のキャンピングカー |
キャンピングカーの展示即売会「東京キャンピングカーショー」が7月25日、26日に東京ビッグサイト(東京国際展示場)で開催された。
5回目となる今回は、東京ビッグサイトでの初の開催となり、キャンピングカーを製作するコーチビルダーなど全54社が出展、展示車両は108台と過去最高の規模となった。ここ数年密かにブームとなっていたが、高速道路の上限1000円化も追い風となって、さらに人気が増している。
会場でも熱心に展示車両を見学したり話を聞いたりしている来場者は多く、また、ペット連れで来ている人も目立っていた。最近ではペット同伴可の宿も増えてきたとは言え、気兼ねなくペットを連れて旅行に出かけられるキャンピングカーは、ペット連れにとっても強い味方なのかもしれない。
そんな人気急上昇中のキャンピングカー。軽自動車をベースにした物から、トラックやバスをベースにしたものまで、サイズも形もさまざまだが、ここではそんなキャンピングカーを、タイプごとに紹介する。
■軽自動車キャンピングカー
駐車場のサイズも困らず、価格も手ごろとあって、最近人気が高いのが、軽自動車をベースにしたキャンピングカー、通称「軽キャンパー」。折りたたみ式の2段ベッドなどで4人就寝を可能にしたものもある。
■トラベルバンコンバージョン
ミニバンやワゴンなどをベースにしたもので、通称「バンコン」。軽自動車よりもスペースが広く、それでいて乗用車サイズなので、取り回しも楽とあって初心者にも人気が高い。ハイエースをベースにしたものが特に種類が多い。
■キャブコンバージョン
トラックのキャビン(荷台)部に居住スペースを架装したキャンピングカーで、通称「キャブコン」。ベース車両のボディー形状にとらわれず製作できるので、スペースとレイアウト面で有利。また外壁も専用のものとなるので、断熱効果が高いというのも利点。
トヨタ「カムロード」ベースのキャブコンナッツRV「ミラージュX グランデ」。547万7850円~ | バンコンと比べるとサイズにゆとりがあるキャブコン | シンクの下に冷蔵庫を装備 |
後部の常設ベッドは、いちいちシートアレンジする必要がないのがメリット | 運転席上部にもベッドができる | フリースペースは着替えスペースやトイレとしても活用できる |
■バスコンバージョン
バスやマイクロバスをベースに架装したもの。通称「バスコン」。そのサイズの大きさが最大の魅力。キャンピングカーの場合、ボディーが大きくても乗車定員が10名以下ならば普通車の扱いとなるため、普通免許で運転でき、また、上限1000円などの普通車以下限定のETC割引も適用される。
日野リエッセIIをベースにしたバスコン、RVビックフット「エポックミュー 2ルーム」価格は786万7600円~。乗車定員10名なので免許も高速料金も「普通」でOK | キャビンを運転席から見たところ。名前のとおり、手前のダイネットと奥のベッド部で2ルームになっている | 前方の部屋には大人4人が座れる対座型ダイネット |
後方の部屋にはベッドとダイネットが設けられる | 冷蔵庫やシンク、電子レンジも用意される |
■フルコンバージョン
フレームやエンジン、駆動系など以外はすべて架装メーカーが製造したもの。通称「フルコン」。輸入車が多いが国内で製造している架装メーカーもある。
ドイツのハイマー「B655SL エレガンス仕様 2010モデル」。価格は1930万3320円 | キャブコンよりもさらに広い室内 | 後部にはゆったりとしたベッド。ベッドの下は収納スペースになっている |
シャワーに洗面所、トイレも完備 | シンクに3口のコンロも装備する | 電子レンジや冷蔵庫も装備。冷蔵庫も比較的大型だ |
■トラベルトレーラー
普通車やトラックなどで牽引するトレーラーにキャビンを架装したもの。サイズは大きい物から小さい物までさまざま。高速道路での扱いは、牽引する車の1つ上のサイズになるため、牽引する車が普通車でも中型車料金の扱いとなり、上限1000円のETC割引は対象外になる。またトレーラー自体の車重が750kgを超える場合、牽引免許(ライトトレーラー免許で2tまで牽引できる)が必要となる。
ドイツのメーカー、ハイマーの「Puck230GT」。車重700kgで価格は271万9500円~ | ルーフ部がポップアップすることで、室内の頭上高さを確保 | 大きめのガスコンロや冷蔵庫にシンク。収納も豊富で使いやすそうだ |
(瀬戸 学)
2009年 7月 29日