ブリヂストン、「超低燃費タイヤ用ゴム材料の研究開発」がNEDO技術開発機構に採択
「平成21年度ナノテク・先端部材実用化研究開発」のテーマとして

「NanoPro-Tech」を採用した「ECOPIA EP100」

2009年8月18日発表



 ブリヂストンは8月18日、同社の「三次元ナノ階層構造制御による超低燃費タイヤ用ゴム材料の研究開発」が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)による「平成21年度ナノテク・先端部材実用化研究開発」のテーマに採択されたと発表した。NEDO技術開発機構とは、日本の産業技術とエネルギー・環境技術の研究開発、およびその普及を推進する、日本最大規模の中核的な研究開発実施機関のこと。

 ブリヂストンでは、ナノ階層構造制御により、現行の乗用車用タイヤと比べ、転がり抵抗を50%低減、耐摩耗性を25%向上を実現するゴム材料の研究開発を行っており、3年後に研究成果を発表する予定だと言う。

 同社によれば、原材料から廃棄までのタイヤのライフサイクルの中で、各段階におけるCO2排出量を算出すると、製品の使用段階が87%と大半を占めているとのこと。このため、転がり抵抗を低減したタイヤの開発は、環境問題に対して大きく貢献できるとしている。

 同社ではこれまでにも、分子構造設計等を通して材料の微細構造を制御し、必要特性を引き出す技術「NanoPro-Tech(ナノプロ・テック)」を開発しており、それを採用した省燃費タイヤ「ECOPIA(エコピア)」ブランドを広く展開している。これらの技術搭載を拡大することで、国内の乗用車向け市販用タイヤ(夏用)は2014年に100%「エコ対応商品」にする方針だと言う。また、今回、当研究がNEDO技術開発機構にて採択されたことで、環境問題に貢献するためのタイヤの技術開発が大きく進展するだろうとしている。

(瀬戸 学)
2009年 8月 18日