アウディ ジャパン、坂本龍一 欧州ツアーの「カーボンオフセット・スポンサー」に
100周年記念写真展「100歳の夢を叶える」も

坂本龍一氏(左)とドミニク・ベッシュ社長

2009年9月8日発表



 アウディ ジャパンは9月8日、坂本龍一氏の欧州コンサートツアー「Ryuichi Sakamoto Playing the Piano 2009 Europe」に協賛すると発表した。また、アウディの創立100周年記念事業として「アウディ100周年 100歳の夢を叶える」を行い、その模様を記録した写真展を開催する。

ツアーで排出される30トンのCO2をオフセット
 坂本氏の欧州ツアーは、10月7日の独ベルリンから12月2日の英エディンバラまで、約2カ月間、6カ国28公演が予定されているが、その移動時に排出される30トンのCO2オフセットを、アウディ ジャパンが負担する。

 カーボンオフセットは、CO2の排出量に相当する金額を支払って、植林やグリーン発電などに貢献してCO2の排出を相殺する仕組み。ツアーのオフセットは、株式会社リサイクルワンが提供するソリューションを使用する。

 9月8日、東京 表参道のショールーム「アウディ フォーラム東京」で開かれた記者会見では、同社のドミニク・ベッシュ社長が「坂本氏とアウディは、“既成概念への挑戦”と“環境への配慮”の2点で一致している」と述べると、坂本氏が「環境問題が複雑になっている今、やれることはなんでもやらなければならないので、僕もコンサートやアルバムをカーボンフリーにするなど、できる努力をしている。日本ではまだカーボンオフセットについてよく知られていないが、アウディ ジャパンは企業として先進的にカーボンオフセットに取り組んでいる」と応え、両者の接点が環境問題にあることをアピールした。

 また坂本氏は「アウディという車はかっこいいが、その元には確かな技術やクラフトマンシップがあり、“ものづくり”への姿勢は音楽にも通じる」と、アウディの自動車事業への姿勢にも共感していることを明らかにした。

 アウディは同社のラインアップにカーボンオフセットプログラムを提供しており、8月29日、30日に箱根で開かれたコンサート「Audi MUSIC meets ART」でも、このコンサートで排出されたCO2のオフセットを負担し、来場者に寄付を募るなど、カーボンオフセットの啓蒙と実践を積極的に行っている。また坂本氏は、同氏が設立したレーベルから発売するCDをすべてカーボンフリーとし、コンサートにグリーン電力を使うなどの活動を行っている。

 これに伴って同社は、同社とアウディ フォーラム東京のホームページ、さらに独Audi AGのインターネットTV「Audi tv」で、ツアーの模様を紹介する。さらに後述する写真展の期間は、アウディ フォーラム東京に坂本氏の演奏を収録した自動演奏ピアノを置き、代表曲を流す。

左から坂本氏、館岡寿美子さん、曻地三郎さん、ベッシュ社長

100周年記念に100歳を祝う
 「アウディ100周年 100歳の夢を叶える」は、100周年にちなんで、100歳のお年寄り2人の夢を叶えるというもの。100歳の館岡寿美子さんは「まだ会ったことのないひ孫に会いたい」と「30年前に亡くなったご主人とよく行った築地の寿司を食べる」の2つを、103歳の曻地(しょうち)三郎さんはご自身が実践されている「習慣健康法」を世界に広めることを、ともにサポートした。

 この模様を写真家の小野庄一氏が撮影し、9月21日~29日の間、アウディ フォーラム東京で写真展を開く。小野氏は100歳以上の人の写真を撮ることをライフワークとしており、その功績が認められ「太陽賞」(平凡社による権威ある写真賞)を受賞している。

 アウディ フォーラム東京では、前述の坂本氏のツアーの記者会見に引き続き、館岡さんと曻地さんのおふたりが登場。館岡さんは現在でも琴をたしなまれるということで、演奏の模様をビデオで紹介。「グルーブがある。バックビートが効いていて、リズム感がすばらしい。僕も100歳で弾けるでしょうか……無理かな」と同席した“世界の”坂本氏から賞賛を受けた。

 曻地さんは現役の教育学博士として現在も世界各地で講演活動を行っている。会見では「九州ではおめでたいときに踊る」という黒田節の舞を披露し、アウディの100周年を祝福した。

琴の演奏を披露する館岡さんのビデオ。教授もその腕前を賞賛ひ孫(0歳)を見て喜ぶ館岡さん
現役教育学博士の曻地さんは赤い衣装で登場。教授もたじたじの能弁を見せた締めくくりは曻地さんの黒田節

(編集部:田中真一郎)
2009年 9月 9日