SUPER GT第7戦富士が明日から開幕。荒選手、柳田選手、クレインズが来社
チャンピオン争いにとって大事な1戦

SUPER GT第7戦富士のプロモーションで編集部を訪ねてくれた、柳田選手(左)と荒選手(右)、イメージガールのクレインズの3人。左からますあやさん、布施曜子さん、秋葉みきさん

2009年9月12日(予選日)
2009年9月13日(決勝日)



 SUPER GTは前戦の「インターナショナル ポッカ GT サマースペシャル」で6戦目を終え、残すところ3レースとなった。混沌としてきたチャンピオン争いの行方など、ますます目が離せないシーズンとなりつつある。次戦となる第7戦は、今週末の9月12日、13日に富士スピードウェイで開催されるが、この第7戦ではこれまで獲得ポイント×2kgを積むことになっていたウエイトハンデが半分となり、勢力図も大きく変わりうる、要注目のレースとなる。

 明日より開催される第7戦を前に、GT500クラスでHIS ADVAN KONDO GT-Rを駆るKONDO RACINGの荒聖治選手、GT300クラスでエスロード MOLA Zを駆るTEAM NISHIZAWA MOLAの柳田真孝選手の両ドライバーに加え、富士スピードウェイのイメージガールである「クレインズ」が編集部を訪れてくれたので、SUPER GT 第7戦 FUJI GT300kmレースの見どころをうかがった。

今シーズンをベストなシーズンと表現した荒聖治選手。ジョアオ・パオロ・オリベイラ選手とペアを組んで戦っている

ウエイトハンデが半分になり、抜きつ抜かれつの面白いレースが実現する
 今シーズンを“ベストなシーズン”と表現するのは、KONDO RACINGの荒聖治選手。近藤真彦氏がチームオーナーを務めることで知られるKONDO RACINGは今期絶好調と言ってもよく、開幕戦で優勝したほか、ウエイトが重くなっても上位でフィニッシュするレースを続けている。今回のFUJI GT300kmの目標は「とにかく勝ちたい。チャンピオン争いを見据えると、このレースは非常に重要だと考えている」(荒選手)とのとおり、残り3戦となる中で、1レース、1レースが重要になるなか、必勝を期している。

 特に今回はウエイトハンデが従来の半分(第6戦まではポイント×2kgのウエイトだったのが、ポイント×1kgと半分)になるため、「ウエイトが半分になることで、各車の差は小さくなり、より抜きつ抜かれつのレースが増えるだろう」(荒選手)とのとおり、ウエイトの差が減ることで各車の性能差も小さくなり、レースでのオーバーテイクのチャンスが広がる。特に、富士スピードウェイは世界でも屈指の2km近いストレートがあるので、これを利用した抜きつ抜かれつのオーバーテイクショーが繰り広げられる可能性は高いと言える。

 「自分も若い頃、旧コースだった富士スピードウェイの最終コーナーでGT-Rがコーナリングしていくのを見て、それにあこがれてレーサーになった。ぜひ、実際のサーキットに来て、その音とか迫力とかを実感してほしい」(荒選手)と、レースを見に行くことの楽しさをアピールしてくれた。

荒選手が駆るのは、HIS ADVAN KONDO GT-R。今シーズンは開幕戦の岡山で優勝するなど、富士での活躍にも期待がかかる
柳田真孝選手は、その名前から“マークン”と呼ばれることが多い。実際荒選手もそのように呼びかけていた。しかし、その愛称とは裏腹のアツイ走りには要注目

前戦の再現なるか。エスロード MOLA Zの柳田真孝選手
 鈴鹿サーキットで開催された、インターナショナル ポッカ GT サマースペシャルのGT300クラスで劇的な優勝を遂げたのが、TEAM NISHIZAWA MOLAのエスロード MOLA Zだ。残り1周と少しというタイミングで劇的なオーバーテイクを見せて優勝をもぎ取ったのが柳田真孝選手。「今シーズンは序盤はあまりうまくいかないレースが続いて苦しかった。しかし、前戦ではよい状況が巡ってきて優勝することができた」と、滅多に見ることができない目が覚めるようなオーバーテイクにもちょっと謙遜気味だった。

 柳田選手のチームメイトは星野一樹選手だが、柳田選手によると「若い頃、NISMOで一緒にアルバイトさせてもらっていた頃からの仲。お互い言いたいことも言えるし、相手をいじったりとかもできる(笑)。そうした意味でチームワークはよいと思う」とのことで、コンビネーションにもなんの問題もなさそうだ。

 柳田選手によれば、GT300クラスの競争はGT500と同じぐらい厳しいのだと言う。「GT300では実に多種多様な車が走っている。そのため車の性能差は大きく、ストレートだけ速い車、コーナーがやたらと速い車とあるので、抜きつ抜かれつになりやすい」(柳田選手)と、GT300でもたくさんのオーバーテイクを見ることができそうだと語ってくれた。

 柳田選手によると、やはりストレートの長い富士スピードウェイなので、ストレートの速い車が有利であるとのことだが、エスロード MOLA Zは「あんまりストレートのスピードは重視していない」とのことなので、さほど有利なサーキットではなさそうだというのがご本人の見立て。しかし、ファンとしては前戦の鈴鹿で見せてくれたような鮮やかなオーバーテイクの再現に期待したいところだ。

前戦の鈴鹿で見事優勝したエスロード MOLA Z。富士の長いストレートはやや不利とのことだが、その分各コーナーでの走りに期待したい

予選終了後にはサーキット宿泊可で、ナイトシアターなどのイベントも用意
 最後にイメージガールのクレインズから、SUPER GT第7戦 FUJI GT300km RACEでのイベントのお知らせがあった。

 布施曜子さんは「今年のFUJI GT300kmレースでは、予選日の夜にサーキットの中で宿泊することができます。キャンプしたり、車の中に泊まっていただいたりすることが可能です」とアピールしてくれた。なお、直火でなければバーベキューもできるそうなので、アウトドアを楽しむ感覚で行ってみるのも楽しそうだ。

 ますあやさんは「去年から行っているのですが、予選終了後にナイトシアターを上映する予定です。予選終了後サーキットに残られる方はぜひ楽しんでください」とアピールしてくれた。なお、今年のプログラムは「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」になるとのことだ。

 秋葉ミキさんは「レース終了後にコースウォークを行います。表彰式に参加したり、消火活動の体験などに参加したりできるので、ぜひ参加してください」と、レース後のコースウォークをアピールしてくれた。レース後にはサーキットから帰る車で混雑する可能性があるので、まずはコースウォークなどに参加して少し時間をおいてから帰るのがお勧めだ。

 なお、サーキットにおけるそのほかのイベントに関しては、関連記事に詳しいので、記事下の関連記事リンクを参照してほしい。

 2人のドライバーが語ってくれたように、ウエイトハンデが半分になる今回のレースは、今シーズンのターニングポイントとなる可能性が高く、このレースの結果によってはチャンピオン争いの流れも大きく変わる可能性がある。そうしたレースそのものの魅力も非常に高く、かつ子供連れでも楽しめるようなイベントがたくさん用意されていることもあり、ぜひとも実際の現場へいってレースやイベントを楽しんでみてほしい。

(笠原一輝)
2009年 9月 11日