NEXCO東日本、東北道 羽生PA(下り)に「Pasar羽生」を11月18日オープン
和風モダンな施設を事前公開

東北道 羽生PA(下り)にオープンする「Pasar羽生」

2009年11月18日10時オープン



 NEXCO東日本(東日本高速道路)は11月16日、18日10時にオープンする「Pasar(パサール)羽生」の内覧会を報道陣向けに開催した。Pasarとは、“パーキングエリア”のPAと、“サービスエリア”のSAと、リラクゼーション(Relaxation)・休憩(Rest)のRを組み合わせた造語で、スペイン語で「立ち寄る」「時を過ごす」、インドネシア語で「市場」を意味すると言う。すでに昨年、京葉道路の幕張IC(インターチェンジ)~武石IC間の幕張PA(上り、下り)に「Pasar幕張」がオープンしており、Pasarコンセプトの施設としては2例目となる。

 Pasar羽生がオープンするのは、東北自動車道 羽生IC~館林IC間にある羽生PA(下り)内。首都圏から近い東北道の休憩施設と言えば、岩槻IC~久喜IC間にある蓮田SAが思い浮かぶが、蓮田SAは南北に細長いSAで、観光バスや大型トラックを多数駐車するのが難しく、広い駐車場エリアを備えていた羽生PAがPasarの設置場所に選ばれたとのことだ。

Pasar羽生のコンセプトについて説明する館長の伊東琢男氏。伊藤氏はPasar羽生を“えきなか”ならぬ“みちなか施設”と位置づけていると語り、多くの旅行者に利用してもらえればと語った

 内覧会で、挨拶に立ったPasar羽生館長の伊東琢男氏はコンセプトを「東北道における旅の始まりを“洗練された粋な和風モダン”で表現したもの」と語り、そのデザインもホテル「ザ・ペニンシュラ東京」のデザインを手がけた橋本夕紀夫デザインスタジオに協力してもらったと言う。これから北へ旅立つ旅行者へ、ゆったりとしたひとときを過ごしてほしい場所と位置づけ、館内をカフェ・レストラン、フードコート、ショッピングコーナーの3エリアに分け、館内の中央には“へそ的な意味”から囲炉裏をモチーフにした座席を用意したと述べた。


Pasar羽生の館内図。左側(南側)がカフェ・レストランエリア、中央がフードコートエリア、右側がショッピングコーナーになっているPasar羽生は、Pasarプロジェクトの第2弾としてオープンする施設。12月には、関越自動車道の三芳PA(上り)にPasar三芳がオープンするNEXCO東日本はトイレの質の向上に力を入れており、Pasar羽生でも木の素材を活かした清潔感のあるトイレに
Pasar羽生の中央にある、囲炉裏をイメージした座席。館内は、木の素材が多用されており、和風モダンを具現化しているフードコートの客席。全体的に明るいイメージで統一されている

味にこだわる店舗が並ぶフードコートやレストラン
 Pasar羽生のウリは、味にこだわったレストランや食堂などが建ち並ぶこと。フードコートでは、みそカツ丼などさまざまなカツ丼を取りそろえる「どんぶり道場」、東京 新橋のカレー専門店が高速道路に初出店した「新橋清月堂カリカル」、長崎県佐世保市名物のバーガー「ROYAL佐世保バーガー」、埼玉県産の小麦を使ったうどん・そば店「羽生製麺所」、ちょっと辛めの本格担々麺「胡麻唐屋」、埼玉県のB級グルメをそろえる「美彩屋」が軒を構える。いずれも素材や味にこだわり、店舗によっては地元埼玉県の食材を取り入れているのが特徴になる。

どんぶり道場。各種のカツ丼を取りそろえている。「秘伝のたれかつ」や名古屋の八丁味噌などを使った「味噌かつどんぶりが」人気とのことどんぶり道場の「卵とじかつ」
新橋清月堂カリカル。新橋以外に店舗を出すのは初めてという、1958年創業の老舗カレー店カリカルの「印度カレー」。香辛料がしっかり効いており、やや辛め。カリカルのお勧めカレーとのこと
羽生製麺処。厳選した埼玉県産の小麦「あやひかり」を用いた生地を店内で伸ばして、ゆであげる。だしも、鰹・宗田・さば節を用いて、秘伝の配合で調理「かけうどん」と、「えび天」。従来のSAやPAのうどんとは比べものにならないほど、本格的な味がした
担々麺の胡麻唐屋。白胡麻、黒胡麻など、ピリ辛担々麺を各種用意「黒胡麻担々麺」。胡麻唐屋で一番人気の担々麺と言う。さらに辛いものが好きな人は、真っ赤な「紅大陸担々麺」を頼んでみよう
埼玉県のキャッチフレーズは彩の国。その彩の国のB級グルメを販売する美彩屋「ゼリーフライ」や、「とまとルンルン揚げ餃子」などB級グルメ品をラインアップ

 レストランとしては、東京 神田の洋食レストラン「須田町食堂」が入り、ハンバーグやオムライスなど、昔ながらの洋食を楽しむことができる。

 カフェは、多くの高速道路のSAやPAで見かけるようになってきた「スターバックス コーヒー」のほか、仙台銘菓「萩の月」で知られる菓匠三全が「ずんだ茶寮Cafe」出店。ずんだとは枝豆のことで、ずんだパフェなど独特の和のスイーツが味わえる。

町の洋食屋という雰囲気の須田町食堂須田町食堂の店内は、明るい雰囲気。ドリンクバーも用意される自家製デミグラスソースで味付けされた特製ハンバーグ
須田町食堂を一歩外へ出ると、スターバックス コーヒーとずんだ茶寮Cafeが軒を並べるずんだ茶寮Cafeのパフェ2種。左がいもを使った「金時いもパフェ」で、右がずんだを使った「ずんだ白玉パフェ」。「ずんだシェイク」なども用意されている

東京の銘菓をふるさとのおみやげに
 Pasar羽生では、従来の売店エリアも大幅にリニューアルしている。炊きたておこわやお弁当などを販売する「おこわ米八」、焼きたてパンを販売する「ドンク・ミニワン」のほか、ショッピングエリアに洋菓子の「モロゾフ」、和菓子の「御菓子司 築地ちとせ」が出店。モロゾフではPasar羽生限定のスイーツや旅行に便利なお菓子の詰め合わせを用意し、築地ちとせでは女性に人気の「ばいさくいも」や「かりんとう」などを取りそろえている。

 これからふるさとに向かう旅行客が多いことから、おみやげ店の「旬撰倶楽部」では、東京の銘菓や地元埼玉の名物を数多く取りそろえるなどの工夫がされており、コンビニエンスストアの「ファミリーマート」でも通常の商品ラインアップのほかに、カー用品やワッフルが販売品目として用意されていた。

定番のお赤飯から季節のおこわまで、各種のおこわを販売するおこわ米八焼きたてパンを扱う店はSA/PAで増えてきているが、ドンク・ミニワンはミニクロワッサンなどが人気のパン屋。カップホルダーにセットしやすい、ドライブパックも用意する
洋菓子店のモロゾフ。Pasar羽生限定のスイーツ商品などを用意するモロゾフが用意する「レジャーメイト」。チョコレートなどお菓子の詰め合わせ。ドライブ中の持ちあるきに便利なように、人気のお菓子がパックされている
かりんとうで知られる御菓子司 築地ちとせ。モロゾフと向かい合わせに出店しており、和菓子と洋菓子を自由に選べる女性の人気が高いと言うばいさくいも。味もさっぱりしており、和菓子ならではのあっさりした甘さ築地ちとせの定番商品であるかりんとうも各種用意。手軽なサイズのため、おみやげとして大人気。山葵(わさび)がとくに人気と言う
各種東京みやげを取りそろえる旬撰倶楽部。ふるさとへのおみやげは、ここで購入しておきたい旬撰倶楽部では、埼玉銘菓も用意。これは、加須の「五家宝」。きなこともち米を使ったお菓子旬撰倶楽部では、醤油など地元の調味料も用意。これは、埼玉県神川町の手作りマヨネーズ「松田マヨネーズ」。砂糖の代わりにはちみつを使っており、まろやかな味わいだと言う
コンビニエンスストアのファミリーマート。もちろん24時間営業。Pasar羽生ならではの商品として、各種のおみやげ物や、カー用品を取りそろえている

11月18日からはオープニングイベントも
 Pasar羽生では、11月18日10時のオープンにあわせて、オープニングイベントも用意されている。初日となる18日の10時からは、Pasarのイメージキャラクターである加藤あいさんがオープニングセレモニーに訪れるほか、各種のパフォーマンスイベントなどが用意されている。18日~23日に2000円以上購入すると、抽選でiPod nanoなどが当たるチャンスも。また、最初の3連休となる21日~23日には、ケロロ軍曹(21日)、仮面ライダー電王(22日)、ヤッターマン1号・2号(23日)が訪れる。

 Pasar羽生となって、大きく生まれ変わった羽生PA。東北方面に出かける際は、ぜひ立ち寄ってみてほしい。

Pasar羽生のオープンを知らせるポスター。オープニングイベントの告知も掲示されていたこちらは、同時に掲示されていた12月16日にオープンする関越道のPasar三芳のポスター

(編集部:谷川 潔)
2009年 11月 16日