メルセデス・ベンツ、ブロウンGPを買収
ワークスチーム「メルセデス・グランプリ」として参戦

メルセデス・ベンツが公開した画像

2009年11月16日(現地時間)発表



 ダイムラーAGは11月16日(現地時間)、F1チーム「ブロウンGP」を買収すると発表した。来期からはメルセデス・ベンツのワークスチーム「メルセデス・グランプリ」として、F1に参戦する。

 ダイムラーAGは、ダイムラーAGの単独での最大株主であるアーバル・インベストメントと共同で、ブロウンGPの株式の75.1%を取得する。うち、41.1%がダイムラーAG、30%をアーバルが保持する。

 ブロウンGPの首脳陣はメルセデス・グランプリに留任、これまでどおりロス・ブロウンのリーダーシップのもと、チームを運営する。本拠地も英国ブラックリーのままとなる。またメルセデス・ベンツのモータースポーツ部門を率いるノルベルト・ハウグは、エンジンを開発するメルセデス・ベンツ・ハイパフォーマンス・エンジンズと、メルセデス・グランプリをコーディネートする。ドライバーについては発表されていない。

 ダイムラーAGはこの決定の背景に、F1のコスト削減と、新しいコンコルド協定によりより高い収入がチームに入ることがあるとしている。また、メルセデス・ベンツ・ブランドのモータースポーツ・マシン「シルバーアロー」の75周年に「参戦するレースのほとんどに勝利することで時代に足跡を印すというシルバーアローの完璧なスタイルで、その伝統を継続し、シルバーアローのモーターレーシングにおける歴史をよみがえらせる」とその目標を述べている。

 1995年から15年間継続してきたマクラーレンとのパートナーシップは解消、ダイムラーAGはマクラーレンの株式の40%を保有しているが、これを2011年までにマクラーレン・グループが買い戻す。ただし、マクラーレンへのエンジン供給は2015年まで続ける。

 マクラーレンとメルセデス・ベンツは15年の間に、256戦に出場。60勝を上げ、3回のドライバーズ選手権と1回のコンストラクターズ選手権を獲得した。

 ブロウンGPは、2008年のホンダF1撤退に際し、首脳陣がチームを買い取ることでF1参戦を継続したもの。参戦初年度の2009年にドライバーズとコンストラクターズ両方の選手権を獲得した。

 F1では、2008年のホンダに始まり、2009年にはBMW、トヨタと、自動車メーカーの撤退が相次いでおり、ルノーも撤退を検討中とされている。

(編集部:田中真一郎)
2009年 11月 17日