スズキは12月16日、軽自動車の「アルト」をフルモデルチェンジして発売した。価格は乗用車タイプのアルトが73万2900円～115万7100円。商用車タイプのアルト バンが67万7250円～88万4100円。

　アルトは、1979年5月に軽ボンネットバンとして初代モデルを発売。全国統一価格47万円ということもあり大ヒット。女性を主な顧客層とする軽自動車の新しい市場を開拓した。

　7代目となる新型アルトは、「省資源・低燃費で気軽に使え、世代を超えて愛される軽自動車」をコンセプトとして開発。ポイントとなる燃費性能では、CVTの2WD（FF）車で10･15モード燃費24.5km/L、4速ATの2WD車で22.5km/Lを達成している。

　エクステリアデザインは、丸みをおびたフロントフェイスなど、親しみやすいデザインにしたと言う。また、インテリアデザインについても、ベージュとブラウンの配色により優しく柔らかな印象を、横基調のインストルメントパネルにより広さを表現したとしている。

　ボディーサイズは3395×1475×1535～1545mm（全長×全幅×全高）で、ホイールベースは2400mm。車両重量は710～810kg。2400mmのホイールベースにより、ゆとりある快適な室内と、しっかりした走り、快適な乗り心地を実現したと言う。ボディーカラーには、新色の「シャイニーグリーンメタリック」をはじめとして、全6色を設定。全車、軽量衝撃吸収ボディーTECT（テクト）と歩行者傷害軽減ボディー採用し、セキュリティアラームシステム（Eを除く）を標準装備する。

X（シャイニーグリーンメタリック）	X（エアブルーメタリック）	G（ミルクティーベージュメタリック）
F（マルーンブラウンパール）	E（シルキーシルバーメタリック）

横基調デザインのインストルメントパネル
メーターは大型1眼メーターを採用。スピードメーター下部の液晶パネルは、トリップメーターや燃費（瞬間・平均）、航続可能距離を表示できる	ベージュとブラウンで構成されたインテリア。インテリアカラーはこの1種類のみ

リアシートは5:5の分割可倒式

　搭載されるエンジンは、VVT（可変バルブタイミング）付きの直列3気筒 DOHC 660ccエンジンを全車に採用、インテークマニホールドの変更などにより吸気効率を高めており、最高出力は40kW（54PS）/6500rpm、最大トルクは63Nm（6.4kgm）/3500rpmを発揮する。組み合わされるトランスミッションは、CVT、4速AT、5速MTの3種が用意され、CVTは「パレット」で初搭載された、副変速機構付のCVTを採用している。

　サスペンションは、フロントがLアーム＋サスペンションフレーム構造を採用したマクファーソンストラット。リアがショックアブソーバーやトレーリングアームの取り付け位置を最適化したI.T.L（アイソレーテッド・トレーリング・リンク）を用いている。また、タイヤは、転がり抵抗を低減するコンパウンドを配合した145/80 R13のタイヤを採用。2WD車・4WD車にかかわらず、すべてのグレードでエコカー減税（環境対応車普及促進税制）に適合させている。減税率はグレードによって異なり、50％もしくは75％。

　アルトと同時に発表されたアルト バンは、経済性や使い勝手の良い荷室など、商用車に求められる価値を追求したとしている。主な特長は、リアドア開度を80度とし、荷物の出し入れがしやすい5ドアを採用。荷室幅は1185mm、荷室高は915mm、荷室長は1085mm（2名乗車時）となっている。

アルトバン。グレードはVPのみで、ボディーカラーもスペリアホワイトのみになる	アルトバンのインテリア

　なお5速MT車の発売は、アルト、アルトバンともに2010年2月からの予定となる。