「BRAND OF THE YEAR 2009」でトヨタ“こども店長”CMが16位
「意外性のおもしろさを狙った」

トヨタの「オールトヨタキャンペーン」が総合16位にランキング

2009年12月17日発表



 CM総合研究所(東京企画)は12月17日、「BRAND OF THE YEAR 2009」を発表、同時に授賞式を行った。これは1年間(2008年11月~2009年10月まで)にオンエアされたCMの中から、消費者の評価が高かったブランドトップ10のほか、売り上げに大きく貢献したCMを選出し、表彰するもの。

 この調査期間にオンエアされたCMは9211銘柄(1万7641作品/1965社)。この中から首都圏の調査モニター3000人による月例調査を実施し、CM好感度、CM商品好感度、Brand使用意向度、Brand愛用持続度の4項目を集計して算出される。

 トップ3はソフトバンクモバイル、KDDI、NTTドコモと、携帯電話会社が独占。特にソフトバンクモバイルは12カ月中11カ月で首位となったほか、項目別でもトップを独占。さらに3年連続の栄冠と、他を寄せ付けない勢い。その一方で、自動車メーカーはトップ10に入ることすらできず、世相を反映した結果となった。

CM総合研究所代表の関根建男氏調査期間中のCMは全9211銘柄と、放送回数、広告費などとともに前年を下回る。その反面、“巣ごもり”傾向によってテレビ視聴時間は増加していると言う会場には受賞したブランドの関係者が多数訪れていた
首位を堅持したソフトバンクモバイルの関係者。クルマメーカーにも頑張って欲しいところだ「売り上げに貢献したCM-Brand展開<新参入ブランドの部>」を受賞したメーカー(全10社)。クルマメーカーの姿はなく、食品関係のブランドが多数を占めていた「売り上げに貢献したCM-Brand展開<定番ブランドの部>」を受賞したメーカー(全10社)

 そんな中で自動車業界トップ(総合16位)を獲得し、さらに売り上げに大きく貢献したCMとして選出されたのが、トヨタの「オールトヨタキャンペーン」。同シリーズはこの4月から合計10作品をオンエアしており、中でも人気の牽引役となったのは、あの「こども店長」だ。加藤清史郎くん演じる店長が、補助金や減税を給食にたとえてオトク感を説明する姿は「可愛らしい」「ユーモラス」など、幅広い年齢層から支持を受けた。

 トヨタ自動車宣伝部 第一キャンペーン企画室 オールトヨタグループの石川貴規氏は、「クルマ離れと言われている中で、面白くて、明るくて、クルマに興味や関心を持って頂けるような新作。かつ、お客様に販売店に足を運んで頂くためにはどうすればよいかと言うことで、“子供が店長をやっている”という意外性のおもしろさを狙いました」と、シリーズのコンセプトを語った。また、同シリーズは「今後も当面は続けていきたい」とのことなので、続編のオンエアを楽しみに待ちたい。

トヨタ自動車宣伝部 第一キャンペーン企画室 オールトヨタグループの石川貴規氏4月の放映開始から好感度が上昇。特に7月は全体の3位、8月は2位と高い支持を受けた。年齢別では50~59歳の支持が特に多く、加藤清史郎くんの孫(?)的な雰囲気が受けた要因かも

 ちなみに、クルマ業界ではダイハツ/タント(17位)、ダイハツ/ムーヴ(19位)、日産/ノート(24位)、ダイハツ/ミラ(74位)、ホンダ/インサイト(79位)と、100位までにダイハツの3車種がランクイン。販売台数と同じく、軽自動車をはじめとしたコンパクトなモデルに興味が集中したようだ。

(安田 剛)
2009年 12月 18日