パイオニア、世界初のHVT方式を採用した薄型サテライトスピーカー 1DINタイプのメインユニットや小型パワーアンプも発売 |
パイオニアは1月7日、世界初となる「HVT(Horizontal-Vertical Transforming)方式」を採用したサテライトタイプの薄型・高音質“ステルススピーカー”を2月上旬より発売すると発表した。価格は4万2000円。また、さまざまなメディアに対応する1Dメインユニット4機種と、小型・軽量化を実現したパワーアンプ2機種を、1月下旬より順次発売する。
■サテライトスピーカー
わずか36mmという薄さから「車内インテリアと自然に調和する」スピーカーとして“ステルススピーカー”と名づけられた2ウェイサテライトスピーカーの「TS-STH1000」。従来、垂直方向に駆動していたボイスコイルを、水平方向に駆動するフラットなコイルとするHVT方式をウーファーに採用し、薄型のスタイルを実現。HVT方式では、振動板の両サイドに配置されたボイスコイルの水平方向の振動を、新開発のリンクにより垂直方向の動きへと変換し、振動板に伝える。
ツィーターには新開発の大口径3.3cmソフトドームダイアフラムを採用。その外周部に独自ホーン形状のウェーブガイドを設けることで、心地よい音の再生を実現したとしている。
ウーファーの振動板のサイズは57×75mm(φ87mm相当)で、本体サイズは261×36×105mm(幅×奥行き×高さ)と薄型設計。加えて、スピーカー本体の高さと回転角度の調整が簡単に行える位置調整機能付き取付け金具が付属し、従来のサテライトスピーカーの形状では取付けられなかった車種や場所への取付けを可能としている。
■1Dメインユニット
1DINタイプのメインユニットとして、DVDビデオやUSB接続にも対応した「DVH-P550」(2万6250円)と、CDとUSB接続に対応した「DEH-P650」(2万2050円)、「DEH-550」(1万5750円)、USB接続を省いた「DEH-350」(オープンプライス:店頭予想価格1万1000円前後)の4モデルを発売する。DVH-P550が2月下旬発売予定で、そのほかは1月下旬発売の予定。
DVD-V/VCD/CD/USB/チューナー・WMA/MP3/AAC/DivX/JPEG対応メインユニット「DVH-P550」 | CD/USB/チューナー・WMA/MP3/AAC/WAV対応メインユニット「DEH-P650」 |
CD/USB/チューナー・WMA/MP3/AAC/WAV対応プレーヤー「DEH-550」 | CD/チューナー・WMA/MP3/WAV対応プレーヤー「DEH-350」 |
いずれもWMAやMP3といった多彩な音楽ファイルに対応し、フロント部にAUX入力を設け、ポータブルプレーヤーなどを接続可能。DVDビデオが再生可能なDVH-P550では、VRモード録画やCPRMにも対応、またDivXの再生も行える。別売の5.1ch対応DSPユニット「DEQ-P9」と組み合わせることで、本格的な5.1chカーシアターシステムへ発展させることもできる。
USB接続可能なモデルでは、USB接続するだけで、デジタルオーディオプレーヤーやUSBメモリーに収録された音楽ファイル(WMA/MP3/AAC/WAV)が再生できる。iPod、iPhoneを接続した場合は、本体側のほか、iPod、iPhone側からも操作可能なコントロールモードを持ち、また充電も可能としている。さらにDVH-P550では、iPod、iPhone、携帯デジタルプレーヤーなどの映像を楽しむことができるほか、iPod、iPhoneに収納されているアルバムのジャケット写真をTVモニターに表示することもできる。また、DEH-P650には「ミュージックブラウザ」を搭載。USB接続したデバイスの中から、アルバム名やアーティスト名、曲名などで検索できる。
「Power MOS FET 50W×4chアンプ」を全モデルに搭載。圧縮オーディオをCDに迫る高音質で再生する「アドバンスド・サウンドレトリバー」(DVH-P550、DEH-P650、DEH-550)や、好みの音質調整が可能な「5バンドイコライザー」(DEH-P650)、「3バンドイコライザー」(DVH-P550、DEH-550、DEH-350)を搭載するなど、高音質にもこだわった仕様となっている。
■パワーアンプ
パワーアンプの入門機として、大幅なサイズダウンと軽量化をしたのが、150W×4のブリッジャブルパワーアンプ「GM-D6400」(2万6250円)と、400W×1のモノラルパワーアンプ「GM-D6100」(2万1000円)。いずれも1月下旬発売予定。
150W×4 ブリッジャブルパワーアンプ「GM-D6400」 | 400W×1 モノラルパワーアンプ「GM-D6100」 |
信号処理部に新たなデジタル統合ICを搭載し、最適な基板レイアウト設計をすることで、クラスD回路の小型化、高音質化を実現。本体サイズは245×200×56mm(幅×奥行き×高さ)となっている。放熱効率に優れたMOSFETを電源部に搭載することで、大幅な小型・軽量化を実現している。さらに信号応答速度の速さを活かして、スイッチングロスを低減することで、高音質化を図っている。
シャシーには、耐振対策を講じることで音への影響を排除する「TVC コンセプト」に基づいたH型シャシーを採用。GM-D6400には、マルチアンプシステム向けに「フルレンジRCA出力端子」や「ローパス&ハイパスフィルター」を装備。GM-D6100では、「ローパスフィルター」や「バスブースト機能」を装備し、迫力のある低域を再生する。また、両モデルとも、メインユニットの起動を検出して自動的に電源を入れ、スピーカーレベルに入力感度を合わせる「インプットセンサー」を搭載、純正システムとの組み合わせにも対応する。
(瀬戸 学)
2010年 1月 7日