はとバス、ひとあし早くバスガイドの成人式 2010年は17名が艶姿を披露 |
1月8日、恒例となっている「第49回はとバスガイド成人式」が明治神宮で行われた。
株式会社はとバスでは、祝日である成人の日が業務で忙しいため、成人するスタッフが各自治体が行う式典に出席できない場合が多い。そこで1962年から、成人を迎えるバスガイドのために独自で成人式を行い、今ではそれが新春の風物詩となっている。
2010年に成人を迎えるバスガイドは、1989年4月2日から1990年4月1日に生まれた18名(1名欠席)。年によって違うが、ここ数年は毎年20名前後のバスガイドを新規採用していると言う。
成人を迎える彼女たちは、2008年3月中旬から入社して、勤続1年10カ月。はとバスのガイドは、3月の入社後すぐに研修がはじまり、ゴールデンウィーク前には、東京、横浜、鎌倉観光のコースに1人で乗車し、ガイドを行う。入社2年目を迎えた彼女たちは、果物狩りや観光旅行など遠くのコースに同乗することも増えると言う。
参加者は8時に東京 平和島のはとバス本社に集合。新年の恒例行事となったはとバス成人式には、テレビや新聞社など数多くの報道陣が集まった。はじめに、昨年の11月から都内観光コースに41年ぶりに復活導入された2階建てオープンバスでの記念撮影が行われた。通常の記念写真だけでなく、バスガイドの決まり文句である「発車オーライ」のポーズも艶やかな晴れ着姿で披露し、笑顔を振りまいてくれた。
朝早くから晴れ着姿で集合していた彼女たちに、当日の着付け開始時間を聞いてみたところ、なんと早い人で朝3時! 多くの人が、4~5時から美容室で着付けを開始していたそうだ。しかし、彼女たちは、笑顔で「集合時間が早いコースも多いので、朝早いのは大丈夫なんです」と答えてくれた。
本社での記念撮影を終え、明治神宮に昇殿参拝するため、通常タイプのはとバスに乗り込んだ。車内では、明治神宮までのガイドを務める先輩の吉塚里美さんが、「本日は、おめでとうございます。入社2年目になり後輩を迎えただけでなく、成人として仕事を迎えることになりました。かわいいバスガイドさんだけでなく、大人の魅力ある女性として今後も仕事を頑張って下さい」と、お祝いの言葉と挨拶を述べた。
その後、1963年から歌い継がれていると言う2代目コロムビアローズさんの「二十歳」を、ガイド全員で合唱。首都高で東京タワーが見えると、晴れ着姿の彼女たちは笑顔で「右手に見えますのが、東京タワーです。次のカーブを曲がったときが一番大きくよく見えるポイントになります」と、口々に東京タワーを説明してくれた。
明治神宮に着き、本殿へ向かった。新成人バスガイドさん曰く、「仕事で何度も来ているけど、振袖を着て来ると新鮮です」とのこと。
本殿へ向かう道中、新成人の意気込みや抱負を聞いてみると、「誰かに幸せにしてもらうのではなく、自分が誰かを幸せにする自立した大人の女性になりたいです」「経験をもっと積んで、どんなことにも落ち着いて対応できる先輩方のようなガイドになりたいです」「外国の方と接することも多いので、英会話などにチャレンジしてみたいです」など、仕事に対する想いを語る人が多かった。
明治神宮には、初詣の参拝客や外国人観光客も多く、振袖姿の彼女たちに目を奪われていた。ガイド業務は、外国人観光客と接することが多いらしく、たいていのことはジェスチャーで通じるとのこと。外国人観光客に何度も頼まれ、一緒に記念撮影をしていた。
成人になったバスガイドの出身地は、北は秋田から南は長崎までと幅広い。「地元の友人たちと、成人式を迎えたくなかった?」と質問をすると「バスガイドは地方出身者も多いんです。研修から、今まで一緒に頑張ってきた同僚と成人式を迎えられるのは、とても嬉しいです」(渡邊文絵さん)とのこと。年末に帰省したときに、晴れ着での撮影とともに、お祝いもすませたと語ってくれた。
最後に昇殿参拝が行われ、ひとりひとりに破魔矢と絵馬が贈呈された。新年の祈願と新成人の目標を絵馬に書き込み、世間よりひとあし早いはとバスの成人式は終了した。
振袖を濡らさないように、お清め | 多くの観光客が、振袖姿のバスガイドに魅入っていた | 南神門をくぐり本殿へ |
明治神宮 本殿 | 外国人観光客と一緒に記念撮影 | 今年の新成人のバスガイドは18名で、1名は欠席 |
祈願絵馬掛 | 贈呈された絵馬に成人の抱負を書き込むバスガイド | 新たな気持ちでハイチーズ! |
願いを込めて絵馬を吊るす | 成人式専用はとバスで記念撮影 | |
千葉県木更津出身の渡邊文絵さん |
(加藤真貴子(WINDY Co.))
2010年 1月 8日