NECとNECトーキン、リチウムイオン電池事業会社「NECエナジーデバイス」設立
自動車用リチウムイオン電池へ十分な経営資源を投入

2010年2月10日発表



 NEC(日本電気)とNECトーキンは2月10日、NECトーキンの大容量ラミネートリチウムイオン2次電池事業を分社化し、新会社「NECエナジーデバイス」をNECの100%子会社として4月1日に設立すると発表した。

 NECとNECトーキンは、2007年4月に、日産自動車とともに設立した合弁会社「オートモーティブエナジーサプライ」(出資比率:NECとNECトーキン49%、日産51%)において、自動車用高性能リチウムイオン電池(セル、パック)の開発・生産を進めており、同電池向けの電極を量産化するため、電極製造ラインを順次設置し、立ち上げを進めている。

 この電池は日産が今秋発売予定の量産電気自動車「リーフ」や、「フーガ」のハイブリッド版にも搭載される予定で、NECは、この大容量ラミネートリチウムイオン2次電池事業を、NECグループの新たな成長領域となる環境・エネルギー事業の中核と位置づけている。

 新会社の設立はリチウムイオン2次電池事業を、従来のNECトーキンの電子部品事業と分離し、NECグループとして投資・事業・生産・技術をマネジメントする体制を構築するため。とくに同電池事業の中でも、自動車用高性能リチウムイオン電池の中核部品となる電極事業を推進する上では、品質管理体制の整備や、自動車メーカーとの密接な連携、競合他社との激しい開発競争を乗り切るための継続的な研究開発への投資が必要と考えており、十分な経営資源を投入していく。

 リチウムイオン2次電池事業分離後のNECトーキンは、素材型電子部品メーカーとして、キャパシター、EMCなどの電子部品事業に経営資源を集中し、リチウムイオンキャパシターや磁性材料、圧電センサーなど、環境・エネルギー市場を意識した製品展開を進めていく。すでに撤退を表明している角型電池事業については、完全終息までの間、顧客サポート、品質保証などの事業を継続していく。

 新会社の概要は下記のとおり。

商号:NECエナジーデバイス株式会社
(英文商号:NEC Energy Devices, Ltd.)
本店所在地:神奈川県相模原市
資本金:4億円(NEC100%)
従業員数:約300名(予定)
設立日:2010年4月1日(会社分割の効力発生日)
代表取締役社長:佐藤護
事業概要:大容量ラミネートリチウムオン2次電池、電極および環境・エネルギー分野に関する製品の開発、製造、販売および保守
備考:2010年4月1日、NECトーキンが大容量ラミネートリチウムイオン2次電池事業を新設分割し、新会社株式4000株を取得(NECトーキンの100%子会社)。同日、直ちに、NECトーキンは新会社株式の全株式をNECに譲渡(NECの100%子会社化)

(編集部:谷川 潔)
2010年 2月 12日